重力ピエロのレビュー・感想・評価
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強烈に刺さった
人によって意見が分かれる典型的な作品かも知れない。突っ込みどころは多々あるが、まあ細かい事はどうでもいい。この世界観が好きか嫌いか、きっとそれだけの話なんだろう。とにかく僕にはめちゃくちゃ刺さったという事だ。
一つ一つの伏線が丁寧なため、どんどん先が読めてしまう。でもこれは伏線が安易という意味ではなく、わざと先読みさせてこれから何が起きるかを観る側にちゃんと予想させているのだろうと思った。これから嫌な事が起きるのがうっすら分かるからこそ何とも言えない「嫌な気持ち」にさせられるのだ。こういった展開のさせ方は実に上手いなあと思う。
何よりキャストが全員素晴らしすぎる。小日向文世さんはいつ観ても本当に素晴らしい。レイプされた妻が身籠ったと知って「産もうよ」と妻に提案する。妻が亡くなった後に「俺達は最強の家族だ」と息子達に語りかける。あんなに柔らかい物腰なのにどこか「陰」があって「芯」があって「凛」としている。その佇まいに心がめっちゃ揺さぶられるのだ。また加瀬亮君も鈴木京香さんも吉高由里子ちゃんも渡部篤郎さんのクソっぷりも(笑)、とにかく皆が素晴らしかった。そして兎にも角にも岡田将生君の美しさですよ!もう「神がかってる」としか言いようがない。おっさんの僕ですら思わず吸い込まれてしまいそうな彼の憂いを帯びた表情…。これはもうやば過ぎるでしょ。
そして映画を観終わった時、何と表現したら良いか分からない気持ちにさせられる。悲しくもあり切なくもあり美しくもある、胸を締め付けられるような家族の愛の物語。原作を読んでいないから何とも言えないが、これが「伊坂ワールド」ってやつなのかと思いながら余韻を噛み締める。すると最後に「あの曲」が流れるわけだ。S.R.Sの「Sometimes」だ。これはもう完全にやられる。染みるなんてもんじゃない!この作品全体に纏い続ける「もの悲しさ」にハマり過ぎてるじゃないか。こんな奇跡あるんだろうか。曲が流れている間、鳥肌が止まらない止まらない。
確かに突っ込みどころは多々ある。でもそんなのどうでもいい。演者、脚本、演出、音楽、それら全てが完全に一体となり同じ方向へ向かって出来上がった「奇跡の作品」。僕はそう思わずにはいられなかった。実はこの余韻がずっと続いており、正直に言うと今でも思い出すだけで胸がぎゅっと苦しくなるのだ。こんな作品にはなかなか出会えるものではない。
伊坂幸太郎の伏線回収と螺旋状に交わり繋がる真実に涙
I'm sad.かな。その悲しみの螺旋をただ憂鬱に、優しく観ていた。
劇的な伏線を回収する伊坂幸太郎の華やかさを抑え、淡々と家族の表情が変わっていく様を重厚な役者で綴る。
結構諸々受け止めるに重く、観るにはなかなかハード。それでも待ち受けるはきっとハートフル。
自首しない決断
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似てない兄と弟がいた。
共に近所で起こる連続放火事件を調べてるうちにある事に気がついた。
それは残された落書きが遺伝子記号を意味しているということ。
そんな折、父親から衝撃の事実を聞かされる。
20年くらい前に連続レイプ事件があり、母もその被害者だった。
それにより生まれたのが弟の方だったのだった。
母はその後事故死したが、本当は自殺だった可能性もあった。
レイプ事件の犯人は当時高校生で、5年くらいで出所して来ていた。
兄はこの男に会いに行き、全く反省していない事を知った。
なのでこの男を殺す計画を立て、実行日も決めていた。
ある日、弟から放火事件の再調査をしようと持ちかけられる。
でもその提案された日は男を殺す事にしていた日なので断った。
その直後、弟に片思いする女から、放火魔は弟だと知らされる。
弟は30件あったレイプ事件の各犯行現場で放火をしていたのだった。
何故そんなことをしていたのかはさっぱりわからんけど。
その日が最後の放火で、そこにレイプ犯つまり父親を呼んでいた。
そしてそこで父親撲殺し、兄はそのシーンを目撃した。
弟は自首すると言ったが、兄は止めた。
