劇場公開日 2008年10月25日

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「一番のミス・キャストはエリック・バナ?」ブーリン家の姉妹 瑞さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0一番のミス・キャストはエリック・バナ?

2008年12月6日
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悲しい

知的

食い足りないという評と姉妹のキャスティングは逆の方が良かったのではないかという評が多かったが、私は結構満足できた。確かに、もっとスキャンダラスで、姉妹の確執がえげつない方が映画としてはおもしろかったかもしれない。でも、その節操ある描き方がこの映画のいいところ? その時代の雰囲気は感じられたし、衣装も時代考証に合っているらしい。すごくすてきだった。キャスティングの方も、私はこれで良かったと思っている。スカーレット・ヨハンソンは私生活の言動や「マッチポイント」の役柄などから、セクシーで奔放なイメージがあるが、意外にも映画では「真珠の耳飾りの少女」や「理想の女」などで清純、貞淑な女も演じていて違和感がない。だから、メアリーでもおかしくない。アン役のナタリー・ポートマンも子役から活躍してきている実力派で、この二人の共演は見応えがあった。私が残念に思ったのはヘンリー八世だ。大食漢で、6人の妻をめとり、そのうち2人を断頭台に送った男。自らの欲望のままに生きた男なのに、エリック・バナが演じると、周囲に翻弄されたお人好しな男に見えてしまう。そこが物足りなかった。

瑞