劇場公開日 2008年10月25日

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ブーリン家の姉妹 : 映画評論・批評

2008年10月14日更新

2008年10月25日よりシャンテシネほかにてロードショー

売れっこ女優の競演が大正解

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皮肉な運命を受け入れて王の愛人になった従順な妹と、王妃の座にこだわった野心家の姉。ヘンリー8世をめぐる正反対の姉妹の物語は、売れっこ女優の競演が大正解。英国王室におけるブーリン姉妹の行く末はいわゆる悲劇なはずだが、重苦しい気分にさせるどころか、高揚感すら与えるのは、2人の女性がどちらも強さを感じさせる存在だから。妹メアリーの芯の強さもさることながら、結婚が出世の道具だった時代に、自分がたんなる道具で終わることをよしとせず積極的に人生を切り開こうとした姉アンのしたたかさは、現代女性の共感を誘う存在だ。

それにしても、ナタリー・ポートマンもスカーレット・ヨハンソンもハマり役。美貌の優等生女優でありながら、女としての色気がないナタリー。地味な子役だったはずがいつのまにか大物監督のミューズやファッションセレブとしてひっぱりだこになっていた不思議な色気の持ち主のスカーレット。彼女たちのバックグラウンドが、一族の期待を背負いながら最初は王の心を捕らえられなかった姉と、人妻でありながら王の関心を得た妹という2人の対比と愛憎に、より陰影を与えることに。同世代に競い合うべき2人の素晴らしいスター女優がいたことに感謝。

杉谷伸子

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