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まともに見える弟が実は精神を病んでいたという話。
でも何でそんな放火をしたんかは全くわからんかったわ。
一応、その放火事件の記事を父親に送りつけたりして、
何らかのメッセージを伝えたかったって事なんやろうけど。
でも父親を殺す目的なら、そんな面倒な事する必要もないねんけど。
まあ結局は自首をせず、盲目な警察の捜査の手も伸びて来ない。
放火現場の近くにいつも落書きがあり、実はそれも弟が描いていて、
翌日それを自分で消してたんやから、疑われそうなもんやけどなあ。
しかしこの手の話で、自首しないという結論になるのって珍しい。
おれは少なくとも、自首する必要はないと思ってしまうけど。
あとタイトルは、子供の時に親子4人でサーカスを見に行った時に母が、
ピエロが楽しそうだから、重力さえもなくなり落ちないって言ったのが由来。
えっそれだけ?って思ってしまった。あんまり関係なくない?(場)
面白い!けど・・・
原作を読んでいないのであくまで映画だけの感想、という事を前置きいたしますが、そもそも普通の感覚ではレイプされて身籠った子どもを産もうと思うのは母性として普通の感覚なのだろうか。母体が何らかの病気で中絶をしたら体に影響があるって話なら別だけど。。
そのような子を産んでしまっていつか真実を知ってしまったら不幸でしかなくない?てなわけでこの物語はある意味必然のような気がしてしまって納得感が先立ち映画としての面白さが半減してしまった。
【”俺たちは最強の家族だ!”赦されざる者は報いを受ける。今作は、不幸な現実にもめげず、懸命に希望を見出そうとする家族の物語である。タイトルに込められた意味は、重いです・・。】
■大学院で遺伝子の研究をする泉水(加瀬亮)と、街中の落書き消しの仕事をする春(岡田将生)。
”全然似ていない”2歳違いの兄弟である2人は、ある日、父親がガンに侵されていることを知る。
一方、街では連続放火事件が起きており、その現場には犯人からのメッセージと思われる落書きが残されていた。
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・久方ぶりに鑑賞したが、高校生時代に連続レイプ犯だった葛城(渡部篤郎)の、成人してからの豪奢なマンションで、泉水に言い放った言葉には、相変わらず怒り心頭になる。
ー ”レイプ魔が、何を言ってやがる!家庭の安寧を崩しかけたことを判っているのか!”
個人的な意見であるが、レイプ犯は、市中引き回しの上、八つ裂きの刑が妥当だと真面目に思っている。(一応、法学部出身ですが、ハムラビ法典を学んだので・・。)
女性の人権を蹂躙する男(今でも、頻繁に事件が起こる。)は一罰百戒の意味を含めて、厳しい厳しい厳しい、刑罰を処するべきである。終身刑でも良い。ー
■今作が響くのは、レイプ魔により一度は家族が崩壊しかけたところに、父(小日向文世)が決断した事である。
”自分で考えろ!”
生まれてくる子には、何の罪もないのであるから・・。
・そして、物語が進むうちに、連続放火犯は誰であったかが分かるシーン。それは、壮大な復讐であった・・。
<不幸な現実の先にも、懸命に希望を見出そうとする家族の物語。
卑劣な犯罪によって翻弄される兄弟を加瀬亮&岡田将生が、彼らを温かく見守る父親を小日向文世が演じる作品。タイトルに込められた意味は、重いです・・。>
配役最高、シナリオ最高
シリアスな伊坂幸太郎作品はすべる可能性が高いと思ってたんですが、そこまで闇に引きずられず、いい感じな良作でした。
渇いた感があるこの感じがたまらないですね。
大事件を日常に重ね合わせて、浮かせずに描ききる伊坂作品と映画化に脱帽でした。
良い映画の雰囲気はする
面白そうな雰囲気はするが、私には刺さらなかった
放課現場にアートがある無理を補うだけの、頭で話を作ったようで作品のパワーが今ひとつ
放火犯を探す始まりからあまり話に引き込まれないのに、遺伝子の話や家族の話で深くなっていく
もっと追加すべきシーンや無くていいシーンがありそう
両親が好きになれない
本当に深刻なことは陽気に伝えるべきという台詞が印象的です。
嘘をつく時の癖が育ての親と似ているのが良かったです。
