ダークナイトのレビュー・感想・評価
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ヒース・レジャーの狂気
近年、稀にみる悲運な出来事に遭遇した映画といえばこれだろう。悪役ジョーカー役のヒース・レジャーが映画公開直後に薬物中毒によって死亡。主役バットマン役のクリスチャン・ベールがこれまた公開直後に姉への暴行容疑で逮捕。さらにバットマンを補佐するフォックス役のモーガン・フリーマンが不倫相手と交通事故に遭うなど、まるで呪われた映画状態だ。
それでもヒース・レジャーはアカデミー助演男優賞を死去後に獲得し、興行収入も鰻登りに上昇。現在、『アバター』、『タイタニック』に次ぐ3位に位置している。
のっけからヒース・レージャが演じるジョーカーの狂気に圧倒される。そして、ダークナイト(黒い騎士)であるバットマンと、善良な検察官(アーロン・エッカート)である白い騎士との対立。そして重要人物の死。スリリングな展開が観客を包み込む。
バットマンの続編『ダークナイト・ライジング』はこの夏公開だ。これにはキャット・ウーマン役でアン・ハサウェイが出演する。
評判通りの良作
正義って何なのか。
何が正解なのか解らないので、非常に考えさせられました。
正義のために闘う結果、どこまでも追い詰められ、堕ちていくバットマン。普遍的な理念だけでは社会をまとめられないのですね。
アメコミ、アクション映画だと思って、爽快感を求めていては痛い目に合います。
そして、誰もが絶賛するヒースレジャーの演技。ただの凶悪犯・愉快犯に留まらず、全ての事象を客観的に分析している理知的な雰囲気までも完璧でした。
怪演ヒース・レジャー
ヒース・レジャー渾身の遺作。本人も自身の死期が近いことを察していたかのような鬼気迫る演技であった。
極悪非道、悪の権化ジョーカーはその存在だけで空恐ろしい。なぜ最後止めを刺してくれなかったのだろうか?
思わずバットマンを見ていることを忘れてしまうような、異色テイストの作品で、正義とは何か、ヒーローとは何なのかと、人間の持つ強欲や暴挙を容赦なく描き出しているような内容であった。
アメコミ実写版という単なる娯楽大作からの逸脱、深化を試みたノーラン監督出色の出来栄えと言えるかもしれない。
問題はバットマンだ。
とにかく評判の良い作品である。確かにクリストファー・ノーランの繊細な演出は効果的だし、画面構成は不安を煽る音楽との相性も良く緊張感を高める。そして何より映画史に残るであろう最凶キャラクター、ヒース・レジャーによるジョーカーは素晴らしいの一言に尽きる。
そんな中で画竜点睛を欠いてしまったのが、ことあろうタイトルロールの“ダークナイト”こと、バットマンである。
ジョーカーとバットマンは『狂気』という境界線を挟んで、“正義の狂人”“悪の狂人”という鏡像になっている関係性が面白いのである。
正義のために法律を破って自警活動をするバットマン。悪事のために悪事をはたらくジョーカー。本作のジョーカーはまったく素晴らしいまでに動機も目的も欠落させており、ただただバットマンを困らせ、世界を混沌の渦中に叩き込む事だけが生き甲斐である狂人だ。
しかし、バットマンというと、ハービー・デントという法律を守りながら悪を退治する、正しい“白い騎士”の出現により『もう、バットマンは用無しかもなー』と、アイデンティティを崩壊させてしまうのである。
“絶対悪”であるジョーカー、“正しい正義”であるハービー。トゥー・フェイスのコインの表裏のような2人に挟まれてブルース・ウェインは本気でバットマンをやめようとする。
そんな苦悩はいらんのである。
バットマンは絶対的に正義である事にまったく揺るぎが無いのが魅力的なのである。わかりやすい例えで言うなら、ダーティーハリーが悪人を殺すのにいちいち躊躇していたら、ツマらないんである。
ハービーがトゥー・フェイスとして悪に染まってから、ようやく狂気を取り戻したバットマンはジョーカー逮捕のためにゴッサムシティの全携帯電話のハッキングという、正義狂人の名に恥じぬ暴挙にうって出るがそこまでが長い。
1作目、2作目と回を追うごとに面白くはなっているノーラン/バットマンなので、次作には大いに期待したいところ。
脳裏に絡みつく「純粋悪」
惜しい俳優が亡くなったものだ。ヒース・レジャー。これほど役になりきる俳優がいるか?最近テレビで見た『キャンディ』も凄かった。本当に惜しい。
レジャーの演技を引き立てるのノーラン兄弟の脚本も凄い。オチ付き映画の類じゃないのに何度も観ようとさせるのは彼らの脚本が素晴らしいからだ。まるでバットマンの影として現れたかのような純粋悪の設定が深い。
残念なのはノーランって女に興味がないのか、マギー・ジレンホールはミスキャストだった。主人公の幼なじみにしてはシニカル過ぎて情を感じない。もし他の女優だったら、あまりにも痛切な展開が私の胸を抉りきっただろう。でも、そうはならなかった。ブルースの哀しみを共感できなかった。完璧なこの映画の唯一の穴、それが彼女だ。
ちょっとくどい?なんか違う?
