TOKYO!のレビュー・感想・評価
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他国の映画監督3名の短編3つのシリーズ。 近未来的に脱線していたり...
他国の映画監督3名の短編3つのシリーズ。 近未来的に脱線していたり、サイバーだったり、そういうみられ方をするのねと、不思議な印象でした。 エンディングの曲 HASYMO (YMO再開の一種, 2008) が、一番しっくりきました。
其々が見た東京
ミシェル・ゴンドリー レオス・カラックス ポン・ジュノが参加したショートのオムニバス作品。 それぞれが東京をテーマに描かれたのでしょう。 折角なので個別にもスコアをつけてみました。 ゴンドリー ☆3.5 冒頭からウルトラQ感がいっぱい。 主演の藤谷文子が良い空気を出しています。 彼女は「ガメラ」からの起用でしょうか? 特撮感は時代設定からも見て取れて、TVがブラウン管や家賃相場、Macも古い。 どこか緊張感の無いゆるい生活から突如転換期が訪れ、全く別の生き方を見つける。 何とも奇妙で、でもどこか可愛らしい作品でした。 カラックス ☆3 こちらものっけから特撮、とりわけゴジラ感が満載。 色味もそれっぽく、音声もモノラルみたいなもっさり感。 そのやりたい放題のそれは正に怪獣。 拉致被害者家族やオウムなど、日本の闇をちょいちょい出してきます。 こんな感じで日本への風刺が効いていて、あの裁判もそうでしょう。 さらに終盤は少しテンポが悪くなるので、少し好みが分かれるところでしょうか。 ポンジュノ ☆3.8 最初のふた監督と違いアジア人なので視点が全く違いました。 こちらはリアルな社会問題をベースにした作品で、最初の掴みから面白かったですね。 あと香川とポンジュノの相性が良いです。彼のこんな芝居初めて見ました。 部屋など細かいデティールが良くできており、それと緊張感のある音楽も良かった。 あとここでもTVはブラウン管なんですが、これはちゃんと設定からわかります。 最後のオチは意外性はなかったけど、収まりが良かったと思います。 そういえば片山慎三監督がジュノを手伝って感銘を受けたのもこの作品でしたね。
支離滅裂
よく言えば作家性の強いシュールな短編、率直に言えば支離滅裂、東京というテーマで競作なのだが申し合わせたようにリアリティを排除、SFによくあるディストピアものの様、これなら東京でなくても撮れるでしょう。
勝手な想像ですが、おそらくプロデューサーあたりから、観光PR的な要素は排除し、外国人からしかとらえられないシニカルな東京をデフォルメしてみせて欲しいと言われたのでしょうね。
第1話、地方出の貧乏カップルには東京は暮らしにくいのはわかりますが何故椅子になる?、人間椅子なら乱歩も書いていますが椅子になるなら男の方でしょう。
第2話、ゴジラのテーマに勝手便乗、ノートルダムならぬ下水道の怪人、人を殺して楽しんでいるが爆薬は旧陸軍の手榴弾、因果応報とでも言いたいのか、異文化圏の狂人にテロをさせる意味が全く持って理解不能。東京と言うより原水爆実験由来の初代ゴジラに物申したかったようですね。
第3話、引きこもりは確かに社会問題ではありますが韓国のように半地下に潜っている訳ではありません。確かに首都直下地震はIfでなくWhenの問題なのにタワーマンションが林立、平然と暮らす都民は現実逃避しているのかもしれません。
東京はテロと地震と放射能の街
東京はつまらない所だが、引きこもっていると、東京でも千葉でも埼玉でも関係ない。しかし、家にいない事の方が良い。僕は映画館に引きこもる。東京は歴史がないからね。ビルトアンドスクラップで近代になって作られた街。
東京は隣の街へ行く時、一番便利な街だ。引きこもりながら、自分の好きな事が出来るので『闇』はない。金があれば、この街に引きこもりつつ、隣の街にも引きこもりに行こう。遠い国とかね。そこも言葉が通じないので、簡単に引き込める。
さすがボンジュノ
②以外は面白かった… 彼女が椅子になるところあたりからぞくぞく面白くなった ボンジュノがセンスあるのがわかった 1/19追記 その後、配信あるあるでお薦め映画を適当に再生していたら②の河童メルドが出てきてびっくりした『ホーリー・モーターズ』これが良くてどハマりしたレオス・カラック
