ヒトラーの贋札のレビュー・感想・評価
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史実に基づく、興味深い人間ドラマだ。
国家による史上最大規模の通貨偽造事件でもある、ナチス・ドイツの「ベルンハルト作戦」を描いた歴史ドラマ。実際に贋札を作ってきた、ユダヤ人収容者たちを描いている。 虐殺を恐れて贋札づくりに協力し、看守からの侮辱に耐えつつ、一定の環境を保証された専用の収容所を舞台に、銀行家から政治活動家まで、さまざまな経歴を持つユダヤ人の葛藤を描く。 史実に基づく衝撃的な話だが、殊更に善悪を強調せず、落ち着いたトーンの上質な人間ドラマだ。そのぶんだけ、中だるみを感じたり、物足りなさを感じた人もいると思う。 ナチスへの協力と生き残ることの間で、ユダヤ人収容者の間でも、心が揺れ動く。自らの技能を犯罪に使うことでしか生き延びられなかった人々の葛藤を取り上げた、実に興味深い歴史ドラマだ。
生き延びたいのか、仲間を助けたいのか、反抗したいのか
映画にも登場するブルガーの著書がもとになっているよう。
そのせいかブルガーは贋札作りをサボタージュする、比較的キャラクターがはっきりている。
一方でサリーの芯はどこにあるのか、わからないのが観ていて難しいところだった。
自分が生き延びたいのか、仲間を助けたいのか、反抗したいのか。わからなくて良いのだと思いつつ、もやもやしてしまったのも事実。
「Víctor Hugo Díaz」じゃないか!しかも、オジキが持...
「Víctor Hugo Díaz」じゃないか!しかも、オジキが持っていた「タンゴ」のアルバム。
普通はトゥーツ・シールマンスが取り上げられるが、味があるタンゴの曲だ。彼はドイツ系アルゼンチン人だと思う。
そして「エゴン・シーレ」まで。
閑話休題。
さて、映画の方は二回目だった。音楽Google出来て、演奏家が分かって良かった。
因みに、立派な戦争犯罪人になると思うけどね。まぁ、生きる為にはしたくないのか?彼は2016年まで生きていたってんだから、我が亡父よりも長生きしている。
カール・マルコビクスがGTA4のニコ・ベリックに見えて仕方ない。ニ...
カール・マルコビクスがGTA4のニコ・ベリックに見えて仕方ない。ニコ・ベリックはジェイソン・スティサムに由来すると思ってたけど違ったようです。
【”生きてこそ!”敗戦濃厚のナチスのハインリヒ・ヒムラーが画策した「国家による史上最大の偽札制作、ベルンハルト作戦」を題材にした捕らわれたユダヤ人たちによる偽札づくりを描いたヒューマンドラマ。】
ー 収容所に集められた偽札づくりのプロのサロモン・ソロヴィッチを始めとした、ユダヤ人達が、自分の命を守るためにナチスの命令に従うか、逆らい殺された家族の為に正義を全うするかの間で葛藤する、ヒューマンドラマ。ー ■第2次世界大戦中のドイツ、ザクセンハウゼン収容所に、特殊な技術を持つユダヤ人たちが集められる。 イギリスの経済を混乱させるべくナチスが計画した「ベルンハルト作戦」。完璧な偽ポンド札を作るための人員だった。 そんな彼らは各々の思いを押し込めて偽札作りに励む。 ◆感想 ・ガス室に送られると思っていたサロモン・ソロヴィッチ。