「純粋悪の顕現」ダークナイト yoshiさんの映画レビュー(感想・評価)
純粋悪の顕現
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なんといってもジョーカー。
この存在感に衝撃をうけた。
これまでみてきた物語に登場する、己の利益や欲望(復讐や弱さの裏返し)のために悪事を行う、といった人間的な悪役とは違う。
争い、裏切り、利己心といったような性悪こそが人間の本質で、それを増幅させる・証明する・体現する悪の化身として存在する、その純粋性に圧倒的なカリスマを感じる。
なにかバックグラウンドがあってそうなったという感じはなく、ジョーカーにとっては悪とカテゴライズされているものが本来であり、性悪の発現こそが喜びで、人間の証明といったように見受けられる。ぱっと魔界から召喚され悪意を増幅させ敗北していった悪魔のような感じ。
だから相手の船を爆破せず、自己犠牲を選んだときが人間の勝利でありジョーカーは悔しがったのだと思う。
ものすごいスーパパワーやフィジカル、頭脳があるわけではない。
しかし人間の悪意を熟知し操り増幅させる。
私達は人間の側面、己の一部に恐怖心や嫌悪感を抱くが、開放感もまた抱く。
これを演じきり映画に顕現させたヒース・レジャー。すごすぎる。
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