最高の人生の見つけ方(2007)のレビュー・感想・評価
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最高の人生の見つけ方
残された時間をどう過ごすか。切実でシリアスな高齢者問題。難病ものも合わせて近年増加傾向にあるこの手の作品。まず食指が動くことはないのだが、ジャック・ニコルソン対モーガン・フリーマンのヘビー級タイトルマッチとなれば話は別。
水と油ほどに違う親爺同士の掛け合いは、それぞれの持ち味をそのまま反映させた役どころ。眉毛の巧みな動かし方ひとつでアクの強いワンマン実業家を怪演するジャック・ニコルソン。ドライビング・Miss・デイジーでの鮮烈な演技を彷彿とさせる暖かみで応ずるモーガン・フリーマンといった塩梅で、懐の深さと人間味が光る千両役者の揃い踏みは楽しく、見応え充分。
重い設定と胃にもたれそうなキャスティングを、ハリウッド得意の、凸凹コンビの珍道中という王道のフォーマットにうまいこと落とし込んで、笑わせどころはたっぷりと、泣かせどころはスマートに、ロブ・ライナーは軽快なタッチでネガポジ反転させ、後味のよい大人のコメディーに仕立てあげている。
キュブラー・ロスを知っているか?
「死ぬまでにしたい10のこと」と、なんだか展開が似ている本作。
「死ぬまでに~」は、タイトルで勝ち得たヒット作。
本作は、キャストは言わずもがな。
演技の巧い二人を主軸に据え、監督は「スタンド・バイ・ミー」。
泣かすのがテーマなのかと思いきや、意外とコミカルな展開。
しかし、本作はキュブラー・ロスの「死の5段階」を知っていると知らないとでは、観た感想が大きく異なるのも事実。
(否認→怒り→取引→抑うつ→受容)
これを、忠実に二人の主人公二人はトレースする。
そして、これは、その模様を描くロードムービーだ。
キュブラー・ロスの「死ぬ瞬間」を映画化したような錯覚すら受ける。
皆、このように死ぬのが理想の姿、笑って天国に召されたい、覚悟を持って死にたい・・・色々な死生観が交差するが行き着くところは「死の5段階」。
主人公それぞれの背景を丹念に描き、巧いこと対比も見せるが、「死の5段階」からの脱線は無し。
当たり前といえば、当たり前なのだが・・・
末期がん患者の心理の教科書としては、合格点だが、映画を「エンターテインメント」として考えると「レナードの朝」の方が素晴らしい、かな。
最初から最後まで直球勝負な展開、名優2人が出演すれば、名画に見えるという典型かもしれない。
死んだ親父を思い出しました
試写会に参加させていただきました。名優ジャック・ニコルソンの作品は大体見ている気がします。彼の作品は「ディパーテッド」以来でしょうか。本作もまた、ジャック・ニコルソンが嫌味な主人公の役を完璧に演じきっており、対となる善良なる友人を、これまた名優モーガン・フリーマンが演じています。テーマはいたってよくあるような話、「孤独な金持ちと家族に恵まれた貧乏人・・・どちらが幸せなの?」という内容です。本来、一生接点のないはずの二人がめぐり合い、最初は反発しながら最後には親友となる・・・これもまた、過去によく見るパターンですが、それでもこの二人の名優が共演すると、知った内容でも泣けてきます。「男として、私はどちらを目指すべきなのか」、映画を見終わった後に、私は少し考えてしまいました。本作は男性の方に特にオススメしたい映画です・・・。
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