爆笑シュールレアリズム。
この親にしてこの娘あり。
デルピーが苦手な人にも大丈夫。
「こういう論争は大好き、もっと続けましょう」by デルピー
早口の長セリフ、デルピーさんはやっぱり性に合ってるんですね、真骨頂です(笑)
えっ?今までの出演作とおんなじじゃないかって?
ノンノン。
今作はちょっと違って、彼女自身の脚本・監督です。
つまり「ビフォアシリーズ」、特に第1作「恋人たちのディスタンス」では描ききれていなかった(というか落としてしまった)“ある部分”を、彼女は新たにプロデュースしてフイルムに描いている
すなわち ―
・ウエットな台詞と、
・ウエットな感情と、
・ウエットな画面。
・そして前作にはなかった“間”と“笑い”。
これらは言葉のデスマッチ=「ビフォアシリーズ」では敢えてそぎおとされ、否定され、後回しにされていた部分でしたよね?
デルピーさんは喧嘩腰に突っ掛かって恋人に議論をふっかけるのではなく、なんと!弱気な女の一面も駄々漏れで、彼氏ジャックに愛を懇願している。
ありえへん。
・・ね?以前の出演作の作風とはかなり雰囲気が違っているのですよ。
以前の作品では、絶えず一つのカメラアングルに男女を閉じ込めて“デスマッチ”をさせていたからなぁ、観るほうもしんどかったですよ=そんなビフォアシリーズとは違う、一人でいるシーンも多用されている=“間”を生かす脚本。これは観る者のためにもとても親切な良い配慮です。
実の両親(!)を劇中でも両親役で起用。登場人物を増やしたことでも作品のトーンを愉快で柔らかなものにすることに成功してますよね。
実家でのびのびする彼女に振り回されて当惑しきりのジャックくん。
でもジュリー・デルピーにとってはFRANCEという国が、イコール「彼女の実家の庭そのもの」の扱い。遠慮なく大いに羽を伸ばす伸ばす。
おかしみを織り交ぜながら
フランス人デルピーの人間への飽くなき興味が止まらない。
思いましたよ、
とことん自分のパートナーに興味を持ち、夫や妻と語り合うのって、生涯、どちらかが死ぬまでの関係の、これは男女が友達であることの生命線だったのかもしれません。
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続編では、彼ジャックの国アメリカが舞台らしい。
何処に行こうとデルピーの優位は想像がつくが、予告によると彼らは別れてしまうらしい。ジャックが気の毒だから僕は観たくないなぁ
ブラック・シュールレアリズムですね。
悪のりしているつもりは彼女はないのでしょうが、とにかく笑ってしまいました。
ジュリー・デルピー、その才能に脱帽です。
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【フランス人気質】
僕は、ドゴール空港ではカウンターのブロンド職員にえらく怒られて、自分の飛行機が飛んでいくのをガラス越しに見送ったこともありますー
僕の英語が下手なことが彼女には我慢がならなかったようで(笑)
郵便局でもパリジェンヌにキレられてお釣りをもらえなかった。僕の前に並んでいた青年もやられていた。
その日は下町の安宿にUターン。移民のお姉さんが肩をすくめて慰めてくれました。
フランス人の居丈高は噂以上に大したもの。
在仏日本人たちは、つんけなフランス人たちの中で、どんだけ当地で頑張っているか、想像に余りあります。
通じなくても構わない。相手が嫌がっていようが構わない。こちらの要求を訴え続けなければならないみたいです。
デルピーのお父さんの意地悪さと、お母さんの小悪魔ぶり。そしてタクシー運転手のハチャメチャ具合。
一見の価値あり
welcome to france🇫🇷 です。