「もっとスーパーヒーロー映画らしく出来なかったのか?」マン・オブ・スティール 2501さんの映画レビュー(感想・評価)
もっとスーパーヒーロー映画らしく出来なかったのか?
スーパーヒーローの起源にして頂点的存在であるスーパーマン。
そんなスーパーマンを現代の技術で描くとどうなるのか?
普通に考えたらもう期待大の映画です。
しかし、見たかったところに至るまでが長い長い。
クリプトン星の崩壊とスーパーマンことカル・エルが地球に来るに至った過程が冒頭で丁寧に描かれるのですが、正直いらないです。
こっちはスーパーマンの大活躍を見たいのに、二〇分も使ってその前日譚的なものをされてだれてしまいました。
序盤は良いのにその後で中だるみが……という映画は結構多いですが、本作は序盤からだるい。
しかもそのスーパーマン誕生の過程は作中でダイジェストで解説されるんです。
「え? ここでそんな簡潔に説明できるんなら冒頭のあれ要らないでしょ?」
とどうしても思ってしまいます。
そうやってダラダラとスーパーマンの見せ場を先延ばしにし続けた結果、やっと来てくれたゾッド将軍たちとのバトルもなんだか盛り上がらない。
まあただの人間ながらクリプトン星人相手に一矢報いた軍人とか、ゾッド将軍なりのクリプトンへの思いとか、ぐっとくるところもあったのですが、そこに至るまでに延々と描かれたつまらないシーンを帳消しにするほどではありませんでした。
本作はDC映画群の初陣ですが、同じ位置にあるマーベルのアイアンマンと比べると「そりゃあマーベルの後塵を拝するよなこれじゃ」と納得できます。
マーベルと比べるとDCはどこか暗い印象がありますが、それはスーパーヒーロー映画としては邪道であり、バットマンならともかく、スーパーマンでそれはないだろうと思います。
別にコミカルにしろとは言いませんが、変に暗くしてるせいでそのスーパーパワーをあまり見せられないようでは宝の持ち腐れです。
本作は冗長かつ退屈で、スーパーマンという第一級の素材にしてはあまりに料理の仕方が下手と言わざるを得ません。
ジャスティスリーグの興行収入がマイティーソーラグナロク以下なのも、本作が足を引っ張っているからなのでは?
まあBvSやスーサイドスクワッドにも責任はあると思いますが。
ただ、そのジャスティスリーグやワンダーウーマンで持ち直した感はあるのでまだ期待はできると思います。