劇場公開日 2011年8月12日

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「難解な芸術作品。ジェシカ・チャステインは魅力的」ツリー・オブ・ライフ どん・Giovanniさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0難解な芸術作品。ジェシカ・チャステインは魅力的

2025年3月6日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

難しい

幸せ

 1950年代が舞台。家族の日常がメインで、序盤の次男の不幸シーンのおかげで、ある程度緊張感を持ったまま観ることができるのだが、次男に何があったのかは具体的なシーンがないため想像するしかない。そこまで抽象的で曖昧にしてしまうとは、ある意味芸術作品である。

 母に扮するジェシカ・チャステインの魅力は引き出されていた。
 ジャック(ショーン・ペン)の回想シーンから、徐々に想像の世界に繋がっていくのは面白い展開は感動的だが、泣きたくても引っかかることがあって素直に泣けなくてフラストレーション。

 リアルなドキュメンタリー風なのに、いきなり母が空を飛んだり、白雪姫が死んだシーンのようにカプセルに入っていたりして驚く。聖書(ヨブ記)の引用と、宇宙に浮かぶボールアースや恐竜の映像も印象的だが、もちろんそれらは加工した作りモノの映像である。我々は、歴史も含めて作りモノだらけの世界にいるということを意味しているのかもしれない。

どん・Giovanni