彼を捕らえたヘルツォークは戦時、ナチスSSになっており、ヒムラーから指示された「ベルンハルト作戦」の総責任者として、彼を任命する。 ー 故に、サロモン・ソロヴィッチや印刷のプロ、ヘルツォーク等は他の収容者とは違う厚遇を受ける。- ・そして、サロモン・ソロヴィッチらが作り上げたポンド札はイギリス銀行でも真札として認められる。 ー その労いで、サロモン・ソロヴィッチを自宅に招き、家族を紹介するヘルツォーク。だが、彼も全体主義の中で駒で有ったことが分かるシーンでもある。- ・更に、ヘルツォークはドル札の贋作作りも指示するが、家族が収容所で殺された事を知ったブリガーは原版に傷をつけると言ったりし、サボタージュする。サロモン・ソロヴィッチたちは全員殺されると彼を説得しようとする。 ■ラスト、ナチスは敗北し収容所に連合軍の配下が押し寄せるシーン。サロモン・ソロヴィッチらに銃口が向けられるが、彼らは腕に刻まれた収容所番号を必死の表情で見せるのである・・。 <ナチス・ドイツ関連の映画は、今までにどれだけ製作、公開されてきたのであろうか。私自身は50作は観ていると思う。 だが、ナチスが犯した誤りを風化させないという意味では、ドイツが制作に関わっている作品は観る側に深い余韻を残す。 自国の過去の誤りを、映画として残し二度と同じ過ちを繰り返さないという気概は素晴らしい。 だが、ドイツでもネオナチが数年前から台頭して来ている。 日本も同様である。(日本会議、右翼発言を繰り返す国会議員。又それを指示する人々。) 全体主義を封じ込める策は、ないのであろうか・・。 このままでは、再び世界的な戦争が起きてしまうのではないかと懸念する日々である。>
違う面からみた収容所
色々考えさせられます。
この主人公は飛びぬけた取りえがあったからうまく助かったが果たして自分だったら生き抜けるだろうか?
贋札仲間に信念に燃えて仲間を危機にさらす者を自分は許せるだろうか?
観ながらこういうやつ、困るなあと思ったり。
正直足手まといの人を最後まで心配できるのか?
敵の将校を憎まずいられるか?
戦争後にその贋札を…
数え上げたらきりがありません。
極限状態で人間はどう行動するのか。
その中でもこの映画は変わった切り口から描いたもので、収容所の中でも優遇されてた者たちですから甘いと感じる方もいるかもしれないです。
職人とユダヤ人の狭間
収容所で贋札作りに携わったユダヤ人達の物語。 ナチスドイツのユダヤ人迫害を描いた映画に外れはありませんが、この映画も例外ではありません。 人間の残酷さ、死の恐怖、無惨で簡単な死・・・そしてこの映画では贋札作りがテーマに加わります。 職人として贋札の成功を目指す主人公。チームを守る為に工夫しアイデアを出し、必死に成功へと導こうとします。 しかし、それは明らかな利敵行為。死との狭間で悩み苦悩する姿は、胸を大きく打ちます。 ただ、冒頭で大戦後の主人公を描くのは、個人的には如何なものかと思います。 少なくとも、「主人公は死なない」が分かってしまうわけで、余り良い演出ではないように感じてしまいます。 私的評価は4にしました。
第二次世界大戦中、ナチスドイツがユダヤ人たちに贋札を作らせたベルン...