バットマンの世界をテーマパークにしてしまったティム・バートン作品との違いを明確にし、なおかつバットマンに真実味をもたせるため、昼のロケを多用しゴッサム・シティを実際にある街のようにしたところは良いですね。
バットマンが本来持つ「犯罪、探偵もの」の原点に忠実に、二転三転するストーリーは、努力は認めますがちょっとくどい。ハービー・デントで面白くなったのは確かですが、トゥー・フェイスは次作でもよかったような。
原作でいうところのダークナイト(闇の騎士)って、犯罪者に恐怖を植えつけるところから来ている言葉だと思うんですが、一般人からも犯罪者のレッテルを貼られてしまうラストは、なんか違うなと思った。
アルフレッドとブルース・ウェインの掛け合いも前作同様軽妙で、クリスチャン・ベールも存在感があり、良い。
対するジョーカー…やっぱり「ニコルソン・ジョーカー」を知る者としては、小物臭が。脚本的にももっとはっちゃけて欲しかった。
しかし、世間が「自警団も暴力のひとつ」との風潮になっていたり、ジョーカーとバットマンの絆(?)を描くあたり、バットマンを変えたアメコミ「ダークナイト・リターンズ」の映画化をやる気なんじゃ?と期待してみたり…。
多少やりすぎな気もするが
バットマンがダークナイトって事を言いたいらしいので悪者にしている映画です。
話はとにかく暗い、サポートをしてくれていた人には見捨てられ、好きな人にも友達でいましょうと手紙に書かれ、最後は警官殺しの汚名まで被る有様。
それでも見ていると引き込まれて、時間の長さは全く感じさせない面白さがあるので爽快感を得たい人以外にはオススメです。
言葉では簡単に語ることのできないバットマンとジョーカーの絆とも感じられる微妙な関係を見事に描き出した
ジョーカー役がどうなるか注目されショーン・ペンやジュード・ロウの名前まで浮上していたがヒース・レジャーに決定!!ショーン・ペンのジョーカーも観たかったけど出来上がったティーザーポスターのジョーカーが恐ろしくて結構期待していた☆しかし薬物の過剰摂取によりヒース・レジャーが急死してしまったことから違う意味でも注目されることとなった作品(>_<)
バットマンとジョーカーっていうのはスーパーマンとレックス・ルーサーのように一種の絆ともとれるような微妙な間柄があり、バットマンはジョーカーを殺さないし、ジョーカーもバットマンを殺さない。善と悪の秩序と言うべきか,,,この微妙な関係を見事に描いている☆口で説明しろと言われると難しい点もあるが映像を通してたしかに伝わってくる(>_@)
個人的に注目していたのはジョーカーの存在よりもハービー・デントの存在をどう描かれるかということだった(._.)原作ファンや「バットマン フォーエバー」を観たことがある人はハービー・デントがトゥーフェイスになることは知っているだろうと思うけど今回はそのハービーの描きかたが原作の筋にのっとたものではあるんだけどレイチェルの存在などジョーカーとのからみなどがからんでくるからどう変化していくのかが気になって仕方がなかった(>_<)
ヒース・レジャーが亡くなってしまったからどうしてもジョーカーに目がいきがちなんだけどハービー・デントを演じていたアーロン・エッカートも負けず劣らずの名演技で正義感あふれるハービーが闇に染まっていく姿を表現してくれていてそっちのほうがクギ付けになった(>_<)緊張感のあまり気づいたら映画館の座席で体育座りしてたからね(@_@)
トゥーフゥイスのデザインってどうしても「バットマン フォーエバー」のトミー・リー・ジョーンズの印象が強いからどうなるのかが気になっていたんだけど,,,創造以上だった(._.)まさか大好きなアーロン・エッカートがあんな風に料理されてしまうとは,,,ちょっとしたホラー映画だよ(O_O)
前作「バットマン ビギンズ」は悪役が魅力的ではなかったために正直言って個人的にあまり好きではなかったんだけど今回は創造をはるかに超える傑作となっている☆アクション満載な娯楽作が観たくてこの作品を観ると不満は残るだろうがそれはあたりまえで、もともと「バットマン」っていうのはアクションが売りではないのだ(._.)
