「おもちゃ達による子離れ、溢れる親心が沁みてぼろ泣き。」トイ・ストーリー3 movie mammaさんの映画レビュー(感想・評価)
おもちゃ達による子離れ、溢れる親心が沁みてぼろ泣き。
公開当時劇場で号泣した。
アンディが17歳の大学進学間近になってるだけで、同世代のため2からの時の流れに驚き、懐かしくなり、一気に感情移入する。
そして、大切に遊ばれてきたおもちゃ達は、最近は箱の中ばかり。アンディと大学に連れて行って貰える事になったウッディ以外は屋根裏へ行くはずが、間違えてアンディママにゴミ捨て場に出され、なんとか脱出するも、捨てられたショックのせいで、助けにきたアンディの助言も耳に入らず、保育園行きを選んでしまう。
それが運の尽き!アンディのもとに戻る決断をしたウッディだけは辛うじて脱出できたが、アンディの家ではなく、保育園児ボニーの家に持ち帰られ、久しぶりに子供に遊んで貰い幸せな一夜。運良くアンディ家も近く、家に戻るか、ボニーのところにいれば安全なのに、保育園の地獄を知ったウッディは、再び仲間を救いに行く。
保育園では、かつては可愛がってくれる持ち主がいたが、置き去りにされて以来人が変わってしまったハグベアロッツォがおもちゃ達を牛耳り、アンディのおもちゃ一行は、昼は月齢の低い子供達に乱暴に扱われ、夜は牢屋の中で個々で眠るという拷問のような環境。逃げられないよう常にロッツォの手下達に監視されてもいる。更には、ロッツォに交渉を試みた男気溢れるバズは初期のスペースレンジャーモードに戻され、ロッツォの手下にされてしまうし。
一行が困り果てたところに再登場するウッディ!こちらも男気満載!
ロッツォ達から逃げ隠れ隠匿生活をしている電話のおもちゃからの情報も元に作戦を練り、いざ、夜の大脱出を試みる!
ロッツォ、見張りのサル、ビッグベビー、どれも怖すぎ。手に汗握る展開。ミスターポテトヘッドは単独任務も完遂。
文字通りみんなで力を合わせ、唯一の脱出ルートのダストシュートに向かうがそこでロッツォに見つかる。
切り札として、ロッツォが同じデイジーの家から来たビッグベビーを支配するために、お前は愛されていなかったんだと嘘を吹き込んでいた話をし、デイジーの名前付きのチャームを証拠に持ち出すウッディ、さすが!
しかし、真実を知ったビッグベビーはなんとロッツォを焼却炉行きのコンベアへ入れてしまう。一行もコンベアに。
切り刻まれるコンベアを鉄につかまって金属コンベアに乗ってかわそうとしたら、再びロッツォが。やなやつでも迷わず助けるウッディとバズ。危機一髪、全員金属コンベアに乗ったかと思えば、また燃えるごみコンベアに乗り移り。やっと出口かと思えば、行先は赤々と光る焼却炉。脱出ボタンを押せばコンベアを止められるのに、自分だけ逃げる道を選んだロッツォ。。
燃やされる最期を覚悟し、長年共にしてきた仲間たちと手を繋いて静かに目を瞑り、運命を受け入れるしかない一行。何度も諦めずに助け合って乗り切ってきたのに、これが最期とは。。
ところが、グリーンメンに、掬(救)われた〜!
2でおもちゃ達が空港に向かうバズを追いかけるために乗っ取ったピザプラネットの車から落っこちそうになったのをミスターポテトヘッドに助けられたグリーンメン。宇宙人なのに、借りた借りをきっちり返す人情が素晴らしい。
1人逃げ出したロッツォは、なんとごみ収集車の運転手に拾われ、車に磔付け!妬み、支配、嘘、など人の持つ悪い部分を集めたかのようなロッツォ、人類の罪をかぶったキリストかのようなラスト。
そしてまさかの、1で凶悪少年だったシドが運転するごみ収集車で、一行は家へ。
大学へ行くウッディ以外は屋根裏へ行くはずが、ウッディの機転で、全員、保育園児のボニーのもとへ。
おもちゃを大切にしてくれる子ならと、アンディがボニーの家へおもちゃを託しに車を走らせる。
大切なんだ!宝物なんだ!とボニーにもはっきり言ってくれるアンディ、良い青年。最愛のアンディの元で10年以上過ごせたおもちゃ達は、1のアンディの子供部屋の壁紙のような雲の日の昼下がり、ボニーの物となる。
ボニーの家ではレックスと馬が合うトリケラトプスもいたし、ボニーに着いて保育園に行けば、保育園に残ったバービーの近況も聞けるし、おもちゃ達に第2の人生が訪れる。
3は本当に泣き所が沢山。
1番の相棒だったウッディ以外は、最初から、使命を終え最期が近付く心の準備をしているおもちゃ達。
2でグリーンメン達を養子にしたポテトヘッド夫妻は大活躍!ポテトヘッドが、ウッディに、「アンディは良いやつだ。アンディにちゃんと髪切るように言えよ」って言うシーン。
1人でアンディのところに行くのではなく、みんなといることを選んだウッディが、アンディに最後にかける、「あばよ、相棒」のシーン。本当は大学生活をうまくやってけるかとか、心配でたまらないんだろう。
「可愛い子には旅をさせよ」「親の心子知らず」のような親心を具現化するような作品。
そして、常におもちゃを大切にしながら沢山遊び、遊び尽くしたからこそ、綺麗なお別れができるアンディも、アンディの成長を見守る使命をしっかり果たしたおもちゃ達も、お互いに、おもちゃ離れ、持ち主離れを未練はありつつ気持ちよくできる関係性は素晴らしいと思う。
見る度に思う事。子供達に遊ばれる時間に団結しておいてから脱出する方が簡単では??