ブーリン家の姉妹のレビュー・感想・評価
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アミダラがフシダラなことを・・・
『エリザベス』が日本で公開された年に『エリザベス:ビギニング』のような映画を見られるとはラッキーでした。エリザベス女王が父親から受け継いだ宗教上の問題とか、ローマ教皇との確執の始まりとか、宮廷やヘンリー8世の対外的な問題にはほとんど触れず、ただ王の愛を勝ち取るかどうか、政略結婚に奔走する貴族たちの愚かしさ、そしてブーリン姉妹の確執と姉妹愛だけを描いたのも潔かったと思います。
ナタリー・ポートマン、スカーレット・ヨハンソンという二人とも好きな女優の共演とあらば見逃すわけにはいかない。演技はもちろん良かったのですが、それぞれアンとメアリーの史実に基づいたそれぞれのキャラが印象に残ります。出演者の衣装も素晴らしく、特にナタリー・ポートマンは緑のドレスが強烈。エリック・バナはこの緑を見てハルクが目覚めるんじゃないかと体が震えていたに違いありません・・・
男子の生まれなかったヘンリー8世。その王に愛人を差し出してブーリン家に栄華をもたらそうと画策する姉妹の父親。王が選んだのは結婚したばかりのメアリーで、目論見ははずしたが、とにかく自分んちのことしか考えてない父親。結婚相手の夫もしぶしぶ妻を差し出す・・・権力には逆らえない絶対王制内の不条理だ。みんなどうかしてると思っていたら、アンが最も政略家だった。焦らしテクニックといい、男子を産んだメアリーまで追い出すのです。終盤は彼女が身につけている“B”の文字のネックレスが印象的でしたが、アンの血液型がB型なんだとばかり思ってた・・・それほどアンにも一族のためという使命感が備わってたんだろうなぁ。
教皇を敵に回したことで宗教上の対立が起こる顛末を描いた『わが命つきるとも』。アカデミー賞を独占したこの映画ではトーマス・モアが主人公だったため、完全に外側から描いてましたが、王の離婚問題は歴史的にも大事件だということがわかります。いずれにしても個人的理由により処刑されたりして、住みにくい時代だったんだなぁ。一番可哀そうなのはジョージ・ブーリン(ジム・スタージェス)だったし。
ちょっと気になる原題:THE OTHER BOLEYN GIRL。前半部分では自らそう呼んでいたナタリー・ポートマンだったけど、終盤ではそれがスカーレット・ヨハンソンだったとわかる。盛者必衰・・・めまぐるしく展開するだけに、大河ドラマのダイジェスト版のような雰囲気もあったけど、世界史好きにはたまらない映画だと思います。
エグいが、歴史を知るにはいい。
興味がわかない
ポートマン? ヨハンソン?
いつの世も女の幸せは難しい
昨年ヒラリー・マンテルの『ウルフ・ホール』『罪人を召し出せ』を読んで俄然興味が湧いたブーリン家のアンとメアリーの姉妹。小説では、アンが妹、メアリーが姉という設定だが、ふたりのキャラクターは同じ。賢くて野望に溢れたアン、田舎での暮らしを望みおっとり女性らしいメアリー。アンをナタリー・ポートマンがメアリーをスカーレット・ヨハンソンが演じているが、このキャスティングが非常に良かったと思う。
スカーレット・ヨハンソンはセクシーで奔放なイメージもあるが、過去にも『ゴースト・ワールド』や『真珠の耳飾りの少女』などあまり多くを望まない控え目な役も演じている。仲のいい姉妹と言っても、こと色恋が絡めば、そこは女同士。近いが故に許せないということもある。しかし、肉親の情もまた強い。ピーター・モーガンの脚本は史実にフィクションが巧みにストーリーに練り込まれていて、これは小説と同じ。
映画はブーリン姉妹が主人公なので、ヘンリー八世のキャラクターはちょっと弱いかなと思わないこともない。ヒラリー・マンテルの小説の主人公トマス・クロムウェルに至っては(王の離婚と再婚に関して相当暗躍したはずなのに)、最後にワン・シーン登場するのみだが、歴史は一方からの見方では全体が見えないということを教えられたと言えないこともない。
女優二人が輝く本作だが、二人の兄弟ジョージを演じるジム・スタージェス、メアリーの最初の夫のベネディクト・カンバーバッチ、メアリーの二度目の夫エディ・レッドメインなど今をときめくイギリス人俳優が出演しているのも見所。ヘンリー八世の最初の妻キャサリンは『ミツバチのささやき』のアナ・トレント!
