「つくづく惜しい」ザ・バンク 堕ちた巨像 okaoka0820さんの映画レビュー(感想・評価)
つくづく惜しい
中身はおもしろい。
欧州のメガバンクを軸にした違法取引とその背景描写。追っても追っても振り出しに戻される底なし沼のような展開。この巨悪の描き方はなかなか見応えがあった。
おしいのは、アクションをやってしまうこと。美術館の銃撃戦とラスト。あれやるとストーリーに決着を付けられなかったのがバレてしまう。中東情勢を含むノンフィクション要素があるため完全な決着を付けようがないのも理解するが、ちょっと映画的オチにこだわり過ぎたのかな、と。
中盤までの緻密な展開がすばらしいぶん、どうにか頑張ってドンパチではないクライマックスを用意してほしかった。
ラストなんて巨悪バンクの頭取が一人ぷらぷらするって時点で緊張感を損なっている。屋根ロケーション出た時点でほんとがっかり。あれじゃまるでサスペンス劇場の断崖絶壁。つくづく惜しい。
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