第9地区のレビュー・感想・評価
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エイリアンを通して描かれる差別と暴力。
予告を見てから鑑賞。
なんとなく、昔見た V の印象が強かったが、全然違う話だった。
見た目に反して (優れた武器を持っていても) 相手を攻撃することなく、
異なる星の生物であることをわきまえ、なるべく、平和に接しようとする姿勢。
どんな粗末な扱いを受けても、バランスを重んじて、生きていく生物。
その一方で、見た目に反して、自分達だけが優れた生物だと思い込み、
非武装な相手に武器を向け、暴言を吐き、感情のまま、相手を殺す。
抵抗しない相手を「下」と考え「モノ」として扱い、実験材料とすることもある。
徹頭徹尾、上から目線の生物。
物語の中では、終始、この違いについて、感じさせる描写がある。
本当の意味で「汚い」のは、どちらのだろう。と考えてしまう。
「心理的な優位性」がもたらす「差別」が存在することを改めて感じざるを得ない。
主人公が自分のために助けてくれた相手を裏切るところがあり、
「人」の強欲さというか、追い込まれたときの人は試される。ということも感じさせる。
ラストのあのワンカット。あえて、何も触れられなかったが、
彼は己の運命を受け入れ、できることを精一杯やっているのだと思いたい。
そして、明日から何か1つでも良いので、善いことをしよう。
少しでも、良い生物でいられるよう行動しよう。と思ってしまう。
中途半端に終わる
まあ、よかった、
どういう立場で観ればいいのかな?
圧倒的な大きさに驚かされます。
内容は突如、南アフリカ🇿🇦の都市ヨハネスブルク上空に巨大なUFOが飛来した所から物語が始まる。降下してきた異星人👽と先住民族との軋轢の物語。最近連載が終了した。デデデデッドデストラクション浅野いにお著作漫画が好きで酷くインスパイアされた映画を閲覧。好きな言葉は、『我が惑星は…』自分達の星が何らかの理由で住めなくなって、仕方なく地球に移住する姿は切なくなりました。南アフリカの人種隔離制作は当然の事ながら、映像的なインパクトは素晴らしい。巨大浮遊物物は『メッセージ』『未知との遭遇』など色々ありますが驚きました。やはり画面からはみ出して見えて来る様な映像表現は、映画の良さを伝えてくれます。出落ち感は否めない内容の浅いものですが、只デッカい物が好きなのかもしれません。同じ監督で『チャッピー』2015年も観たことありますが『第九地区』の方がテーマ性がハッキリされていて楽しかったです。最後のゴミ置き場で鉄の花を作るシーンは、続くでもなく終わるでもなく溶け込んで始末する姿は面白かった。同じ監督作品でテイストは似ていますがクリエイティブに生きる事は残酷だなぁと思いながら作品を鑑賞しました。
タイトルなし(ネタバレ)
面白過ぎる。
サイエンスフィクションとして考えない事にする。所詮、ありえない話だから。
アパルトヘイトがあった南アフリカのヨハネスブルグが舞台って事がみそかなぁ。
ゲットー(アパルトヘイト)は存在し続け、主人公や地球の未来がどうなるのか。何と絶望的。
CGが使われ過ぎているが、傑作な物語だと感じた。
タイトルなし(ネタバレ)
まず序盤の勢いから苦手な雰囲気で不安を感じたが、それが当たってしまった。終盤までどうしてもやっつけ感が拭えない。登場人物も好きになれない人が多く、救いはエビのクリストファーだけ。続編ありきだとしても見るのがキツい。
セリフもかなり一辺倒で面白味はなく、人情味ある人もいない。主人公?のヴィカスもある意味人間らしいが、生々しくて映画としては共感しづらい。
差別行為への皮肉と考えれば、深く思うこともあるが、個人的にはそれ以上に設定やストーリーの甘さが気になってしまった。
ただ好きな人や刺さる人は多くいるだろうなと思う作品。
差別、共存など社会情勢を題材にしたSF映画の傑作。完成度がすばらしい。
(ネタバレなし、原作未読レビューです)
まず、動画の完成度に驚きました。本当に12年前の映画なのかと疑ってしまうほどのCGのクオリティと、アクションのリアルさです。映画自体のテンポもよく、見入ってしまいました。
この手の映画のほとんどは宇宙人が侵略するというのがほとんどですが、この映画は難民として扱われ隔離されるという、斬新なパターンの映画で新鮮でした。そして隔離されているのは南アフリカのヨハネスブルクという皮肉さです。また、エイリアンのことをエビと呼んだりと現代の差別情勢をうまく映画に組み込んでおり社会風刺画のような映画でした。
