第9地区のレビュー・感想・評価
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【地球上で宇宙人も生活⁈見た目で判断することなかれ!と訓えてくれた映画】
・2009年公開のアメリカのSF映画。
・地球上で宇宙人が生活している状況(ただし、共存ではなくたまたまやってきて帰れなくった宇宙人が難民と化した状態であり、彼らは人間によって区切られた空間での生活を強いられている状況)のもと、人間による「宇宙人たちの住処を大移動させるプロジェクト」が開始。それを指揮する主人公ヴィカスが宇宙人の液体を浴びて感染したことで宇宙人化していく。それを実験体にしたい人間たちによってヴィカス自身も人間に追われる身となる。彼が逃げる中で星に帰りたい宇宙人と出会い、そのミッションを宇宙人と共に成し遂げようとする。という大枠ストーリー。
[お薦めのポイント]
・最初は気持ち悪いと思ってしまう宇宙人に対して最後には共感させてくれる創りがすごい
・主人公ヴィカスの事の顛末が切ない
・宇宙人モノでドンパチなしで面白く最後まで観れる
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[物語]
・想像するような人間VS宇宙人のドンパチ戦争なしに、最後までするっと面白く観れるのは、主人公をピンチに陥れては救う筋書きがきめ細やかに作られていたからかなぁ、と思いました。ピンチから救われるための物語の伏線の張り方もわかりやすくて素敵(例えば、武装集団とのかかわりなど)。
・クリストファーと呼ばれる宇宙人とその子供が、下手な人間よりも理性ある人物に描かれているため、見た目はエグイ宇宙人でも最後には「頑張れ、クリストファー!子供!」と応援したくなってしまいます。クリストファーがする約束も、人間目線だと「いやいや、あり得ない笑」と思ってしまいますが、彼の思考回路ならその判断をするだろう、と理解できるので、もはや見た目のエグイ宇宙人の存在はどこへやらで、ただただ人間同士のドラマを観ているだけの状態になっていることに気づかされます。
[演出]
・宇宙人を「エビ」と呼ばせて、昆虫やそれこそエビのような触角をもった体をさせる。そのエグサに最初は一歩引きます。とにかく気持ち悪い、と。ただ、それが狙いなのかもしれません。そのマイナス過ぎる印象の状態から、物語が終わるころには、彼ら宇宙人を「気持ち悪い」と思わなくなっているのです。これぞまさに「人は見た目ではない」という言葉そのものだなぁと思わされました。
[映像]
・宇宙人を日常生活に溶け込ますためにCGなどの技術を多用する必要があると思いますが、全然、違和感なく観ることができました。2009年時点でこの技術。改めてすごいなぁ、と。宇宙船の母船や船を操るためのデジタル仮想操作盤などもすごい出来。むしろ、こんなに技術が進んでいる宇宙人なのに、どこか汚らしい身形や生活感はいったいどこから来るのかが気になりましたが。笑
[音楽]
・際立って感じることはありませんでした。
[演技・配役]
・シャールト・コプリーさん演じる主人公ヴィカスが、最初のぴっちり横分けヘアスタイルの超真面目君な状態から、だんだんとワイルドに変わっていく様が見ごたえありますね。ちょっと嫌味な奴感を含んだキャラクターづくりも味があって良きです。
[全体]
・単に宇宙人モノアトラクション映画として、面白くするっと観れる素敵な映画です。しかし、そんな中で「人(宇宙人も含めて)は、見た目だけで判断することなかれだよ」と教えてもらった気がします。とある人を瞬発的な印象で『気持ち悪い』とか『嫌だ』(またはその逆)と決めつけてしまっても、実はその後、一緒に会話をして行動をして生活をして…関係を重ねるごとに、その人の「本質」が見えてくる。それが見えれば、最初の印象はどこへやら。気づけば自分が抱いたマイナスの感情(またはプラスの感情)は簡単にその逆になっているものだ、ということですね。これは日常生活においても非常にお勉強になるというか、良い気付きを与えてくれました。特に、ラストシーン。あれは、オチとしてだけではなく、「これ見て、今、あなたはどう感じますか?」と問われている気もしました。監督さんには全然そんな意図がないかもしれませんが笑 それでも、こうやって思考するキッカケを与えてもらえるような映画に巡り合えたことが良かったです。ありがとうございました。
