ダークナイトのレビュー・感想・評価
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ヒース・レジャーによる圧巻の演技
「バットマン」シリーズでも随一の人気を誇るこの作品。
ニコニコ動画の嘘字幕シリーズでお馴染みの取調室のシーンもある。
上映時間は2時間半と少し長いですが、緊迫するストーリー展開と主要キャスト陣の圧倒的演技力で飽きや中だるみなどは一切感じられず、映画の最初から最後まで画面に釘付けになりました。
何よりも、ジョーカー役のヒース・レジャーの演技力は凄まじく、彼の登場するシーンでは鳥肌が立ちました。「演技を見て鳥肌が立つ」なんて経験は生まれてこの方初めてです。私は英語は分かりませんが、言語を越えて伝わる圧倒的な魔力のようなものが彼の演技にはあります。
この映画の上映を待たずに亡くなってしまったというのは本当に残念でなりません。彼の演技をもっと見てみたかったです。
最高のジョーカー
とにかく怖いジョーカー
タネ明かしではなく、嘘で終わる
【要約】※2020年7月12日追記
★ジョーカーは、嘘つきなのに真実を示そうとしている。「私は嘘つきです」という嘘をついているところが、やはり嘘つき。
★ バットマンの仮面も、人間の善性もみんな「装い」なんだ(お前ら嘘つきだろ?)ということを示したいジョーカー。
★ 作品の語り口自体も、「嘘→真実」という際限のないタマネギの皮むき(ミスダイレクションの連続)なところがメタ。
★そもそも映画も一種の「嘘」(現実には起こっていないことを、本当であるかのように語ること。あるいは映画製作という行為が、ある意味で嘘をつくこと)
★「嘘→真実」の種明かしを繰り返すこの映画は、真実を明かすことによっては終わらない。嘘をつくことによって終わる。だが観客の中には真実が宿る(何よりも守りたい嘘)。そこに余韻が、崇高さがのこる。
【本文】
ミスリード。ある可能性を真実であるかのように提示し、実は別のところに真相がある。ミステリの構成として基本だが、ノーラン監督はこの『ダークナイト』を、全編を通じた「ミス・ディレクション→種明かし」の細かな連続によって作り上げた。1つの真相が明らかになっても、また別の真実が隠されている。その連続によって観客は興奮を覚える。嘘が提示され、真実が明らかになるが、また別の嘘が浮上する。タマネギの皮剥きのように際限がない。(どんなに皮を剥いても残したい嘘、それによって守りたいモノとは何だろうか?)手品のように知的だが、エンターテイメントとしても傑作である。(cf.『ダークナイト』の前監督作といえば『プレステージ』だった)
そして「何かを表に出すことによって何かを隠す」のはバットマンという仮面装着ヒーローの本質(単に隠すのではなく、攻撃効果を持たせる)である。また人間社会の世渡り術の基本でもある。それゆえ、この『ダークナイト』という映画は、何かを隠しながら何かを見せるという語り口1つで「知的行為として」「娯楽として」「奇術との類似として」「ミステリ作品として」「バットマンの本質として」「人間の性質として」、豊富な側面を見せてくれた。
それだけではない。映画を作るということ自体が「何かに目をつぶりながら何かを作り上げ、見せる」ということである。ある種のごまかしや曖昧さを残しながらも、「本物(らしく)」にこだわりあげる。見せられた通りのことは起こっておらず、タネは隠されている。嘘を嘘と知りながらも、実際には存在しないことを、あたかも本当のように見せること。それはやはり奇術というパフォーマンスに似ていて、またノーラン監督作品の設計思想のようなものだ。奇術というパフォーマンスを行うように、ノーラン監督は映画をパフォーマンスとして見せる。
そんな世界にあって、ジョーカーだけが何ら包み隠すことなく(ルール無視で)欲望のまま本能的に行動する。ジョーカーの発言は嘘ばかりだが、嘘すらも"本物"に思える。登場人物は皆、本当の目的を隠して何かを装う。ジョーカーには装いがない。嘘すらも装いがない。それゆえ彼はジョーカーであり、冗談しか言わない。それなのに彼の言葉を信じて行為する正義漢たちの姿は滑稽で、振り回されているように思える。ジョーカーを抑えるには、ただ彼の行為だけに(発言ではなく)注目し、物理的な力によってオリに入れるしかない。
ジョーカーはバットマンにとっての「装い」である仮面や「殺しは無し」というルールを剥ぎとり、自分の側へ来いと唆す。次には市民たちの抱く善やモラルというものが「装い』(建前)に過ぎず、利己的な動機(まさに自己という最上の保護対象を包み隠すためのもの)からきているものに過ぎないのだと示そうとする。犯罪行為も、バットマンの仮面を剥がそうとするのも、船のジャックも、一貫して「装いを剥ぐ」という目的のもとで行われるのだ。
(ノーランの嘘に引っかからない人間にとって、明かされた真実も真実ではなくただの設定になってしまうから、つまらないかも知れない。)
追記:冒頭で「この映画は『嘘→真実』の連続で出来ている」と述べた。これは「発言が全て嘘」のジョーカーと語り口が同じだ。ジョーカーはびっくり箱。ジョーカーが語るのと同じやり方で、この映画は観客を驚かせるように作られている(のだろう)
ヒース・レジャー(ジョーカー)の演技に引き込まれる!!