権力の亡者の歴史劇
総合75点 ( ストーリー:80点|キャスト:85点|演出:80点|ビジュアル:80点|音楽:70点 )
これほどに宮廷の権力争いを赤裸々に描いた作品もなかなか他にないのではないか。君臨する移り気で強引な王がいて、より良い地位と名誉を求めて宮廷で暗躍する貴族と女がいて、彼らが権力と欲望の虜となって醜い姿をさらす。
質感の高い美術と撮影と演技があっても、最初はあまりにあさましい彼らを観てこの主題にいい感じはしなかったのだが、だんだんとひきつけられた。特に才気あるが野心の強すぎるアンを演じたナタリー・ポートマンの、何が何でも地位を掴むという鬼気迫る偏狭な権力欲の塊の役の演技は面白い。こうなってしまった女って今も昔も理屈じゃなくて思い込みで動いて、それは怖いものだ。
結局彼らは他人の幸せや国家をどう運営するかということはどうでもよくて、自分の地位のことだけしか頭にないのだ。巻き込まれていく人々もたまったものではない。その後の展開も含めて、宮廷の歴史とその裏側の闇に触れたようで、汚れた世界ながらも面白い。でもやっぱりこういう世界って好きじゃないな。
勉強になる。歴史おもしろい。
一番のミス・キャストはエリック・バナ?
食い足りないという評と姉妹のキャスティングは逆の方が良かったのではないかという評が多かったが、私は結構満足できた。確かに、もっとスキャンダラスで、姉妹の確執がえげつない方が映画としてはおもしろかったかもしれない。でも、その節操ある描き方がこの映画のいいところ? その時代の雰囲気は感じられたし、衣装も時代考証に合っているらしい。すごくすてきだった。キャスティングの方も、私はこれで良かったと思っている。スカーレット・ヨハンソンは私生活の言動や「マッチポイント」の役柄などから、セクシーで奔放なイメージがあるが、意外にも映画では「真珠の耳飾りの少女」や「理想の女」などで清純、貞淑な女も演じていて違和感がない。だから、メアリーでもおかしくない。アン役のナタリー・ポートマンも子役から活躍してきている実力派で、この二人の共演は見応えがあった。私が残念に思ったのはヘンリー八世だ。大食漢で、6人の妻をめとり、そのうち2人を断頭台に送った男。自らの欲望のままに生きた男なのに、エリック・バナが演じると、周囲に翻弄されたお人好しな男に見えてしまう。そこが物足りなかった。
生まれた時代のせいで・・・
どろどろしてて、重くて、暗くて、哀しい話だけど、面白く深い!
ものすごく暗い映画です。哀しくも美しい姉妹のお話。
さらには弟も絡んでくる。
深い。
裏に裏をかいていて、すごく深いストーリー。
しかもこれが史実だっていうのだから、またすごい。
壮絶な2時間でした。少し重いから覚悟して観るべし!(笑)
この辺りの歴史背景をよく勉強してまた観てみたいと思いました。
世界史を学んでいた人はぜひ、観てください。
最後に。
何も知識もなく、映画を観に行って、作中のメアリー・ブーリンは、歴史の教科書でブラッディー・メアリーかと思っていましたが、
調べてみたら、ヘンリー8世の最初の奥さんの娘のメアリーがブラッディ・メアリーなんですね。
この映画のメアリーはブラッディー・メアリーとは別人ですね。
二人の女優が美しい!
イギリスの歴史を変えた二人の姉妹の物語
ブーリン家の二人の姉妹、アンとメアリー、二人は、英国史を大きく変えた。
実は、この映画を見る前に、「歴史サイト」「系図サイト」を巡った。そこでわかったのは、アンは、エリザベスを生むことによって、イギリスの現在に至るまでの基礎を築く「役割」を果たしたということです。
又、メアリーは、王を愛しながらも、背かれ、かえってそういう「仕打ち」を受けたことによって、後世に繋がる子孫を残すことができた、ということです。メアリーの子孫には、第二次世界大戦の時の首相、チャーチル首相、そして、ダイアナ妃・セーラ妃が含まれ、そういう「意味」では、英国史に大変な「寄与」をしたと言えるでしょう。
そういったことを踏まえて、この映画を見たら、一つ一つのシーン、非常に重要な「意味」があることがわかります。
この映画は、英国史の「重要な局面」の映画と言えるでしょう。
ブーリン一家の哀しすぎる実話っ(>_<)
映画を観る前は、姉妹のキャスティングが逆なのでは???
・・・なぁ~んて、疑心暗鬼していた私が愚かでした^^
純情で優しい妹メアリーにスカーレット・ヨハンソン。
したたかで、ちょっと気の強い姉アンにナタリー・ポートマン。
この2大豪華キャストに加え、弟ジョージは「ラスベガスをぶっつぶせ」のジム・スタージェス・・・
そして、なんといってもエリック・バナ。
このスキャンダル勃発の超本人がこの人!ヘンリー8世!