#映画 #SF #宇宙人 #第9地区 #DISTRICT9 #2009年 #シャールト・コプリー #デヴィッド・ジェームズ #ジェイソン・コープ #ヴァネッサ・ハイウッド #ニール・ブロムカンプ監督 #アメリカ映画
#全体3.7 #物語3.7 #演出3.7 #演技3.7 #配役3.6 #映像3.8 #音楽3.5
溢れ出るB級感と意外なせつなさ
十年に一本の傑作。
人間の残酷さやエゴイズム
人間の残酷さやエゴイズムを強烈に感じました。
最初は主人公に対して好意的だった人達が、主人公がエイリアン化し始めたとたんに手の平を返すように態度が変わり、冷たく蔑むようになっただけではなく、人体実験に使おうとしたりと、もはや人間としては扱わなくなりました。
エイリアンは比喩ですが、弱い立場の者に対し、人間はこんなにも残酷になるのだなとショックを受けるくらい強い印象が残っています。
最後の方で、主人公が自分を優先するかエイリアンを助けるかという葛藤が描かれていましたが、そこもまた人間らしくもあり、知らず知らずのうちに主人公に感情移入しながら見ていました。
結構面白かった。佳作ですね
「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソンがプロデュースを担当したって聞いて、興味持って先週末に観に行った映画。
正直何の予備知識も無いまま言ったので、最初どんなジャンルの映画なのかもよくわからなかった。
けど、最初の10分間くらいでこの映画の環境設定を説明してくれるので、すぐに物語に入ることができた。上手い構成だなー。
理解してみると、なるほど要するにエイリアン物かとわかる。
しかし、普通のエイリアン映画と違うのは、エイリアンが結構弱くって(笑)、地球に来てから地球人に若干支配もされちゃって、ある地域に押し込まれて暮らしているということ。場所はアフリカ大陸。しかも20年も。
そのエリアがタイトルにもなっている「第9地区」。
映画観てるとき思ったけど、この設定、別にエイリアンだからってことじゃなく、同じ地球人でも同じことしてるよね。。仮に日本に難民とかが大挙して押し寄せたら、○○特区とか作って押し込めてしまうんじゃないか?とリアルに想像した。
で、そんな「第9地区」に住んでいるエイリアン達を、別の地区に移民させるため、国連的な組織が「交渉」という名の「強制退去」を行い、責任者がその交渉中に・・・という流れでストーリーが進む。あまりネタバレすると観る楽しみが無くなるので、ストーリーに関してはここまでで。。続きは劇場で(笑)
この映画で新しいのが、「エイリアンが地球に当たり前のように住んでる」って設定。ちょっと目から鱗。なるほど、そういう設定もあり得るよな。「インディペンデンス・ディ」のように、エイリアンだから地球より優れた文明(兵器)を持ってると限ったわけじゃないし、逆にエイリアンを従える可能性もあるわけだ。
あと、エイリアンの作りもリアル。さすがに「ロード・オブ・ザ・リング」でオークやゴブリンの特殊メイクをした監督だけある。もっとも、「プロデューサー」って立場で監督ではないので、どこまで製作に関わってるのかはわからないけど。。そういえば監督はニール・ブロンカンプという人。もちろん、名前は知りません(笑)おそらく、この作品が初監督。
それと、有名な俳優が出てなかったのも良かった。これで顔知ってる人が出演してたら、作品のリアリティが薄れる。その意図もあって、あえて有名な俳優は使わなかったんだろうなぁ。
最後は少しだけ感動もある。
グロイシーンもあるので、R12指定の映画なんだけど、誰でも楽しめるんじゃないかな?
