ツリー・オブ・ライフのレビュー・感想・評価
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難解な芸術作品。ジェシカ・チャステインは魅力的
1950年代が舞台。家族の日常がメインで、序盤の次男の不幸シーンのおかげで、ある程度緊張感を持ったまま観ることができるのだが、次男に何があったのかは具体的なシーンがないため想像するしかない。そこまで抽象的で曖昧にしてしまうとは、ある意味芸術作品である。
母に扮するジェシカ・チャステインの魅力は引き出されていた。
ジャック(ショーン・ペン)の回想シーンから、徐々に想像の世界に繋がっていくのは面白い展開は感動的だが、泣きたくても引っかかることがあって素直に泣けなくてフラストレーション。
リアルなドキュメンタリー風なのに、いきなり母が空を飛んだり、白雪姫が死んだシーンのようにカプセルに入っていたりして驚く。聖書(ヨブ記)の引用と、宇宙に浮かぶボールアースや恐竜の映像も印象的だが、もちろんそれらは加工した作りモノの映像である。我々は、歴史も含めて作りモノだらけの世界にいるということを意味しているのかもしれない。
ブラッド・ピット絡みの作品なので
難解とはいわない、意味不明なだけ
ソング・トゥ・ソングにむけて
映画を楽しみたいときには見ないでください
自身を重ねての心の旅
劇場公開時以来10年ぶりに鑑賞。
初見時は、台詞が少なく抽象的な表現が多いのも相まって「難解な映画」止まりの印象だった。それ以上追求する事もないまま、10年の歳月が過ぎた。
でも今回改めて見るとどうだろう。
ブラピが演じる憎むべき父親。
ショーン・ペン演じる父親を憎む長男。
どちらにも感情移入できる自分がいた。
劇場公開時から10年。
自分にも家族ができ、子供にも恵まれた。
今の自分だからこそ、ブラピとショーン・ペン双方の姿に自分たち家族の過去と未来を見た気がしたのだ。
これはとても不思議な感覚だった。
良い悪いではなく不思議としか言いようがない。
でも確かに言える事は、今このタイミングで本作を見たからこそ得られた感情だという事だ。
今から更に10年後に見たら、その時に得られる感情はまた異なった物になっているだろう。
人生の岐路を越えるたびに未来は変わっていく、木々の枝葉が分かれるように。
この映画は今後の人生の中でふとした時に見ては、自分の人生を振り返るきっかけになるのかもしれない。本作を反面教師にして軌道修正する事もあるかもしれない。
次に鑑賞した時にどんな感情が生まれるのか。それまでにどんな人生を送っているのか。
次の10年が今から楽しみだ。
願わくば、本作の親子のように憎しみ合う事のないようにしたいものだ。赦したくても赦せないジレンマを抱えての別離はあまりに辛い。それが肉親であれば尚の事そうなのだから。
父さん、あの頃の僕は あなたが嫌いだった…
テレンスマリック監督が好きな方にはお勧めの映画
人は、悲しみを乗り越える
父親から理不尽な仕打ちを受けた長男が、父親を赦す物語です。
息子を強い男に育てたい父親。でも、その父親の弱さ、身勝手さは息子からも透けて見える。母親は、わずかに抗いながらも、守ってくれない。
やがて、弟の死。
おそらく、これらの映像すべては、父親の年齢をはるかに過ぎた長男ジャックの回想のようにも思われます。それだけではなく、最初から最後まですべての映像は、ジャックの心象なのでしょう。
なぜ、父親を赦す事ができたのか。
何の事件も、きっかけもないのです。当時の父親の年齢をとうに越え、それでも過去が心の中にくり返しよみがえり、両親へのいとおしさとない交ぜになった、悲しみや憎しみが心を支配し続ける。でも人は、あらゆる苦しみから、何とか逃れようとするものです。
それが、彼の中では、宇宙の歴史の中で自分をとらえ直してみる、という方法だったのです。壮大な歴史の流れの中の、小さな小さな存在としての自分。やがては消えゆく、はかなき存在としての自分。父親も、母親もまた、同様な存在。
そんな風に世界を解釈した時、父親から否定され続けた自分を、ようやく受け入れる事ができたのでしょう。弱きもの、はかなきものとして理解した時、心から自分を愛する事ができた。同時に、父親、母親を愛すことができた。すべての存在、すべての歴史を受け入れることができた。だから、映画のはじまりが、母親のあの独白から始まるのです。そして、映画のおわりは息子が出会ったすべての人たちが、平穏な、安息な姿で回想されるのです。
テレンス・マリック監督は、大学や大学院で哲学を学んだ人だそうです。そして、実際に2人の弟がいて、一人は音楽の道に進んでいながら自殺で命をたっている。
まさしく、監督、彼自身のための映画なのです。
きっと、監督と同じ傷を心のどこかにもった人には、この映画の評価は5でしょう。そうでない人には1もないくらい。わたしの場合は、3くらいかな。変な映像、とばしたし。
高校生のときにみてポカーン
父親、母親が子供に与える影響
父親が「私のようになるな!」と思って子供をしつける行動が、子供の心を抑圧しその抑圧が子供の怒り、憎しみの感情になって蓄積されていく。
そして、破壊的、暴力的な行動になって表現されて行く。
自分の子供の頃の体験の仕組みに重なるところがあったなと感じ、それを客観的に観れ、気づきが深まりました。
失業を機に父親は自分を見つめ、子供に謝り、心を入れ替えることを決意しました。
良かった…と私も救われた思いがしました。子供は救われましたね。
過去の家族が心のわだかまりも溶けたように、又会えた喜びに共に歩く姿は心に残りました。
最初のほう環境映画!?的な映像が続いて多少げんなりしました。 観るの辞めようか…と思いましたが、肝心の内容に戻ってほっとしました。
人はその先祖や、地球、宇宙と繋がっているということは理解出来ます。
悪いけど、ここ数年で見た映画で一番最悪。星のつけようもない。 半分...
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