第二次世界大戦中、ナチスドイツがユダヤ人たちに贋札を作らせたベルンハルト作戦の描いた映画。 経済混乱を狙って企てられた作戦があったなんて今まで知らなかった。 死と隣合わせの毎日、収容所での過酷さ、卑劣さが伝わってくる。生きるために贋札造りを強要されるユダヤ人、葛藤し辛かったんだろうな。贋札造りはよほど重要なのか、扱いの違いにも驚いた。 淡々と描かれているが、終始緊張感で目が離せませんでした。
偽札💵
ベルンハルト作戦、コレは恥ずかしながら知らなかった。こんな作戦があったのか。 贋札造りの作業に選ばれれば、きつい重労働は避けられ、命の補償もある。同じユダヤ人でも待遇がこんなにも違うんだ。 主人公は技術もあり、リーダー的な存在。この恵まれた待遇を続けるため、この作業者たちを守ろうと必死。悪いことをしている事実はもちろんわかる。そして悪いことだからと作業を怠る者もいる。でも密告はせず、1人も辛い環境に置かないように、贋作造りを行う。 収容所内で感謝祭を楽しむシーンがあったり、今まで知らなかった強制収容所の様子を知ることも出来、勉強になった。
プラテンといっても食べ物ではない。
ドイツといえば印刷技術先進国だ。現在の日本国内の印刷所をみてもハイデルベルグ社の印刷機がかなりのシェアのあることがわかるほど。多分、第二次大戦当時でもドイツの技術は素晴らしかったに違いない。そんなナチスドイツがユダヤ人たちに贋札を作らせたベルンハルト作戦の裏側を描いた映画です。 原作は映画にも登場する印刷技師のアドルフ・ブルガーが書いたもの。ドイツは敵国イギリスを経済的混乱に陥れ打撃を与えるため、ザクセンハウゼン強制収容所でユダヤ人技師たちに贋札作りを強要する。拒めばアウシュビッツ送りか、即銃殺。ポンド作りは間もなく成功を収めるが、これによってドイツの戦況が有利に運ぶとユダヤ人虐待も長引き、従順でいることは自分の命を長らえることになるものの、罪もないユダヤ人が殺され続けることをも意味する。 終戦を黙って待つよりも、ナチスへの協力を拒否し決起するなどと主張する原作者ブルガーは主人公ではなく、戦前から贋札作りで暗躍していたサロモン・ソロヴィッチ(カール・マルコヴィクス)が主人公。正義感の強い作者と元々悪人という2人の視点を変えたことによって、ブルガー(アウグスト・ディール)のサボタージュという行動が同胞を危機に晒すなどといった部分も見えてくる。逆に、悪党であるサリーが仲間を大切にしていることもわかるのです。まぁ、感情移入はしづらかったりしますが・・・ 収容所ではニセ札だけではなく、パスポートなども偽造している。そのため家族の不幸を知って自殺を図ろうとする者もいたり、薬を手に入れるためにナチ親衛隊少佐ヘルツォークと取引するという場面も登場する。ちょっとだけいい人のように思わせる少佐だったけど、ドイツの敗戦を悟って逃げだそうとする将校も実際にいたんだろうなぁ。この絶妙な駆け引きや、サリーの心の葛藤も見どころなのです。 興味深かったのはユダヤ人印刷技師たちが厚遇されていたところ。収容所の中でも彼らから数メートル先では毎日のように拷問や銃殺があり、それが見えないだけに彼ら自身の待遇の良さもわからない。同じ収容所内でも天国と地獄のような格差社会があったことだ。さすがに今日的テーマとまでは思えないけど、虐待されていた他の舎を感じていたならばブルガーに同調して暴動が起こるなどして、ベルンハルト作戦も違う形になっていたのかも・・・ 尚、プロローグ、エピローグともに戦後のサリーが描かれていたのですが、カジノの強運ぶりを見る限り、彼の判断が功を奏していたのかもしれない・・・
正義とは?