ホントにあなたは困った国王ですねぇ(>_<)
私は歴史ものにてんで弱く、細かい話は知りませんが、この「ブーリン家の姉妹」はこんな私でも解り易く、間延びすることもなく最後まで緊張感を持ったまま観れました^^♪
自分が国王の側近でいたいがために、叔父の陰謀と政略の標的にされたブーリン姉妹。
そして、姉妹の弟ジョージまでが、運命を変えられてしまい、ブーリン一家が悲運な運命を辿ることになったと思うと、叔父と浮気者のヘンリー8世に腹立たしさを感じざるを得ません(涙)
男というものはいつだって・・・
アンが産んだ女児がやがて「エリザベス1世」になる訳で。
その続編がケイト・ブランシェット扮する「エリザベス」「エリザベス・ゴールデンエイジ」につながっていくんですなぁ~^^
現在イギリスのチャールズ皇太子も、いつの日かこんなスキャンダラスな映画として、製作されるのでしょ~か^^;
その頃まで、生きていたい私です(笑)
10月27日イオンシネマ高崎にて観賞
ミスキャスト?いえいえそんなこと無いです。
イギリス版大奥に2大女優競演!?
野心家の姉アン・ブーリンにナタリー・ポートマン、
清純で心優しい妹メアリーにスカーレット・ヨハンソン。
あの可愛らしいナタリーが野心家ぁ?それってどうなの?
って 思ったけど・・・あらあら、結構ハマっているではないですか。
歴史上悪名高いヘンリー8世の王妃となったアン・ブーリンと
その妹を中心とした歴史愛憎劇。
姉妹の確執やら父や叔父の策略やら・・・・
一体どこまで本当のことなのかは分かりませんが
アン・ブーリンのために前の王妃がその座を追われて
英国国教会が創設されたことは事実。
歴史の教科書には なーんかエラそうなポーズして
ふんぞり返った悪い王様のイメージしかなかったヘンリー8世が
全て惚れた女の言うなりになってしまうあたり 単純だけど
なんかちょっとかわいく思えたりして。
その点 女ってシタタカね~。コワイです。
子供が欲しいばっかりに、弟と・・・なんて怖すぎるっ!!
でも 実の娘も出世や一族繁栄の道具としか考えていない父ちゃん達に
時代背景を考えても ちょっと腹が立った。
洋画の時代物って あまり得意では無いのですが
歴史の流れというよりも その裏の人々の策略や葛藤やら愛憎・・・
特に姉妹の確執にスポットを当てて描いているので
とても入り込みやすく 惹き付けられてました。
どっかで見たなぁ・・・と思ったら「フォー・ウェディングス」に出ていた
クリスティン・スコット・トーマスや、「アクロス・ザ・ユニバース」に
主演しているジム・スタージェスが脇を固めていて、いいお芝居してます。
エリザベス誕生秘話、お母さんのお話し
何故、イギリスは女王陛下なの?
何故、イギリスって、カトリックじゃないの?とか
昔から疑問に思っていましたが、
学校の御勉強じゃ、そんなこと教えてくれません。
でも、こんなことを教えてくれる先生と出会えたら
もっともっと歴史が好きになったのに、
そんな風に思いました。
さて、時は16世紀中頃、
ヘンリー8世の時代です。
この国王、とても女が好きだったのですよ、ね。
だいたい権力と富を得ると、
あとは女に走るっていうのが、
男のパターンのようです、ね。
この国王の弱みに付け込んで
権力に忍び寄ろうとする
したたかな野郎たちもいるわけで、
ブーリン家の者たちも、結局はそんな野郎一族
だったわけです。
そして、二人の姉妹を結果的に差し出したわけです。
妹のメアリー(ヨハンソン)に奪われたヘンリーの関心を
取り戻そうとアン(ナタリー・ポートマン)は
フランスへ武者修行。
効果はてきめん、すっかり洗礼されて戻ってきます。
このへんは、本当に頭の良い人間だったんでしょうね。
教育的な環境が与えられれば、すっかり習熟して
魅惑的な女性へヘンシ~ン!
でも、男の子を生めないばっかりに、
色きちジジぃのヘンリーの関心は直ぐに
他の女へ向います。
まぁ、きっと男の子を産んだとしても
運命は変わらなかったのでしょうが。
だとしても、アンの力で
イギリスを変えたわけですから
彼女の力は偉大です。
どれほど魅力的だったかがわかるというものです。
ちょっと長くなりすぎたので
興味を持った方は
ぜひ、劇場でご覧下さい、って
これは、映画館のまわしものではなく、
ぜひ、自分の目でイギリスの歴史を
気楽に勉強してくださいと意味ですから、
お間違いの無いように!
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