ワルキューレのレビュー・感想・評価
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【”彼”以外のドイツ人もいた・・” 国の行く末を憂い、行動を起こしたクラウス・フォン・シュタウフェンベルク大佐及び他の勇士達の姿を描いた作品。】
ー 冒頭は、ドイツ軍将校たちが英語を話している事に違和感を覚えるが、脳内から違和感を払拭して鑑賞。
そして、この映画で、ブライアン・シンガー監督や、製作総指揮のトム・クルーズが伝えたかったことが、途中から十分に伝わって来たから・・。ー
■印象的な事
・実話を基にした今作(改編部分はかなりあります。)、クラウス・フォン・シュタウフェンベルク大佐を演じたトム・クルーズ始め、オルブリフト将軍を演じたビル・ナイ、トレスコワ将軍を演じたケネス・ブラナー達の、「ワルキューレ作戦」を決死の思いで、完遂しようとする姿。
全員が、団結しているわけではなく、判断を躊躇うオルブリフト将軍の姿が、リアル感を増している。
・1944年7月10日 作戦決行前に妻や子を車で逃がすシュタウフェンベルク大佐の姿。一度は車が発車するが、直ぐに止まり、妻ニーナが駆け戻り、大佐にキスをする姿。
- もう、会えないかもしれない・・。-
・一度の失敗を経て、”狼の巣”で、仕掛けた爆弾は爆発するが・・。
◆ヒトラー暗殺計画は40数件あったそうだが、この計画が最後になった。この計画実行後9カ月後に、ヒトラーは自害した。
もっと、早くどれかの計画が成功していたら、世界はどのようになっていたのであろうか?
エンドロールで流れた、”クラウス・フォン・シュタウフェンベルク大佐の妻は2006年まで生存していた事、処刑された憂国の士が、大戦後名誉回復のための碑が建立された事が、救いである。
<ナチスドイツの中枢部にも、”憂国の勇士は多数存在した”と言う事実を、後世に伝えた作品。緊迫感溢れる映像、役者の演技も見応えがあり、意義ある作品であると思う。
尚、製作国には、ドイツも加わっている。>
戦争映画として、リアルかつ高品質、芸術的ですらある‼️
悲しい結末すぎ
いま日本でこれを観る意味
2008年ブライアンシンガー監督作。
米国映画あるあるで、ナチスドイツ内部を描くのに全編英語で米国俳優が主演。(昔からそういうものなので気にしてはいけない)
実際にあったヒトラー暗殺計画を元にしており演出も上手くドキドキはした。だが、ヨーロッパ映画ならもっと深く念入りに描いたと思ってしまう物足りなさは感じたかな。史実として失敗に終わったこともわかっているし…。
隻眼のトムの軍服姿は決まっていたがそこを楽しむ映画ではなく。しかしこのテーマでトムクルーズ主演で作ろうと考え実行した志の高さは買います。
実話に基づく作品であることがすべて。派手に脚色しすぎると事実から乖...
もっと壮大かと思ってた
計画の裏にどんな思いがあったのか伝わってこない
総合60点 ( ストーリー:50点|キャスト:70点|演出:75点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
現代に生きる視聴者は、計画が失敗だったことは当然知っている。それならば、どのような人物たちがどのような思いで命懸けの計画を立てたのか、ここを深く描くべきだったのではないか。彼は何故軍人としての誓いを破り反乱を企てたのか、国家のためという信念はどこから生まれたのか。冒頭からそのようなものを飛ばして、いきなり暗殺と反乱を起こすことを決め込んでいる主人公の心の掘り下げがない。彼がどのような人物だったのかがこれではわからない。主人公以外にもどのような人物たちがこの計画の周りにいてどのような立場だったのかも把握しづらい。
あるいはこの計画はどのように準備をされたのかを知らせてくれれば面白いのだろうが、全体の計画もいきなり始まっている。計画の全体像がどのようなもので、どのような組織や人物がどのように繋がりどのように計画が進むはずだったのか、分り辛いままに計画が終わってしまった。
緊迫感のある演出は質が高かったが、それに人物たちの思いが乗っかっていない印象。国を裏切ってでも計画に関わった人物たちを掘り下げた作品にするか、あるいはどのような計画をつくってどう失敗するのかを追った作品にするのか。どちらでも良いのだが、どちらにもなっていない。
トム・クルーズでは派手すぎないか?
