「すげ~(涙)」ダークナイト あんゆ~るさんの映画レビュー(感想・評価)
すげ~(涙)
わたくしA+をつける基準はたった一つです。それは、現実に根を下ろしつつ作品全体として普遍的なレベルまでたどり着いてるかどうか、という事です。ここでいう「現実」とは、それが比ゆであれなんであれ、人間のリアリティの要素を忠実に描いていればいいのです。
さて、この「ダークナイト」。はっきりいってすごいです。この映画はエンターティメントの枠組みを守りつつ、最低限のアメコミヒーローものを守りつつ、善と悪の哲学です。それは単純な善悪でなく、善と悪のバランスが崩れれば、そこから片方が反動で一層増殖するという非常にリアルな事を描いています。超一級品の大人向けのエンターティメントです。
あそこまで話を大きくして、どう話をまとめるのか不安で観てましたが、あのラストの展開はすごいですね。善と悪の均衡を破ったバットマンに訪れる試練と、苦悩、そしてラストの悟りめいたあの行動に感涙。そこらへんのご都合主義な映画とは違います。やっぱりクリストファー・ノーランは本物です。キャラクターの造形がただものじゃありません。あまりに感動して涙でそうになりました。
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