東京に映る我々
①東京という空間は、ある意味においては優しく、そしてまたある意味においては暴力的に、あらゆる人間を等価な記号として街の雑踏に還元する。もしこの自浄作用を押しのけて「個人」を取り戻したいのならばそれ相応の力が要る。この街で我々が代替のきかない我々であるためには、我々は何者かにならなければいけない。周囲に対して何らかの価値を示し続けなければいけない。映画監督でも、画家でも、音楽家でも、あるいはバス停のイスでも。
②高度経済成長の中で人々の意識の中から徐々に後退していった戦争責任を今一度呼び覚ます。その契機となったものが赤毛の白人男性によるテロリズムであったことからは、もはや「反省」は我々日本人の内部からは起こり得ないだろうという乾いた諦観を感じた。しかし本当にそうなのだろうか?疑問が残る。
③何もかもが電話一本で事足りてしまう時代、人々はいかにして他者と関係を構築していくべきなんだろうか。殊に個人主義があらゆるところに張り巡らされた東京の街にあっては、引きこもりという態度を否定してくれるものは何もない。ピザ屋の配達をしていた可愛い女の子に恋をし、住所を探り出して一方的に部屋のドアを叩き続ける元・引きこもりの主人公の行動は、法や倫理に照らし合わせてみればもちろん許されるものではないが、この強引さこそが人と人を再び繋ぎ直す唯一の手段なのだ、という悲壮な切迫性を感じざるを得なかった。
TOKYOの街に隠れて生きる者たち
NY、パリ、ソウルの3人の巨匠が東京を舞台に描く3つのお話。 一つ30分程度のオムニバス映画。 〈ミシェル・ゴンドリー監督『インテリア・デザイン』〉 ヒロコは、同級生のアケミのうちに居候しながら、映画監督の夢を追う彼氏のアキラと新しい暮らしのために家を探し、お金を稼ぎ… そんな中、疎外感を感じ始めた彼女の中で何かが変わっていく。 一番ファンタジーで個人的には一番好きかも。 綺麗だけど人間臭い、東京の雰囲気がよく伝わってくる素敵なシーンが多かった。 シンプルに藤谷文子さんが好きなだけかもしれないけど… 海外住みらしいけど、また日本の作品にも出てほしいな。 〈レオス・カラックス監督『メルド』〉 マンホールから出てきて人々に嫌がらせをする、メルドと自称する男が“下水道の怪人”と呼ばれ、東京の人々に恐れられていた。 どうしてそんなことをするのか?彼は一体何者なのか? そして彼はついに… 3作品の中で1番難解でよくわからない話。 結局彼に何があってあんな風になってしまったのか等、かなり不明点が残る。 ラストの続編への仄めかし方も何が何だか…? あと、東京の下水道ってあんな古代ローマの遺跡みたいじゃないでしょ笑 〈ポン・ジュノ監督『シェイキング東京』〉 10年間引きこもりの男。 彼は10年間一歩も外へ出ていないが、毎日ご飯は食べ、整理整頓だけは完璧だった。 宅配の受け取りも目を合わせないようにしてきたが、ある日ピザ屋の少女と目が合い、その瞬間大地が揺れ、少女はその場に倒れてしまう。 流石ポン・ジュノ、芸が細かい。 ボタンを意識してか、手につけたトイレットペーパーの芯の跡やコンクリートの地面の丸い跡、積み上げたペットボトルの底など、丸が印象的だった。 監督ピザ好きなんかね。積み上げてるとこなんかモロパラサイト。 全体的に重く難解だけど、最後の「押しちゃった」であたしも恋に落ちましたわ。 どの作品も30分程度にまとめてあるだけあって、一回で全て理解するのは難しい。 東京であるべき必要性も少し薄かった。 巨匠たちは東京をこういう風に見ているのか。 キャストはとにかく豪華。 エンディングの、エレベーターや駅の改札の環境音を織り交ぜた音楽がお洒落でした。
ポンジュノ目当て
三人の監督によるオムニバス。かなり豪華といっていいメンツ。 しかし全く話題にならなかった。見たらわかる、つまんないからだ。ミシェル・ゴンドリーもレオス・カラックスのも「?」 という内容。やっつけ仕事だったと勝手に判断。ポンジュノ監督作のことだけ書こう。 他のポンジュノ作のどれとも似てない作風。短い時間でギュっと引きつける演出はさすが。出てくるモチーフから描きたかったのはSFだろうか。香川照之も蒼井優もいい表情を見せる。 にしても実験的作風で完成度が高いとは言い難い。作家がちょっと違った角度から書いてみた短編小説のごとく。2008年製作に「グラグラ」っていうのが暗示的でちょっと怖い。 どれも内容でんでんTOKYOっぽさがないっていう。好事家向けオムニバスでしたね。