ナチの関わるところには、大抵ギリギリのところで、人間としての尊厳か、生きることへの欲望(に対する嫌悪感)か、という判断を迫られる悲しい選択があり、今になってみても、正しさとは何かという答えは見つけられない。それはナチ側も同じ。映画にすることで、ドラマチックに盛り上げなければならないところもあるだろうけど、極限状態の人々のさまざまな形態の勇気には感心させられる。過去を置き去りにせず、何が起こっていたか、知ることが大切だと教えてくれる。この映画はどこまでが史実に基づいているのかな。
ギリギリの攻防
なかなか興味深いナチスのユダヤ人収容所物でした。 ベルンハルト作戦で、強制的に収容所で贋札作りをさせられていたユダヤ人達の恐怖感が手に取るように伝わってきて、ハラハラドキドキ・・・まあ主人公はそこでは死なないことが分かってはいつつも、それでもハラハラドキドキさせられたのは、やはりいつ死んでもおかしくない収容所の状況が成せる業だったと言えましょうか。 まあユダヤ人虐殺を題材にした映画は今まで何作も作られてきましたが、今回は特別なスキルを持った者たちが集められた贋札作りの収容所と言うのが、かなり興味を惹かれた部分でしたね。 贋札作りを拒めば即銃殺、贋札作りが完成してもおそらくは即銃殺、こんな究極の状況で生きなければいけなかったユダヤ人達の心境たるや、いかほどのものだったのか・・・。 しかし他の収容所に比べて物凄く恵まれた環境だったのも、かなり印象深かったですね。 それだけナチスもこの贋札作りに運命が懸かっていたことへの表れなのでしょう。 そんなナチスに媚びへつらってでも生きようとする主人公のソロヴィッチと、正義感を振りかざして決してナチスには協力しようとしないこの作品の原作者でもあるブルガーの構図には、本当にヤキモキさせられました! 今日銃殺されるよりも明日のガス室を選ぶでしたっけ、それが究極の状況に置かれた本当の人間心理ですよね。 ただ仲間を決して裏切らない主人公は元々は悪党だっただけに、微妙に感情移入できない部分があったのは、ある意味実話ならではのリアルさだったでしょうか。 歴史を大きく動かした贋札作りの顛末は、淡々とした作りだったものの、とても見応えのある内容に仕上がっていたと思いましたよ。
最後がややあっさりとしているのがちょっと残念
ナチスに捕らわれの身となったユダヤ人収容所での“裏『ホテル・ルワンダ』”
贋札作りのプロである主人公が収容所で贋札作りを命じられる。彼がナチの隊長にこびへつらいながら、自分の身と株)ヤの命を守る為に必死になる内容。
中には資本主義者もいるために《犯罪者》と罵られ、ナチに協力するのを拒む者には、「今日銃殺されるよりも明日ガス室を選ぶ」と諭す。
せっかく貰った大隊長との取引の後で、主人公は元々優秀な画家だった事から、必死になって庇って来た後輩との悲劇の直後の演出は見事でした。
塀の外で繰り広げられていた、やせ細った“靴のテスト隊”が初めてフカフカのベッドと、美しい音楽に触れた時の何とも言えない表情が胸をうちます。
ラストで主人公の男が、昔を思い出して自虐的な行動に出るのですが、ややあっさりした印象になっているのが少し残念なところでした。
(2008年1月22日 日比谷シャンテ・シネ1)
今日銃殺より明日ガス室の方がいいかぁ…。
決して仲間を密告せず裏切らなかった主人公は本当に凄い…誰だって、同じ人間なのに生きるために贋札造らさせれ、媚を売り、汚い生活、恐怖に満ちた生活は最高の気分だったでしょう。もちろん皮肉な意味で。 そんな中、「そんなに命が惜しいか?」と聞いてきたブルガー…自分の命1つで収まれば何も文句はない。けど、他の人も犠牲になるだろう状況。 例えその行為が悪であろうと他人を巻き込み*自分の正義*ってのを貫くのに、私には理解できず腹がたって仕方がなかった。 皆…生きてさえいれば、この無意味な戦争は終わる…そんな希望を皆抱いていていたのではないかな。 でも、なんだよ!!!!!!このラストの報われなさッ!!!!!英雄気取るんじゃないよ!!!!あのドヤ顔に異常な苛立ちを覚えた…。 寝る前に見ると血圧上がっちゃうから、やめた方がいいです(笑) 事実苛々しちゃって眠れなかったよ!!!! 後味の悪さはTOP10入りする作品になった。