バカの一つ覚え作戦
ヒトラーが最終的にどうなるのかを知っている私としては“ワルキューレ作戦”が実際どのようにして遂行されたのか以外、あまり興味はありませんでした。そして、作戦の全貌が明らかになったとき、私は思わずガクッと来てしまい、劇場の床にパタッと倒れそうになりました。これは“ワルキューレ作戦”という名のバカの一つ覚えとしか言いようがありません。
ある事件により片目を負傷し“ドイツ軍のジャック スパロウ”となってしまったシュタフェンベルグ大佐。ヒトラーの独裁政権に反対だった彼は自分の家族やドイツ国民を守る為に周囲のオッちゃんたちを集め“ワルキューレ作戦”というヒトラー暗殺計画を企て、そこから、彼と周囲の人間たちとの静かなる心理戦が開始されたのです。
注目はトム クルーズの気合の入った演技と作品が持つ独特の雰囲気と音楽の融合です。特に雰囲気と音楽はこの手のサスペンス映画にマッチしていて、さすがに「ユージュアル サスペクツ」を手掛けた監督だけに緊張感が途切れる事はありませんでした。トムクルさんもドイツ語訛りを捨てたものの熱演を発揮し、この作品に対する彼の熱意のようなものを感じました。
しかし、残念な事にいいところはそれ位で弱点が多かったのも事実です。まず、この作品にはトムクルさんの他にトム ウィルキンソン、テレンス スタンプ、ビル ナイといった超ベテラン陣が揃っていたにも関わらず、あまり行かされていなかったように感じました。作戦自体ももっと用意周到なものなのかと思いきや、蓋を開けてみたらあまり、大したことはありませんでした。そもそも、ヒトラーを殺害するにせよ、ダメ亭主を殺害するにせよ、第1の犯行が失敗に終わったら、普通は何か別の作戦を立てるとか反省会を開いてどこが上手く行かなかったのかを見直すとか、そういったことをするはずなんですが、この場合は一度失敗してもまた、同じ計画のまま実行に移ってしまったので、失敗するのは当然です。そういったところから、私はこれを“バカの一つ覚え作戦”と名付けたわけです。
最終結論としてはレンタルするかこれに関連する本を読むとかで十分だと思います。トムクルファン、ブライアン シンガーファン、奥さんと子供が「プリキュア~」を観ている合間の暇つぶし以外、わざわざ劇場で観る必要はないと思います。
吹き替えがわかりやすくて良いかも
負け戦の法則
組織の中にあって、その中心人物を抹殺することがいかに難しいことか、だからこそ生まれる緊迫感がある。改ざんした命令書にヒトラーのサインをさせるシーンはなかなかに緊張する。
だが、全体としては史実を重視するあまり、映画の面白みに欠けてしまっている。もっと違った視点で描写できたはずだし、架空の人物を配置してもよかったろう。
トム・クルーズって役者は、トムであることを押さえ込むよりも、トムトムしていたほうがいい。茶目っ気のあるキラキラした瞳でミッションをこなす方がイキイキとしている。もっとも、そうしたトム像から脱皮したかったのだろうが、そうであれば尚のこと、トムが身動きできないほどに設定を緊迫したものにする必要があった。悪くはないが、どうも消化不良である。
この映画を観ていて、週刊文春に連載の「一刀斎夢録」(浅田次郎作)が頭をよぎった。主人公の斎藤一の言葉である。
「勝ち戦には意外がない。思うた通り、策の通り、命令通りにことが運んでいく。しかし負け戦というのは、周囲に思いがけぬことが次々と起こるものだ。」
真珠湾攻撃では想定した米軍主力艦隊が停泊していなかった。斎藤一の言を借りれば、日本は端から負け戦だったのだ。
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