持ちこたえるんだっ‼︎‼︎
あいつが来るまで‼︎‼︎ ポン・ジュノ監督作品までっ‼︎‼︎ そう自分に𠮟咤しながら鑑賞しました。 かといって、前2作品も悪いわけじゃない。 ただアート感強いので。 好き嫌いでちゃいます。 個人的には、1本目が観ていて こっちがムズムズ恥ずかしくなってくる苦手なタイプ。 作者の世界観の純度が高いほど、アートって思う。 客におもねっていないから、 好き嫌いあっていい。 理解できないような内容に怒る必要もない。 そこへきて、ポン・ジュノ監督。 まず単純に面白い。 エンターテインメント。 物語の掴み。役者の演技。美術演出。 感情の流れの滑らかさ。 唸りました。 笑ました。 楽しみました。 トリの「引きこもり」のみなら★4です。 ポン・ジュノにハズレなし。
鬼才は二人
ナゼ、日本でこの三人によるオムニバス映画を作ることになったのだろう? 映画が好きな人なら知る監督陣、そうでもない人になら知る由もない監督たち。 鬼才だとは個人的に思わないM・ゴンドリーの作品は、奇天烈なオチでキャスト陣も一番豪華。 L・カラックスは「ホーリー・モーターズ」を先に観ていたからゴジラの音楽からのお前かよ!?ってな衝撃もあり手榴弾は呆気にとられたし、石橋蓮司が出演している違和感が良い!? 香川照之、蒼井優を起用しているけれどP・ジュノが撮ると全体的に韓国映画を観ている雰囲気に、引き篭もりは地震くらい起きないと自ら外には出て行かない的な感じが、ちょっと斬新。 間に挟まれたL・カラックスは異端児過ぎる!?
圧倒
オムニバス形式のため、各作品ごとに好き嫌いは分かれそう。
一話目
私はミシェル・ゴンドリー監督の作風が好きなので、大満足だった。
映像や、世界観に圧倒された。音楽も◎
夢を追う彼氏について上京してきた、夢のない女性が自分の生き方について悩む物語。
主体性のない女性の苦悩の様子がよく描かれていて、よかった。
人が人のために生きるのはなんと難しいだろうか。
誰かの役に立ちたい、という人は多いが、
いっそ椅子にでもなってしまいたい、と思う人も少なくはないのでは。
二話目
個人的にあまり好きな作風ではないので、レビューは遠慮します。
若干 ホラー。
三話目
設定は近未来。
芸術的なまでに完璧な部屋にひきこもる男とピザ屋の配達人の恋愛。
男がひきこもっている間に
町は機械化が進み、人々は皆家から出てこない。
そんな町で、体にいろんなスイッチを描きまくるピザ屋の彼女は何を思うのか、
なぜ彼女はひきこもるのか、
想像が楽しい話。
終わり方も素晴らしかった。
TOKYOを題材にして各監督のセンスの光る作品だと思う。
キャストも素晴らしいし、是非一度見て欲しい。
金と電話さえあれば、何でも配達してくれる
映画「TOKYO!」
(ミシェル・ゴンドリー監督/レオス・カラックス監督/ポン・ジュノ監督)から。
NY、パリ、ソウルという大都市で活躍する3人の鬼才が、
独自の視点で東京を読み解く—— というキャッチコピーにつられて観たが、
正直、良くわからなかった。
その中で、なんとか理解できたのは、俳優・香川照之さん、蒼井優さん演じる
「ひきこもり」をテーマにした作品。
私の周りに、あまりひきこもりの人間がいないから驚いたが、
まんざら嘘の話でもないようなので、メモを取った。
ひきこもりが、社会現象として取り上げられて、だいぶ年月が経つ。
その「ひきこもり」を増長させているのが、
「金と電話さえあれば、何でも配達してくれる」システムではなかろうか。
ドアを開けて、相手の顔も見ず、下を向けたまま、お金を払う。
その間、会話はほとんどない。
これでは「コミュニケーション」能力が育つわけがない。
ひきこもりにとって、生活しやすい場所なのだろう、東京は。
ひきこもりの男性が、ひきこもりの女性に逢う方法は、ただ1つだけと知る。
どちらかが、勇気を振り絞って、外へ出るしかない。
映画「幸せの1ページ」と同じだけれど、誰かがそのきっかけを作るのか。
ヒントは、映画の中にあるのかもしれない。
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