劇場公開日 2010年11月19日

「スーパー・シリーズもコスト削減か?」ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1 マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5スーパー・シリーズもコスト削減か?

2010年11月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

興奮

今回、2時間26分は長く感じた。PART2での逆転劇に繋げるとはいえ、終始、逃亡劇で終わる単調さは否めない。ハリー、ロン、ハーマイオニー3人の絆が今作の大きなテーマだが、“分霊箱”を身につけていると自我が強くなるところは「ロード・オブ・ザ・リング」と同じで、つまらなくはないが目新しさもない。
これはVFXにもいえる。ハリーたちの冒険を支えてきたのは最先端技術によるVFXだ。回を追うごとに、新しい試行で目を楽しませてくれた。ところが今作はどうだろう、のっけからハリーを乗せたハグリッドのサイドカー付バイクの重量感のなさに違和感を覚える。走りもジャンプも、動きはまるでチョロQだ。さらに結婚式前夜、ローンの家からハリーがひとり外に出てくるが、ここでも信じられないことにクロマキーによる合成がもろ出しだ。こんなことは、初作からレベルの高いこのシリーズではあり得ないことだ。ましてや、前作「ハリー・ポッターと謎のプリンス」での、走る列車と並行するカメラワークのような新鮮味ある映像はまったくない。
音響効果も高域の硬さが目立ち、包みこむようなサラウンドの妙が欠如。いったい、このシリーズはどうなってしまったのだろう。
これまでシリーズが築き上げてきた実績にどっかと胡座をかいたような粗さがある。物語においても、マッド-アイ最期の場面を割愛するなど、自ら見どころを放棄してしまった感がある。

マスター@だんだん