劇場公開日 2010年11月19日

ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1 : 映画評論・批評

2010年11月16日更新

2010年11月19日より丸の内ピカデリーほかにてロードショー

10年続いたシリーズの歴史を感じさせられる驚異的なプロダクション力

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前置きや状況描写が一切なくて、いきなり緊迫したシーンが展開。ハリーを守って隠れ家に向かう不死鳥の騎士団が、ヴォルデモートの一団に急襲され、魔法省もホグワーツ魔法学校も敵の手に落ちる。こんなお先真っ暗状態の中でハリーがこれからどうなるのか、10年続いたシリーズの総決算クライマックスへと観客を駆り立てる不安と緊張が高まっていく。とにかく敵が強い。その強いヴォルデモートの弱点、分霊箱を探すのがハリーの急務。その捜索の謎解きサスペンスがコアになっているので、初めて見る人もすんなりストーリーに入れるはずだ。最終決戦に向けて全編が悲壮感に溢れているが、不死鳥の騎士団が全員ハリーに変身したり、屋敷しもべのドビーに超カッコいい見せ場があったり、お楽しみシーンも用意されている。

それにしても、敵も味方も子供も大人も、亡くなったリチャード・ハリス以外は、10年間同じ役を演じ続けているこのシリーズのプロダクション力の強さは驚異的。最終章の感傷もあって、今回は特にシリーズの歴史を感じさせられた。豪華なセットも充実した特撮も、全てが世界一のヒット・シリーズを裏付ける仕様。「ハリー」が10年間使い続けたことで、ロールスロイスの飛行機エンジン工場跡地だったリーブスデンは、パインウッド、シェパートンと並ぶ大撮影所に成長した。この映画がイギリスに与えた影響の大きさを思わずにはいられない。

森山京子

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