たまたま被害者になったといえども、彼は本当は最初から最後まで犯罪者
総合:65点
ストーリー: 65
キャスト: 70
演出: 75
ビジュアル: 70
音楽: 65
ナチによるユダヤ人虐殺は映画でも何度も取り上げられた主題だが、今回はナチが一方的な悪役とはならない。ユダヤ人たちは自分の命と引き換えにナチの偽札作りに協力するかどうかという選択を迫られるからである。
精巧な偽札を大量に流通させることは、国家の信用を失墜させ経済を破壊する重犯罪である。隣で他のユダヤ人たちが殺されているぎりぎりの状況で、自分人たちの利益をとるか命を賭けて抵抗するかというジレンマに陥る。主人公は自らの命や仲間たちのために綱渡り的な生活を耐えていく。
面白いのは敗戦濃厚なドイツで、収容所がユダヤ人の反乱によって解放されたときの場面。好待遇を得て身体的には健康な偽札作りのメンバーたちと比較して、反乱をした普通の待遇のユダヤ人たちは見るからにやせ細っていて貧相で汚くて、一目で収容所に入れられていたことがわかる。だから反乱したユダヤ人が彼らを見ても、ナチのドイツ兵がユダヤ人の服を着て変装し逃げようとしているとしか思えず彼らを銃撃しようとするのである。
しかしそもそも主人公はナチに捕まる前から犯罪者であった。そして最後にカジノで本物とイングランド銀行に認められた偽金を使い簡単にすってしまうなど、くだらない行動をとる。もうナチに協力しなくても命の心配はないのに、いかに戦争が終わった後とはいえ自ら偽札を流通させるという重犯罪をすすんでやってしまう。
たまたま不幸な時期に不幸な場所にいたユダヤ人だったために不幸な経験をしてしまった被害者になったが、結局彼の本質は、たとえナチに捕まっていなくてもただの犯罪者にすぎないのだとわかりました。解放されるまでのあの収容所の中の命のやり取りをする生活やジレンマの中の決断は一体何だったのだろうか。そんなわけで途中までは良かったのに、最後はあまり納得ができませんでした。
若い世代に伝える戦争エンターテインメント
物語はコンチネンタル・タンゴの調べと共に、モンテカルロの豪華カジノから始まる。華やかでエレガントな幕開けだ。しかし、その華やかさはユダヤ人強制収容所に舞台を移すことで、夢のごとく消え去る。
本作は、紙幣偽造によって、敵国の経済を混乱に貶めるために、ナチが行った「ベルンハルト作戦」に携わったユダヤ人収容者の実話。この作戦のために、一般のユダヤ人強制収容所から、贋作師、印刷工を始めとする技術者たちが集められ、優遇された収容所生活を送りながら、命がけで贋札を作る物語だ。強制収容所ものは多数作られているが、紙幣偽造を扱った点がまず異色だ。戦争は大量殺戮だけでなく、このよう大規模な犯罪も付随していた事実にまず衝撃を受ける。集められた技術者は、清潔なベッドと十分な食事、収容所内に流れる音楽や卓球台などの娯楽が与えられる。しかし、板塀一枚隔てた隣では、他のユダヤ人が毎日殺されている。偽造を続ける限り命は助かる、しかしそれによって、戦争は長びき、自分の家族が知らない所で殺されていく。命をとるか、正義をとるか…。
ハンディーカメラでドキュメンタリータッチに捉えた映像。閉塞的な暗く冷たい画面とは対照に、バックには、オペラのアリアなどの流麗な音楽。この音楽が重苦しくなりがちな物語をエレガントなエンターテインメント作品としている。これは決して軽薄な措置ではなく、原作者のブルガー氏が使命としている「悲惨な戦争体験を若い世代に伝える」手段として必要不可欠なことだと思う。戦争経験のない若い世代は、とかく辛い現実に目をそむけたがる。苦しみに慣れない平和世代の弱い心は誰も責められない。過酷すぎる事実を、オブラートに包むことで、主人公のやりきれなさ、切なさが強調できた。「生き残った」主人公が、夜の砂浜でタンゴを踊るラストシーンの美しさの裏に、歴史的悲劇が深く刻まれていることは、決して忘れることはできない。
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