劇場公開日 2008年8月30日

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ハンコック : インタビュー

2008年8月26日更新

ダークナイト」や「アイアンマン」といったコミックヒーローとともに、この夏の全米市場を牽引したウィル・スミス主演作「ハンコック」。近年のハリウッドには珍しい、まったくのオリジナルのスーパーヒーローアクションの本作は、全米興収2億ドルを超える大ヒット。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いのウィル・スミスが日本公開直前に本作を引っさげ来日し、インタビューに応じてくれた。(取材・文:編集部)

ウィル・スミス インタビュー
「出演作を選ぶ基準は、その映画を表す一行の説明が面白いかどうかだ」

ダメなヒーローから愛されるヒーローへと成長する姿を描く
ダメなヒーローから愛されるヒーローへと成長する姿を描く

今回スミスが演じたのは、高速で空を飛び、車も楽々投げ飛ばし、銃弾をもはじき返す鋼鉄の肉体を持つ不死身の超人ジョン・ハンコック。しかし、彼は酒癖が悪く、言葉遣いも汚いという旧来のヒーロー像とはかけ離れた存在。ハンコックは過去の記憶がなく、なぜ自分だけがそのようなパワーを持っているか知らないのだ。

SF、アクション、コメディ、ドラマ… なんでもござれの大スター
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「ジョン・ハンコックは興味深い男だよ。心に深い傷を負っているようだけど、その原因は覚えていない。そのことがちょっとしたジレンマになっているんだ。記憶はないけど腹は立っている。そんな状況なんだよ」

悪人退治や人助けもするが、心の底では解決不能なイライラが募っていて、それが横柄な態度に表れる。ゆえに人々から嫌われてしまう。

「自分は称賛されるべきなのに、誰も拍手してくれない。拍手したくないのならいいさ。どうでもいい。自分のやりたいようにやるまでだ。人を助けたければ助けるし、その気にならなかったら助けない。そんなわけで、彼は社会から孤立しているんだ」

そんなハンコックを演じることは、「最初の数週間は難しかった」とスミス。「自分と全然違うし、彼がなんであんな態度をとるのか最初はわからなかったからね。でも、人に悪さしたり汚い言葉を使ったりするのが、だんだん楽しくなってきたりもした。とても罪深い楽しみだけどね(笑)」

役作りで意識したことは、「普通の人であること」だそう。「彼は“普通の人だけど、たまたまスーパーパワーを持っていた”というふうに考え、スーパーヒーローという部分は無視して、あくまで“普通の人”という部分にフォーカスして役作りした。実はモデルになっている友達がいるんだけどね。スーパーヒーローが自分のパワーを理解し、加減するのではなくて、普通の人が普通に自分の力を使うように、ハンコックも自分の力を振るうんだ」

写真撮影にもお茶目に応じるスミス
写真撮影にもお茶目に応じるスミス

アクションヒーローといえば、子供たちにとっては普通は憧れの的だが、スミスが妻のジェイダ・ピンケット・スミスとの間に儲けた2人の子供(1人は「幸せのちから」で共演した息子ジェイデン・スミス、もう1人は「アイ・アム・レジェンド」で共演した娘ウィロウ・スミス)は、ハンコックをどう見た?

「とてもおかしかったみたいだね。お父さんが子供に悪いことをしたり、汚い言葉を使ったりするのが。僕は子供に優しく、一緒に遊んでいる父親だから。とは言っても、ハンコックの言葉遣いを真似たりすることは、もちろん我が家では禁止してるよ(笑)」

また、スミスは本作をもって主演作が8作連続で全米興収が1億ドルを突破という、前人未到の記録を打ち立てた。いまや“名前で確実に客を呼べる”稀有なスターとなったが、出演作を決定する基準は?

「その映画を一言で表したときに、人々がその映画を見たいと思うかというところだね。『ハンコック』だったら“アル中のスーパーヒーロー”。これだけで見たいと思うだろ? 『アイ・アム・レジェンド』だったら“地球最後の男”。これも見たいよね。映画の土台になっている一言、一行が人にその作品を見せたくなるかどうかが重要なんだ。次作の『セブン・パウンズ』(ガブリエル・ムッチーノ監督)はクリスマスに全米公開(日本公開は来春予定)されるけど、これまでとはまた全く違う、誰も予想できない内容になるよ。そういうのもいいんだ。“こいつ次は何をやるんだろう?”って思われることをやっていきたいね」

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