「まるで手品師モックン」おくりびと Kさんの映画レビュー(感想・評価)
まるで手品師モックン
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悪くない作品だと思いました.
「葬送」という死者を悼むための儀式が,じつは故人との関係を消化するため,残された側の生者にとって不可欠なプロセスである,ということを丁寧に描けている映画だと思います(モックンの華麗な手さばきは,ちょっとあざとくて鼻につきましたが)
大悟が腐乱死体を片づける仕事を終えたのち,家の台所で思わず妻を求めてしまうシーンは,死とセックスが表裏一体であることが伝わってきました.
ただ,惜しむらくはサイドストーリーが雑な印象があって,たとえば「銭湯を引き継いでほしい」と告げた正吉とツヤ子の関係性,そして納棺師・佐々木の人物史が説明不足だったような気がします.(なぜ今まで一人も社員がいなかったのか? 事務所の二階が熱帯風なのには意味があるのか?)
「石文(いしぶみ)」のエピソードは良いアイデアでしたが,いくらなんでもその父親が石文を握ったまま絶命,というのはやっぱり無理がありますよね・・・
気の毒なのが,山崎努,余貴美子,笹野高史が良すぎて,モックン,広末の演技が終始ダイコンに見えてしまいました.
最後に余談なんですが・・・
ラストで,大悟の父役として登場した峰岸徹.つい最近,実際に他界したばかりですよね・・・? 思わずそのことを思い出して,スクリーン見ながらゾクッとしました(-_-;
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