なかなかグロくてR12の理由がわかりました。正直中学生にもあまりおすすめするような映画でもないと思います。ですが、社会の現状やエンディングの今後どうなるかという考察が楽しめることを踏まえると高校生くらいにはおすすめできると思います。ですが本当にグロすぎるというかリアルすぎます。なんせエイリアンがエビに似すぎて一時エビを食べれない気がします。
ドキュメンタリー仕立てのSFが新鮮。中盤からの怒涛の展開に心が締め付けられ、深く考えさせられる。
ホラー映画かと見紛う程のグロさに、気持ちが悪くなる。だが、この気分の悪さは視覚からだけではなく、想像力や精神的な部分から来るものだと気付く。
冒頭から緩めのドキュメンタリーチックな展開にB級感が満載なのだが、本当に観せたいのはSFでもアクションでもなく、南アフリカを舞台にした差別へのメッセージ。
『第9地区』というスラム化した場所で''人間''と''エイリアン''が共存しているという構図だが、秀逸なのは最初にエイリアンを地球で保護した事で、上下関係を明確にストレートに鑑賞者に理解させた事。人種差別に''異人種''差別を加え、管理する側と管理される側の''人権''とは何か。
「相手の立場に立って」と簡単には言えない、お互いに置かれている環境の違い。その環境が変わって初めて分かる、虐げられる理不尽さ。主人公:ヴィカスとエイリアン:クリストファー。この関係性、外見以外の「"人"という括りとは何か」という問いかけが、とにかく心に突き刺さる。
見た目、外見ではない「心」の綺麗さ。苛立ってしまう程に横暴な人間ヴィカスの、時間と共に目に見える変化をドキュメンタリーとして。そして、衝撃的で感動的なラストを是非。果たして約束は守られるのか、続編も楽しみ。
エイリアンも人間も
實選 プロット型系 管理しようとするお役所仕事の政府 武器と暴力で支配するギャングは金の亡者 そして全てを手に入れようとする「上層部」 子ども、仲間、妻への思い
ヨハネスブルク(南アフリカ最大都市)
【エイリアンを追い出す側から、追い出される側になった男・・。今作の舞台が南アフリカだけに、差別、共存を考えさせられる社会派SF映画。】
ー 序盤は、突如、南アフリカ、ヨハネスブルグ上空に飛来した巨大宇宙船の内部に居た、衰弱した海老に似たエイリアンたちの姿と、彼らを”第9地区”と呼ばれる一時退避させる場所へ連行する様をドキュメンタリー風に描いている。
異色の描き方である。-
◆感想<Caution !内容に触れています。>
・当初はMNU(多国籍エイリアン対策組織)のヴィクスが、MNUの父親の七光りの元、エイリアン達をスラム街同様の”第9地区”から、ヨハネスブルグから100キロ離れた、新キャンプで構成された“第10地区”へ移す責任者に指名され、燥ぐ姿が描かれる。
- エイリアン達への差別行為をする人々の姿。-
・だが、ヴィクスが、エイリアンの中でも知性あるクリストファーの家に入った際に、筒状の容器に入った黒い液体を浴びてしまう所から、物語は”ザ・フライ”を想起させる展開になっていく。
- ヴィクスの右腕は、エイリアンの様に変形し、爪は剥がれ・・。彼は、MNUから生体実験用として、追われる立場に・・。
シニカルな展開であるなあ・・。-
・クリストファーは20年以上かけて、自宅の地下に宇宙船を作っており、それに乗り母船に戻る計画を立てていた。更には、ヒト型ロボットも・・。
- ヴィクスが、ヒト型ロボットと”合体”して、クリストファーを逃がそうと闘う姿は、日本のアニメや特撮モノの影響を受けているのであろう。ー
・半ば、エイリアンと化した、ヴィクスはクリストファーが動かす母船を、希望を持って見ている。そして、皆の前から姿を消す・・。妻へのガラクタで作った花を残して・・。
<3年後に、クリストファーは残された仲間や、ヴィクスを助けに戻って来るのであろうか・・。
物語構成や、テーマ性が面白き社会派SF映画である。
ニール・プロムカンプ監督は、長編第一作の今作の大成功を受け、その後「エリジウム」「チャッピー」を制作したが(いづれも、オモシロイ。)、その後、随分新作を発表していない。
新作を早く観たいモノである。>
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