気になったのは下記です。
・兄の行動が無駄に思える。
観客は既に親子と認識している状況で、親子鑑定しようとしています。また、夏子に聞いて弟の放火を知るのではなく、弟の様子を不審に思い部屋を捜索して、ポスターの裏を見て初めて真実が分かる方が良いです。
・春を産む覚悟が弱い
どちらの子か分からないとか、もう少し産みやすい状況にして欲しい。また、春が生まれた経緯を知ってる地元から引っ越そうとしないのが理解できない。引越したが、偶然に知ってる人に会って、噂が広まるとかにして欲しい。
・父親を殺したら、罪を償わないのか。
父親の罪を許せないなら、自分の放火や殺人も許せないと思うはずです。
春が火事で父親と一緒に死のうとするが、病気の父親が命がけで助けるような展開が好みかな。
以上
家族の秘密
2009年。原作・伊坂幸太郎
よく考えれば悲惨なミステリー映画です。なのに優しく穏やかな雰囲気を
醸しています。
原作者の伊坂幸太郎さんの個性でしょうか。
そして配役。
お父さん=小日向文代
お母さん=鈴木京香
お兄ちゃんの泉水=加瀬亮
弟の春=岡田将生
幸せな一家には悲しい過去があった。
お母さんはある日、家に入り込んでた高校生にレイプされた。
そのDNAで生まれたのが春。
そんな受け入れ難い境遇を春(岡田将生)が《どう落とし前をつけるか!!》
そういう映画です。
温厚な(知らないけど、多分)伊坂幸太郎さんの原作は悪をある意味で否定していません。
まるで今の中村倫也そっくりな加瀬亮。
爽やかな春風のような岡田将生。
聖母マリアのような母親・鈴木京香。
そして何より最高なのはお父さんの小日向文代さんです。
ガンジーを尊敬する春の下した結論は?
悲しくも美しい物語でした。
伊坂幸太郎の名作映画化
伊坂幸太郎の『ゴールデン・スランバー』と並ぶ、直木賞候補にも挙がった名作の映画化。原作は、既読だが、映画は観てなかったので、huluで鑑賞。もう13年の前の作品になるのだと、出演者の若さ、当時の携帯や服装からも伺えた。
内容的には、レイプ魔や放火犯等の凶悪犯罪を巡るサスペンス。しかし、根底には血の繋がらない兄弟、親子の家族愛をテーマとしたヒューマン・ドラマとしての温もりも感じられる。正に、劇中のセリフにもあった『最強の家族』の物語であると言える。
今から17年前に起きた連続レイプ魔の犯行によって、妊娠を余儀なくされた妻。それを承知で、自分達の子供として育てる決意をした夫。その噂は町中に知れ渡ったが、夫婦は、先に生んだ実の子ども・泉水と変わらずに、本当の弟・春として愛情を注いで育てた。
その17年後、彼らが住む仙台の街で放火事件が連続して起こる。泉水と春は、壁面に描かれたグラフィックアートが残された現場近くで、放火事件が発生していることに気づく。2人して放火犯を見つけようと、張り込みを続けていく。そこに嘗ての、レイプ犯も関わって、サスペンスの要素も深まっていく。
春役には、若き日の岡田将生が務めている。一見すると、天才肌で、悩みは無いように振舞いながらも、そこには自分の誕生に纏わる罪と現実をしっかりと受け止める中で、抑えようのない怒りと衝動に縛り付けられた青年を演じている。その透き通るような美しい顔立ちが、内に秘めたる春の想いが、逆に痛々しく映し出されている。そしてなんと、春の子供当時を、子役の北村匠海が演じていたのは、お宝の掘り出し映像だった。
また、春の兄役の加瀬亮も、随分若い。春に比べて秀でる所もなく、着実に一歩一歩進むタイプの、冴えない男を演じているが、春を想う兄弟愛をヒシヒシと感じる演技だ。そして、父役の小向さんはは、当時も今も全く変わらないというのも、逆にすごい(笑)。また、吉高由里子も脇役として、春のストーカーをする痛い女を演じている。
ラストについては、原作でも本作でもハッキリとは描かれてなく、読者や映画を観た人に委ねられているが、それぞれに春の行く末を、温かく見守りたい思いになるだろう。
左脳が活性化している兄弟
伊坂幸太郎の話題が出たので視聴。
加瀬亮もだいぶ男前なのに、ちゃんと美しい弟の比較になっている不思議。
小日向さん、明らかにおかしいカツラとかでも、演技力で全部オーライ。どんな役もこなすなぁ、すごいなぁ。
