「運命を受け入れるまでは◎」マン・オブ・スティール スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
運命を受け入れるまでは◎
特別スーパーマンに思い入れがある訳ではなかったので、過去作と比較してどうこう言う感情は特に沸かなかったのですが、全体的な作風は製作のクリストファー・ノーラン色、アクションシーンは監督のザック・スナイダー色が強かった印象は受けた作品でしたかね。
そこまで苦悩・葛藤しなくてもと言ってあげたくなるぐらい、自分の運命を受け入れるまでとにかく悩み苦しむ辺りは、いかにもノーラン映画って感じがしました。
どちらかと言えば能天気なイメージもあるスーパーマンも、ノーランの手に掛かってしまえば、スーパーマンとて今の時代に合ったヒーローに変身してしまうってことなんですね。
それにしても、ビジュアル面に関してはもう冒頭のクリプトン星のシーンから既に圧倒されっぱなし、さすがはノーラン&ザックコンビでした。
しかも映像だけでなく、今まで描かれたことのない細かいレベルでのスーパーマン誕生秘話が、とても丁寧且つ重厚に描かれていて、思わず感情移入させられてしまいましたよ。
クラークの生みの親がラッセル・クロウ、育ての親がケビン・コスナーと言う豪華さも特筆物。
特にケビン義父のクラークを思う愛がたまらなく良かった!
この情愛を丁寧に描いたからこそ、その後クラークがどう育ったのか、物凄く説得力を持たすことが出来たんじゃないかなと。
義母のダイアン・レインもいい味出してましたね、枯れ具合が絶妙にマッチしていました。
ロイス・レインの立ち居地も、まあ心変わり具合は唐突であったものの、エイミーらしいヒロイン像になっていて、これはこれでありだなと思えましたよ。
ただ、多くの方が感じた通り、戦闘シーンは迫力こそあったものの、どこか節操のなさも感じるアクションシーンで、少々ゲンナリ。
これだけ破壊しちゃうと、地球人から見たらゾッド将軍もスーパーマンもどっちも悪人でしょう(苦笑)
これは後のシリーズを考えてのことなんでしょうか?
まあ全体的には重厚な人間ドラマの秀逸さで十分見応えは感じられましたので、今後が楽しみになるシリーズ序章ではありましたけどね。