「紡がれる人生の糸」脳内ニューヨーク keitaさんの映画レビュー(感想・評価)
紡がれる人生の糸
噂に聞くチャーリー・カウフマンの世界観を初めて体感した。
第一印象は、エンディングの技量の高さだ。
一見すれば脈絡の無い映像群を1つに集約し、前向きなメッセージを残し締めくくる。
この映画のあらすじを語れと言われたらそれはとても難しいことだ。
しかし、観終えた後には映画を観たという感覚が残る。
それは、このエンディングの巧みさ、脚本技術の上手さがあるからだ。
"人生"を大局に捉えるその主観でも客観でも無い視点は理由は分からずとも自然と引き込まれていく。
"人生は誕生"、"人生は成長"、"人生は苦難"、"人生は喜び"、そして"人生は死"。
紡ぎ出される個人個人の人生の欠片はやがて溶け合い1つに還る。
例外は無いのだと作品は語る。
全ての人間の"不偏"というテーマに対して敢えて演劇のセットや摩天楼、人工の産物で挑んだところにカウフマンの挑戦を感じる。
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