少しでも興味持ってもらったようであれば、観て損はないと思いますよ。
エイリアンと人類の共同生活
宇宙船の故障で南アフリカに現れた宇宙人は難民として共同居住区「第9地区」に住み始める。地域住民への被害から、宇宙人たちは強制的に退去させられ、隔離区域である第10地区に移住させられることになるが…
まず、宇宙人と共存するという設定の映画を見た記憶がなかったから新鮮で面白かった。
最初の方はドキュメンタリー風に描いたことで、実際にありそうと思わせられた。
主人公が終始自分勝手な印象を持つが、あんな見た目の宇宙人になっちゃうと考えたら、ああなるよ、可愛そうやなと思った。
舞台が昔、南アフリカであることも興味深かった。また同じように隔離政策が取られようとするが、南アフリカの過去の隔離政策を批判する意味があるのかなと思った。
宇宙人の隔離政策に反対する人たちが映されたシーンが印象的でなんで隔離したらダメなん?とか思ったけど、かつてのアパルトヘイト政策における、黒人への差別的思考と似た部分があるかもしれないと思いハッとした。
歴史は繰り返すとしたら、強制移住後、隔離された中で育ったエイリアンの中に、激しい怒りが蓄積され、抗議、暴動が起きてそれを武力で一方的に鎮圧し、抗議の声が世界的に広がり、自由が与えられるみたいな展開になるかもとか思った。
エイリアンと現代社会の対比と融合
エイリアンというB級要素と自己の探究心や評判の為に、自分勝手行動する人間という社会派要素が見事なまでに融合し、B級ではなく一級品の社会派ドラマという一風変わった設定。
しかもドキュメンタリー調に展開していき、世界観を100%観客に伝わるようになっている。
ドキュメンタリー調だと登場人物に感情移入出来なかったり、単調な作風になるなど、ドラマチックさが欠けるという短所があるが、さすがピーター・ジャクソン。後半からは、主人公の視点で通常の映画のように展開していき、主人公に感情移入させられるだけで無く、エイリアンにも感情移入してしまう。
アクションシーンはやはりB級映画っぽさがでてしまうものの、ラストは少し感動してしまう。
エイリアンという「非現実」と人間という「現実」をWETAデジタルの映像美と捻りの効いた手法で見事なる起承転結をする傑作!
評価分かれるのが不思議ですね。
モキュメンタリー
変身系SFシナリオの傑作
終始飽きがこない、集中力が途切れそうになる瞬間というものがない、それ程のめり込んで鑑賞できた。割と無理に集中力を出して鑑賞せねばならないような作品も(のほうが)多いゆえ、噂に違わぬ秀逸な映画だと感じた。
■世界観の説明がうまい
世界観の説明とは一番厄介な作業。特に日常生活を描いた作品ではなく、SFやファンタジーなど設定が作者による創作に依るところが多いと尚更だ。くどくどとナレーションじみて長くなると鑑賞者はうんざりし、かといって伝えきれないと作品に没頭できない。
しかしニュース調やドキュメント調で語っていくという手法を取り入れることで新鮮さやリアル感をうまく出し、少々荒っぽさややっつけ感はあるとはいえ、ディスクリプションの必要最低限を簡潔にまとめており、うまいなと思った。
■鑑賞者はヴィカスの敵か味方か?
主人公のヴィカスが異星人に変身していく過程で、もはや人間界には受け入れられず、かといって異星人にはなりたくない(当たり前だが)、だからと行ってエイリアン達も味方というわけでもない。様々な感情が入り混じってヴィカスに感情移入する。鑑賞した方は彼にどのよう印象を持っただろうか?人間ならざる何者かに変貌していくことへの恐ろしさ、可愛そうと思う心、助かってほしいという想い、あるいはどんなおぞましい変異を遂げるのか?という好奇心や怖いもの見たさもあるだろう。恐怖、同情、憐憫、あるいは怒り?
