「頭がぐるぐるぐる…「カウフマンの穴」にこそ入ってみたい」脳内ニューヨーク めぐ吉さんの映画レビュー(感想・評価)
頭がぐるぐるぐる…「カウフマンの穴」にこそ入ってみたい
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『マルコヴィッチの穴」の脚本家カウフマンの監督デビュー作!ということで期待大だったのですが…
ちょっと期待しすぎたかなあ、と。
いえ、もちろん、決してつまらないというわけではありません。
むしろ、マルコヴィッチやエターナル・サンシャインで描かれていた、
人間の脳の中で展開される大妄想大会の純度がMAXまで高まって面白いのですが、
「ついていくのに疲れた…」という感じです。
主人公は劇作家で演出家のコタード。
マッカーサー・フェロー賞で得た莫大な賞金を元に、
彼は前代未聞の演劇プロジェクトを思いつきます。
それは、NYの巨大は倉庫にNYの街を再現し、
そこで、自分自身の生活を細部まで演劇化するというもの。
とはいえ、コタード自身が舞台に立つわけではないので、
コタードの生活を演じる役者がいて、その役者に演出しているコタードを演じる役者もいる…
そして、この舞台がいったいどこから始まって、どこで終わればいいのか、コタード自身にもわからなくなり、
やがてリアルな生活そのものが虚構の舞台に飲み込まれていき、
気づけば上演されないまま、みんな年老いて…
と、こう思い出して書いているだけで、頭がぐるぐるぐる。
ほんとに悪い夢に入り込んでしまったような、、、
笑いとしてはかなりダークですが、その分、チャーリー・カウフマンのねじくれきった感性(←いちおう誉め言葉)と
頭のよさをいやと言うほど堪能できます。
こんなストーリーを考えつく「カウフマンの穴」にこそ、入ってみたいですよ、、
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