政治やいろんな組織が絡み合うドラマで構成されているためにリアリティを追及してそこまでの過剰なアクションはワザとしていないからヒーローアクション映画としては観ないほうがいいと思うね☆あえて言うならクライムアクションかな??
撮影に参加したエキストラが口を滑らしたことから出る出ないと話題になった前作の敵スケアクロウは結局出てくるんだけどあっけなくやられてしまう(._.)ただえらいところはあれだけのシーンなのに別の俳優を使わず前作同様にキリアン・マーフィを使っているところだよ(>_<)
3部作構成ということで次回作は当然作られるのだけど気になるのはやっぱ敵なんだけど次回はリドラーが有力候補に挙がっている。リドラーと言えば今回のトゥーフェイス同様に「バットマン フォーエバー」でジム・キャリーが演じていたナゾナゾを出すジョーカーと似た雰囲気を持つキャラクターでジョーカー的役割を補うために出すといううわさもあるが個人的には一度も映画には出ていないキラークロックかマンバットを出してほしい(>_<)
気になった人も多いだろうけどレイチェル役はケイティ・ホームズからマギー・ギレンホールに変更になった理由はズバリ言ってトム・クルーズ!!トム・クルーズとの交際でいろんな問題を起こしイメージの悪くなったためケイティ・ホームズは映画会社から降板させられたんだよ(._.)でもマギー・ギレンホールじゃなくてもよかったんじゃないの??イメージ代わりすぎでしょ!!
「バットマン映画」ではない・・・
先週、「ダークナイト」を観てきました。
米国での人気はかなりのもの。
日本でもなかなか評判がよいものの、観るまではどんなものか、期待と不安が混じりあった気分でした。
結論から言うと、ストーリーにひねりがあり映画としてはなかなかよかったと思います。
しかしながら、「バットマンが登場する映画」であって、「バットマン映画」でないと思った。
ティムバートン製作の「バットマン映画」は文字通り「バットマン映画」であった。
ゴッサムシティという狂気な世界を救うのがバットマンであり、彼なくしては成立しない物語を描いていた。
しかしながら、今シリーズは、アメリカのどこかの街で起こった犯罪を仮面を被ったダイハードマンが解決する、といった感じで、平凡さとなんとなくのリアリティが加味されてしまい、「バットマンの登場する映画」になってしまった。
敵であるジョーカーも単に悪知恵の働くダイハードマンという感じで、以前の人々の邪悪な心が産み出した狂気、といった印象が希薄になってしまった。
登場メカに関しても、バットマンの風貌にはあわない。
バットスーツに似合うのはティムバートン版のバットモービルだ!
今作のメカはまるでロボコップが乗っていそうだ。
世界観が違うのだ。
よくスーパーマンと比較されると思うが、スーパーマンは現代に現れた異性人であり、現実のアメリカに墜落し、アメリカ人に育てられた、という設定がベースになった物語。
だからアメリカの街並や人々が普通に登場してよいのである。
しかしバットマンの、ゴッサムシティは、違うのだ。
ベースが架空であり、ファンタジーであるはず。
それなのに、変にリアリティを持たせたのには違和感がある。
宇宙空母ギャラクティカがリニューアルされ、リアリティか加わり迫力満載になった、バトルスターギャラクチィカとは、違うということを、製作側は理解すべきだと思う。
そうそう、金持ちでも、カウンタックには乗るなよ〜〜
品がないな。ジャガーとかアストンマーチンにしてくれ。
ほんとは現実にはない車、例えば、どこかのコンセプトカーとか登場させて欲しかった・・・
スケール感がなさ過ぎ。
闇の騎士
この映画の場合、闇はジョーカー、圧倒的な存在感で観客を魅了する
悪意の具現者、これは演じた故ヒース・レジャーを賞賛したい。
そしてその闇に対抗する光は実はバットマンではなく検事
ならばバットマンは?彼は影です。
光が強ければ影は濃くなり、光が弱くなれば影は消えてしまう
闇が全てを包み込んでしまい光も影も消えてしまうのか?