バットマンの事前知識無し、前作の「バットマン ビギンズ」を順番がわからず見ずに今作を鑑賞したが、十分話に付いていけた。
MARVELと聞くと、スーパーパワーや爆発的な強さをイメージすると思うが、「バットマン」に関しては、そこまでの強さは無く、MCU等と比べると地味な戦闘シーンが多い。
それでも終始目が離せないアクションの連続で、特にジョーカーの仕掛ける罠や巧みな話術には何度もゾッとさせられた。
そのジョーカー演じるヒース・レジャーの、噂以上のサイコっぷりに引き込まれること間違いなし!
今作は、「ヒーロー」というものについて深く考えさせれられる内容だった。
何も知らない人にとっては、「え?バットマンがヒーローなんじゃないの?」と思うだろうが、それは果たしてどうなんだろうか...?
是非実際に見て考えてほしい。
DCコミックスと聞くと、「地味」だとか「根暗」(どっかの赤い二刀流の不死身によって笑)というイメージがあると思うし、実際自分もそう思うが、これは単なる「大人向け」作品であるからなんだろうな、と今作を鑑賞して納得出来た。
最後に、ジョーカーの名台詞で締めよう。
「混沌の本質がわかるか?それは公平(フェア)だ。」
極限のクオリティ
これも、そろそろ、レビューしときます。
「名作」でいいんですけど、ちょっと個人的にこの言葉では物足りない。「極限のクオリティ」の追求とでも言おうか。
はじめて見たとき、寒気のようなものを感じたのをおぼえている。ほんとにすごい作品に出会ったときにのみ、本気で圧倒されたときのみ、感じられるもの。
そこまで突き詰める必要ある?というくらいのところまで、踏み込み人の心の深淵に強く訴え掛けてくる。「バットマン」でそれを仕掛けてくるとは思ってもいなかった。
この作品を機にして映画の質はまたひとつ変化していったと感じている。(ノーランとキャメロン作品群はやっぱりターニングポイント)
たぶん、これでもまだ言葉が足りていない。。
まあ、見て感じた人ならわかることだし、メモ書きなので別にいいのだが。
ヒース・レジャーのジョーカーがカッコいい‼︎
久し振りに見返しました。
私的にヒース・レジャーのジョーカーが唯一無二の歴代最高のジョーカーです。
というか、アメコミ史上1番魅力のある悪役です。
この方がジョーカーでなければダークナイトはこれ程までに評価されなかったかもしれません。
比較するのは宜しくないですが、スーサイドスクワットのジョーカーはスタイリッシュなタトゥいっぱいのお兄さん(若返った⁉︎)で、小物感半端なくてジョーカーが雑魚になってしまったとガッカリしました。
あの映画はただただハーレイが可愛いだけの映画でした。
同じDCコミックであれど一緒にしてはいけないですね。
私はMarvelより断然DC派なのですが、このダークナイトはアメコミとして考えるにはチープ過ぎる‼︎と思うくらい最高傑作です。
アメコミ興味ない方でもバットマン知らない方でも楽しめるのでお勧めです。
(バットマンも人間、ジョーカーも人間なので人間しか出ないです。)
惹きつけられる魅力が沢山あるヒース・レジャーのジョーカーは鳥肌ものです。
最上級のヒーロー映画
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自宅にて鑑賞。C.ノーラン共同製作・共同脚本・監督の米英合作。シリーズでは初めてタイトルに「バットマン」表記が無くエンドロールでも“バットマン”のクレジットが無い(C.ベールのクレジットは“ブルース・ウェイン”のみ)。39台ぶつけたと云う車のチェイスシーンを含め盛り沢山で厭きさせない。“ジョーカー”も“バットマン”もアグレッシブな反面、人間味がある。描かれる世界観等を含めシリ-ズ最高傑作と呼ばれるのも頷ける。ただ大胆な変更が多く良くも悪くもシリーズ他作と比較してしまうのがマイナスポイント。75/100点。
・プロダクションロゴ等は青く変更されてるが、タイトルやクレジット表記は無く、同監督のシリーズ前作『バットマン ビギンズ('05)』より一新された鋭角的な“バットマン”のロゴが映し出されただけで、イキナリ始まった。フェリーの囚人と云うチョイ役乍らT.T.リスターが存在感有り。滑空するシーンが印象的だが、この“バットマン”はフルCGらしい。亡くなった“ジョーカー”のH.レジャーと特殊効果のC.ウィックリフに捧げられている。
・鑑賞日:2011年12月2日(金)
マイベストの1,2位を争う
ババ抜き
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