渡部篤郎の役がとことんクズ。
この後見た「告白」もだけど、サイコパスが極悪人すぎて、制裁を視聴者が望む流れって、、それが怖い話。
小日向パパを始めとした一家がめちゃくちゃいい家族だから、そのギャップ。
鈴木京香の野菜の歌が非常に長いのだけどクセになる。それに気を取られた後の展開の落差。
加瀬亮ファンの人に見たことを報告しようっと。
楽しそうに生きていれば、地球の重力なんて消してしまえる
伊坂幸太郎の原作は未読。
悲しい過去を背負った家族の家族愛の物語。
大学で遺伝子の研究をする兄の泉水と落書き消しの弟の春、今は養蜂を営む父と亡くなった母。
彼らの住む仙台で連続放火事件が発生。
春は自分の消す落書き〈グラフィティアート〉の近くで放火事件が起きている規則性に気づく。
そして、そこに書かれた文字の頭文字はDNAの配列だと泉水は見抜く。
何気ないその放火事件の真相を追っていくと家族の悲しい過去にたどり着いた。
正直、放火事件の犯人とかある程度の展開は序盤で読めてしまう。
ただ、この作品で重要なのはそこではなくてもっと深い部分。
ミステリー要素が強いのかと思いましたが、純粋なヒューマンドラマでした。
そしてそれが良い。
申し訳なさそうに進む伏線回収、随所随所の胸糞具合、それに比例したスカッとする兄弟愛。
地味ではあるけれど、少しずつグサグサと深く胸に刺さってくる感じ。
重い話ではありますが、見終わった後は少し清々しさも感じる秀作でした。
春が落ちてくる、マイケル・ジョーダンのサイン入りバット、大事な時はいつも兄がいた。
グラフィティアートは不器用なメッセージの伝え方だったのかな。
みんな大好き加瀬亮と岡田将生のコンビはもちろん、外見を変えても昔の雰囲気を残しているストーカー夏子さん役の吉高由里子の演技が素晴らしかった。
その他、鈴木京香やおっさん勢も難しい役どころを名演。
幼少期の春を演じたのが、若き北村匠海とは驚き!
伊坂幸太郎作品全然読めてないですが、これは原作読んだ上でまた観直したいと思います。
追記:どんな写真でも春の後ろに映り込む夏子さんが若干ホラー。
歪な家族愛
グラフィティアートを消す仕事をする春は市内で頻発する放火騒ぎとの関連に気付き兄の泉水に相談するが…。
伊坂幸太郎原作映画。軽めの雰囲気から徐々にシフトし始めどんどんと先が観たくなくなる重い物語。こう言う歪な家族愛を描いた作品は好きです。
きっちぃ〜
喜怒哀楽全部出たよ。特に怒りと哀しみが。
切なすぎるよ。頭にくるよ。たまんないよ。
この世の中を全部ぶっ壊して消し去りたいよ。
奥歯噛み締めて見てたよ。
憎しみと愛……相反するはずなのに……
消すことができない大きく深い傷。
生々しく、癒えることない傷。
見なきゃ良かった。見て良かった。
思いが交錯する。鼓動が唸る。心が掻きむしられる。
心の置き所がなくなる。身を支える重力が失われる。
そんな作品でした。
シリアスなテーマではあるけれど、重くなりすぎず見応えのある作品。最...
シリアスなテーマではあるけれど、重くなりすぎず見応えのある作品。最後にタイトルに込められたメッセージが明らかに。それまでは、タイトルにどう繋がるんだろうと考えながら見入ってしまった。
期待しすぎた。
↓以下ネタバレありのツッコミどころ↓
・犯行が大胆なのに何で警察に捕まらんのや?
・頭文字を取ると…コレは人間のDNA二重螺旋を意味してるんだ!的なことになるけど結局「兄貴の気を惹きたい」だけで別にそれ以上の意味が無いのがちょっと肩透かし
・ガンジーの非暴力を言っときながらバットでおもくそ殴るのに笑う
・遺体を燃やしても歯の治療痕とかで誰かは分かるのでは?んで男に私怨ありそうな奴を考えれば犯行バレてまうやろ
・結局親父に罪告白せんのかい!
(原作小説だとそのへんの葛藤を描いてるらしい)
当時、原作を読んで、すごく印象に残ってました。 加瀬亮と岡田将生の...
当時、原作を読んで、すごく印象に残ってました。
加瀬亮と岡田将生の兄弟役ぴったり!
キラキライケメンが抱える闇と、最強家族。
おもしろかったです!
子役が北村匠海なのも、最後に知ってびっくりしました。かわいい♩
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