「ラスベガスでのカウンティングは、違法です。」ラスベガスをぶっつぶせ 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
ラスベガスでのカウンティングは、違法です。
卓越した数学力を持つMITの学生ベン(ジム・スタージェス)。彼は、一つ問題を抱えていた。進学先の学費を捻出しなければならないのだ。そこへ、ベンの卓越した数学力に目を付けたミッキー・ローザ教授(ケヴィン・スペイシー)が現れ、ベンをブラックジャック攻略チームへと誘う。それは、彼の数学力があるからこそ、成し遂げられる技だったが・・・。実話を下にした映画。MITには時として、本当の天才が現れますからねぇ。
この話は、ケン・ユーストンの話をモデルに描いているのだと思いますが、現代にデフォルメされています。劇中にGoogleという言葉が出てくるのも、その一つ。しかし、実際にケン・ユーストンが活躍したのは、今から20年ほど前。しかしながら、Wikipediaによれば、その勝率は映画ほどではなく、 60%程度であったらしいです。
突っ込みどころとしては、映画では舞台をラスベガスに拘っていますが、アメリカで合法にカジノを楽しむことが出来る都市は他にも多数ありますし、東海岸にもアトランティックシティがあります。こちらの方が、ボストンには近いんですけどね。ラスベガスは、世界的にも有名な都市なので、こちらに絞ったと言うことでしょうか?
ベンをこの行為に誘い込むミッキー・ローザ教授ですが、教育者とは思えないほど憎たらしく、且つ、お金に汚く・冷酷に描かれていますが、それをケヴィン・スペイシーが上手に演じています。
日本では、親が子供の学費を出すのは普通ですが、アメリカにおいては大学の学費を親が出すことは少なく、多くの大学生が大学生ローン(学費ローン)を組んで、学費を工面しています。その為、卒業してからローンの支払いに苦労すると言う例は少なくありません。この映画は、その辺りを知っていないと、ちょっとわかり難いかもしれません。
原題の”21”とは、ブラックジャックのこと。邦題からは、余りにもお気楽な学生のお遊びと言う印象を受けてしまいますが、内容的には必ずしもそう言うことでも無いので、原題の方がいいタイトルかもしれません。なお、今現在、ラスベガスでブラックジャックのカウンティングをするのは違法らしいので、実際に試したりしないように。