劇場公開日 2012年12月14日

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「もはや究極の映像体験」ホビット 思いがけない冒険 MIKI-soさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0もはや究極の映像体験

2012年12月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

1985年に筑波未来博の東芝館で上映された”ショウスキャン”のことを覚えている人はどれ位いるのでしょうか?
鬼才ダグラス・トランブルが提唱したワンフレーム50コマの映像を当時観て驚き、これが実際の映画に応用される日はいつ来るのだろうかと思い続けて27年が過ぎました。
DLPが普及することで24フレーム以上のレイトで上映することが可能になり、いつか登場してくると思いましたが、遂にその日がやってきました。
今日IMAX3DHFRで観賞した本作の50フレームの映像を見る前は、テレビの4倍速のテレビゲームのCGのような違和感の残る物なのではと危惧していました。しかし実際に上映された物は最初こそ違和感がありますが、10分もするとその映像に慣れてしまいました。
デジタル処理で無理矢理作った高フレームレートの映像と違い、製作段階から50フレームで作られた物は違和感もなく、驚くほど緻密な映像で、これを見てしまうと従来の映画は物足りなくなってしまいそうです。まさに究極の映像体験といっても過言ではありません。
この映像は超高精細なテレビを見ているようで、今後のテレビメーカーはこの映像を完璧に再現することを目標に製品開発が進むと思います。
アバターが3D映像のベンチマークとなり、3Dテレビの映像は確実にそれを超えていました。本作は新時代の4Kテレビのベンチマーク映像となることでしょう。

技術的なことから書いてしまいましたが、本作はご存じのようにロード・オブ・ザ・リングの60年前の物語です。これも3部作になる予定ですからスター・ウォーズ6部作と同様な構成になります。その為ロード・オブ・ザ・リングとリンクするシーンが随所に出てきます。将来的に年代順に観賞しても違和感がないと思います。
そういった点でもとても計算された脚本です。ただロード・オブ・ザ・リングのように分かり易い問題を解決する話ではないので、最初は物語が良く理解出来ません。次第に分かってくると、もう次回へ続くとなり、3時間があっという間です。
特殊効果はロード・オブ・ザ・リングを超える程素晴らしいし、画面を固定せずに絶えず微妙に動かす、ピータージャクソンならではの演出も健在です。また今回はロード・オブ・ザ・リングでは残忍さの描写が弱かったオーク族の残虐さが際だっていて、それが物語の核になっています。
次作、最終作では他のキャラクターも細かく描き込んでいくでしょうから、全作が完成した時のロード・オブ・ザ・リングシリーズ全体の印象も変わるかも知れません。
ロード・オブ・ザ・リングのファンの方も、これからこのシリーズを見る方にもとてもお勧めの作品です。間違いなく観賞料金はペイ出来ます。もし近くにIMAXで上映している劇場がある方は、絶対にそちらでご覧になられた方が良いです。究極の映像体験が出来ますよ。

superMIKIso