強い光は失ったが、市民が光を放ち続ける限り影は存在し闇の中で闘い続ける
THE DARK KNIGHT、最後ちょっと泣けました。
一見、正義対悪という図式の娯楽映画ですが、そこに留まらず
精神論的な善と悪の対立にまで昇華させた脚本の巧さを評価したい。
アメコミ映画という枠を超えた傑作です。
俺は混沌の使者!:->
ヒースの演じたジョーカーはジャック・ニコルソンが演じたジョーカーよりずっとシリアスで怖い雰囲気で最高でした!それに、今回のジョーカーの考え方・行動がとても気に入りました!「俺は混沌の使者」と例えるシーン、最高にカッコいい!
ダークな魅力を放つ傑作
今回は前評判とレビューを見渡して作品の形をある程度想定して見に行ったつもりでしたが、完全にその想定を越えた広さと深さを持った作品でした。
正義も悪もダークな色に沈み込み、判然としない世界にわたし達は放り込まれてしまう。登場人物それぞれが思い悩み、そしてその想い故に嘘をつく。
嘘は明かされない限り、その人にとって真実となる。
悲しいくらいに。
故ヒース・レジャー(以後ヒースと書きます)の名演技が評価されていますが、私はその中でもヒースの嫌らしいくらいの舌の動きに隅々まで行き渡った彼に演技の真骨頂を感じます。
むろん、目に色の深さも。
純色の悪は、その際だった純粋な色のためにむしろ魅力さえ感じます。
ヒースはそれを体現して見せた。
本当に惜しい人です。
ヒースに隠れていますが、アーロン・エッカートの演技も見放せません。
真の正義と己の信念のために自己犠牲をいとわない正義漢が、最愛の人を失って全てを見失って復讐の鬼と化す。
誰もが持ちうる素養であるために、彼の180度切り替わってしまう方向性にむしろ共感さえしてしまいます。
ダークナイトは正義と悪の狭間で苦悩するヒーローを描いています。
むしろ今回は悪を描いていると言って差し支えありません。
グレーゾーンの悪を。
我らがヒーロー、バットマンでさえその領域に踏み込んでしまっているのですから…。
それでも、この作品には光明があります。
真実を知り、暖かい目でバットマンの背中を見てくれている人の存在と、ダークに染まらない誠実さを真逆の位置づけの人々を通して描き出したのですから。
これは理想型です。
でも、いいんです。
朝日が差し始める夜明け前の一番暗い時、それが暗黒、「ダーク」なのですから。
アメリカの苦悩
ジョーカー最高!完全にジャックニコルソンを超えてます。
今回のバットマンは、タイトルからして「バットマン」のクレジットを
入れていないことから分かるようにテーマが単なる勧善懲悪アクション
ではないことです。
バットマンがテロリストであるジョーカーに対峙しながらも、ゴッサムに
何とか平和をもたらそうと奮闘するが、更に泥沼になり悪者呼ばわり
される様は今のイラクでのアメリカ軍そのもの。
味方だった者も敵になり、愛するものを失い、いったい何のために
戦うのか、そんなアメリカの苦悩を感じた映画でした。
夏の娯楽大作、じゃないな。
いやぁ長かった(笑)
もうねぇ、夏の娯楽大作なんかじゃないですよ。
本気で作りすぎ(苦笑)
ジョーカーだけでなく、トゥーフェイスまでも
出てきて、盛りだくさんな内容、
苦悩するバットマン、恋人の取り合い、
警察の腐敗、マフィア、検事・・・
やりすぎ・・・。
ストーリーが盛りだくさんすぎて
3時間なのに展開が速くわかりづらい。
もう少し簡単にして
ジョーカーとバットマンの対決メインにして
観やすくしないと、観客はついてこれないでしょう。
アクションも何が起こってるかわかりづらいし
うーん、って感じ。
まぁコミックも全部読んでて、もちろん映画もTVシリーズも
全部見てる人なら凄い楽しめるんじゃないですかね。
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