「元祖ヒーローの知られざる姿を知って、我々はまたこのヒーローに魅了される」マン・オブ・スティール 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
元祖ヒーローの知られざる姿を知って、我々はまたこのヒーローに魅了される
バットマン、スパイダーマンに続いて、元祖ヒーロー、スーパーマンも再起動。
監督にザック・スナイダー、プロデュースにクリストファー・ノーラン。
期待するなと言うのが無理な相談なほどの、ワクワクするようなコラボ。
スーパーマンと言うと、正義感溢れるライトなイメージ。
勿論今回も正義感溢れるが、それ以外は一新。
新スーパーマンは多くの重たいものを抱え込んでいる。
自分自身の存在意義。
超人的な力を持ったが故の孤独。
そして知った自分の正体。
この力は何の為にあるのか。
迫り来る敵…同胞との戦い。
ただの理想像ではない、悩み多き姿を知って、我々はまた、このヒーローに魅了される。
だからこそ、あのスーツに身をまとって登場した時、胸躍ってしまうのだ。
ヘンリー・カヴィルは端正なルックスとスーツがはちきれそうな筋肉が見事。飛行中の笑顔はちょっと怖いが(笑)
ヒーロー映画のあるあるに習い、周りをベテランや実力派が固める。
何と言っても、ラッセル・クロウとケヴィン・コスナー、二人の父親がいい味を出す。
ゾッド将軍=マイケル・シャノンも、単なる極悪非道ではない敵役で印象を残す。
他にも、ダイアン・レインにローレンス・フィッシュバーン…豪華なキャストは贅沢。
ロイス役=エイミー・アダムスはヒーロー映画らしかぬ年上ヒロインで賛否分かれる所。魅力的な女優ではあるが。
ストーリーもキャストもイイが、やっぱり、大迫力の映像と凄まじいまでのアクションに圧倒される。
既に多くの方々が、アクションの凄まじさを『ドラゴンボール』に例えているが、全く異論ナシ。夢にまで見た『DB』の実写バトルを本当に叶えてくれた。
迷惑この上ない、街破壊しまくりの超絶バトルは、ここまでやるか!…と、ツッコミたくなるくらいだが、それ以上に、天晴れ大喝采!
もう一つ、本作の魅力を高めているのが、ハンス・ジマーの音楽。
予告編でも印象的に使われていた、ジョン・ウィリアムスとは違うアプローチのテーマ曲はかっこいい。
バットマンと共演する続編も楽しみだ。
今年の夏は見応え充分のハリウッド大作が次々に公開された。
『パシフィック・リム』は童心を思い出させてくれ、『スター・トレック〜』は素晴らしいまでのエンタメ性に感動し、トリを飾った本作の大迫力に大興奮。
いずれも『風立ちぬ』に押され気味だったが、大満足の夏だった。