劇場公開日 2009年2月21日

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7つの贈り物 : インタビュー

2009年2月17日更新

アイ・アム・レジェンド」「ハンコック」とアクションものが続いたウィル・スミスが、「幸せのちから」のガブレエレ・ムッチーノ監督と再びタッグを組んで送り出すヒューマンドラマ「7つの贈り物」が公開される。本作のプロモーションのため、実に10回目の来日を果たしたスミスにインタビューを敢行。これまでとはまったく異なるキャラクターを演じた本作について、語ってもらった。(取材・文:編集部)

ウィル・スミス インタビュー
「ベンのキャラクターを引きずっていて、普通の生活が大変だった」

気さくな人柄で知られるスミスが、苦悩する男を演じた「7つの贈り物」
気さくな人柄で知られるスミスが、苦悩する男を演じた「7つの贈り物」

スミスが本作で演じるのは、過去のある出来事で心に深い傷を負った男、ベン・トーマス。彼は、7人の赤の他人をリストアップし、彼らの人生を変える“ある贈り物”を届ける計画を練っている。内向的で他人を拒絶して生きるベンは、サービス精神旺盛なスミスとは対照的なキャラクターだ。

――ベン・トーマスは過去の事件のせいで感情を押し殺している男です。自身とは正反対の役で苦労したところは?

ベンの贈り物の正体とは…?
ベンの贈り物の正体とは…?

「僕は演じるキャラクターに対するスイッチを、簡単に切ったり入れたりできるほどの俳優ではまだない。一度キャラクターに作り上げたら、そのまま撮影中の3カ月間、それを引きずってた。だから普通の生活をするのが苦労したよ。ベンは、とてもダークな痛みを抱えた状態だったからね」

――ベンの“贈り物”はとても意外なものですが、もしあなたがベンに選ばれた7人だとして、あなたはその贈り物を受け取ることができると思いますか? もし受け取ったとしたら、その後の人生はどのように変わると思いますか?

「まず最初に、ベンは僕を選ぶかな。ベンはなるべく善人を選ぼうとしていて、僕自身も善人でありたいと努力はしているつもりだから、選んでほしいとは思うけどね(笑)。ただ、ベンは少し極端な精神状態にある人間だから、どのように判断するか予測はできないね。それから、ベンの贈り物を受け取った側には、非常に責任があると思う。ベンが贈り物を授けた人に言うのは、『自分の人生を豊かに生きてくれ』ということ。だから、受け取った側はそれを守り、責任を持って生きていかなければいけないと思う」

――エミリー(ロザリオ・ドーソン)と出会ったことで、ベンは最後の決断のところで心が揺れたと思います。結末について詳しくは言えませんが、彼女を愛していたからこそ決断したのか、それとも愛しているのに決断したのか……どちらだと思いますか?

「愛に対する考えをどうもっているかにもよるね。ロマンチストな人は、愛のために計画をやり遂げたと思うかもしれないし、そうでなければ彼はとにかく計画をやり遂げるしかなかったのだと受け取るかもしれない。受け手の価値観次第だと思う。僕自身も、それについては揺らいでるんだ。個人的にはロマンチックな方向でとらえたいと思っているから、彼は愛と自己犠牲によって計画を成し遂げたんだと。でも、ベンは心に深い傷を負い、病んでいるような状態だったから、果たしてそうした精神をもっていたか……僕自身、いまでもその解釈で揺れているんだ」

ベンの行為をどうとらえるかは見る人次第
ベンの行為をどうとらえるかは見る人次第

――今回はガブリエレ・ムッチーノ監督と2度目の仕事でしたが、いかがでしたか?

「ひとつの仕事が終わり、その後しばらく離れていても、まだいい関係が続いているような、親しみを感じられる人間関係がある。彼との関係はまさにそんな感じだ。『幸せのちから』が終わった後も、離れていなかったような、とてもいいつながりがもてたと思ってる。僕と彼は一緒に成長し、互いにより良くなっていったと思うしね」

――そうしたつながりを他の監督と感じることは?

「マイケル・マンだね。マイケルもガブリエレも、僕を見透かしている、見通しているところがある。僕の感じること、考えていることを理解し、僕がしがみつこうとしている、居心地のいい場所から引き離す術を持ってるんだ。“ウィル・スミスの選択肢”というエリアから引き離そうとする。それによって、僕は幅を広げられるんだ」

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