怒りとは、度々印象付けられる人間の身勝手さ、異種族を蔑視、迫害することの嫌悪感。
変貌を遂げていくヴィカスの思考はあくまで自分本位(ある意味人間らしい部分)であってエイリアンは下等生物か何かだとでも言うような差別する心を持ち続けてそこはなかなか変貌を遂げず、幾度もエイリアンに歩み寄っているように見せて土壇場になると裏切るヴィカスに助かってほしいのか、むしろくたばってほしいのか、よくわからなくなる。本来は勧善懲悪がはっきりしている物語がセオリーと言える中、善と悪の間を行ったり来たりする。とても興味深い展開。
だから最後の最後のヴィカスの利他的な行動は強烈に印象付けられた。おそらく最初からヴィカスが完全にいい奴として描かれていたならばここまで感情移入はできまい。利己的なキャラとして引っ張っておいてからの最後の最後で利他的な行動をさせることでギャップ最強の法則の基に一気に鑑賞者の心を掴む。
そして更にトドメの一撃がラストシーン。完全に変異してしまったその姿と一輪の花というコントラスト、なんと切ないことか…。
■定番系シナリオではある
人外の何かに変貌する系シナリオというのはもはや定番のひとつかもしれないが、かつての人としての温かみが失せて言葉すらまともに扱えなくなってしまうような展開というのは、いつの時代も切なく、心揺さぶられるものだ。
ちなみににこの手の物語で私の印象に残っているストーリーといえば『アキラ』の鉄雄、『火の鳥 宇宙編』のナナ、あと『バイオハザード CODE:Veronica』のスティーブとか…。
■エイリアンのデザインについて
ややグロテスクだがコミック調過ぎず、いい感じにリアルなのがまたいい。あれ以上ポップになると子供向け映画になるし、あれ以上グロくしてしまうとホラーになってしまう。絶妙な塩梅でキモいと感じた。
■厨二病ウェポンの是非
武器やパワーアーマーのデザインが厨二病っぽく、違和感を覚える人もいるかもしれない。リアルな異星人と人間との共存が主軸でありながらそこだけサイバーパンクしてんなーみたいな。とはいえ、一発で人体を粉微塵にする弾丸だとかギャングが総射撃した弾を空中で止めつつ集約させて一気に弾き飛ばす(とっさに『寄生獣』が思い浮かんだ>後藤が軍隊の弾丸を体内でかき集めて放出するシーン)など、攻撃パターンのアイデアは面白かった。また血がカメラのレンズにまで飛沫がつく演出、あれいいよね。
SFアクション×差別×ザ・フライ...要素てんこ盛りで面白い
アカデミー賞にノミネートされた今作。
なんかいろいろな要素てんこ盛りで、どの要素もきちんと面白いからしっかりしてる。
シナリオの粗さは結構目立って、「え、なんで人類をはるかに凌駕する技術力を持っているはずのエビたちが、あんなスラムで過ごしたままなの?」「賢いエビたちだけは死んだっていうけど、あまりにも知能差ありすぎじゃない?」「第9地区のクリストファーのアジトを突き止めたMNU、動き遅すぎじゃない? なんで車も金もないヴィガスたちがさきに襲撃できてんの...?」
みたいな。そういう、ツッコミどころは結構ある。
ただ、一つ一つのシーンが面白くて。常に先が気になる表現を続けているのも魅力的。
主人公が全然主人公っぽくなくて、くそやろーっぷりを最初から見せつけられるんだけど、次第にこう、かっこいい部分を見せていくところにも燃える。
そして、差別の描き方がうまい。エイリアンを相手にするからこそ、人間の差別的心理が、よりリアルに描かれるんだよね。
もし、この映画を黒人とか、人間を相手にして作るとしたら、たぶん放映できない。
なんか、偽善っぽくなるし、ポリコレ的問題が多発する。
でも、ドキュメント風にで、エビたちの愚弄さを描く。視聴者たちも自然と差別する側の意識に回る。それが、映画が進むにつれて、その見方が一一方向的なものでしかない、ということも分かってきて...。人間が差別を行う心理を、すっと描くのが面白い。
そして、最後のアクションの連続。ガジェット好きにはたまらないアクション描写。そしてラストシーン。
おいおい、妻、あそこまで加担しておいて、最後は悲劇のヒロインかい、っていう描写でまた、ツッコミたくはなるけれど。
それを補ってあまりある、たくさんのジャンル的要素と、面白いシーンがたくさんあるので、見る価値ある
エビ星人
この映画、sfファンや映画ファンからすこぶる評判がよい。
何度もレンタルしては5本目の最後に見ようとしては毎回返却期限が切れてしまう俺的にいわくつきの映画。
ついに鑑賞のときがきた!
出だしから宇宙人がでてくるでてくる。
俺の想像では、すごいテクノロジーを持った宇宙人が徐々にでてくるイメージだったので開始数分、えーエビやん!とびっくり。
醜悪な容姿、表現、さらに人間がそれをさも人間以下のように扱う
こんな映画だったのかと掴みはバッチリ。
途中からエビ星人のほうに感情移入バッチリ。
人間なんて死ねー!なんて完全エビサイド
主人公よくやった!エンディングも少々の切なさを残しつつバッチリ。
差別が根底にあるらしいが、細かいことは抜きにして一つの物語としては良かった。
一つ気になったのは思いのほかスケールが弱い。
主人公がかき回しただけな感があり、それがなければスムーズにエビは宇宙船に乗れたんだろうなーなんて身も蓋もないか
1番気になったのはあの液体って結局なんだったんだ〜
なんの説明もない笑
色々なメッセージがあるんでしょうが・・・
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