シャッター アイランドのレビュー・感想・評価
全107件中、61~80件目を表示
2度楽しめる!ストーリーを追いかけるだけでは、もったいない!
※ネタバレあり。1度見ていることを前提に書いています。
まず、映画の内容をざっとおさらいします。
この映画は小説「ミスティック・リバー」でアンソニー賞最優秀長編賞を
受賞したデニス・ルヘインの原作を
マーティン・スコセッシ監督とレオナルド・ディカプリオがタッグを組み製作されました。
精神異常がみられる凶悪犯が収監されたボストンハーバーの
孤島(シャッターアイランド)にある、アッシュクリフ精神病院で失踪事件が起こりました。
捜査に訪れたのは保安官テディ・ダニエルズと相棒のチャック・オール。
失踪したレイチェル・ソランドの行方を探すべく、病院関係者・収監者の取り調べを行っていきます。
しだいに明らかになる病院の陰謀。病院は精神異常者の洗脳を企てていたのです。
全ての悪事を暴くため、テディはロボトミー手術が行われている灯台を目指します。
そこで待ち受けていたのは、デスクに向かう長官コーリー。混乱するテディ。
実はすべてがテディの妄想だったのです。
失踪事件は起きておらず、レイチェル・ソランドも、テディ・ダニエルズも、チャック・オールも
架空の人物でした。
テディの正体は2年間、ここで精神病の治療を受ける患者アンドリュー・レディス。
我が子を殺害した妻を殺害した事実を受け入れられず作り上げた妄想だったのです。
捜査に訪れた保安官が実は精神病院の患者だったという大どんでん返しが
この映画の最大の特徴です。
率直な感想は、ストーリーを追うだけの観方ではもったいない、2度楽しめる映画だと思いました。
1度目は保安官テディの目線で、失踪事件の捜査を追体験し、最後のどんでん返しに驚く観方。
2度目は捜査をするテディと更生プログラムを行っている病院側それぞれの立場を理解した上で
監督がちりばめた数々の演出を楽しむという観方です。
●ジョージ・ノイスとの会話
ジョージはテディにこう言います。
「あんたとレディス。それが核心さ」「お前のために仕組まれたゲーム」
「お前は迷路に放り込まれたネズミ」
「真実を暴き、レディスを殺す?無理だね。どちらか選ばないと」と。
これらのセリフは、1度目は病院側の悪事を暴こうとするテディに対して、
すでに病院側の策略にハマっていると忠告しているように聞こえます。
しかし、精神病患者アンドリューのために組まれた更生プログラムの
一環だと述べていることが2度目に分かるのです。
内情を知ることで、会話の真意が違って聞こえるという何とも言えない巧妙さを感じました。
●冒頭、テディとチャックが精神病院へ到着したシーン
病院の入り口で拳銃を警備副隊長へ預けます。
元保安官のテディはスムーズに拳銃を渡しますが、
実際は医師であるチャックは渡すのに手間取ります。
初見ではなぜ渡すのに時間がかかっているのか疑問に思いながらもスルーしましたが、
ちゃんと意味があったのです。
また、病院の庭を歩いていると患者がテディに手を振ります。
これはテディのことを元から知っているから。このシーンも初見では見過ごしがち。
見直すことでその意味に気が付けるのです。
●不意にシーアン医師へ向かう目線
看護師とミセスカーンズがテディから不意にシーアン医師について聞かれた際、
ふとチャックへ目線が動くのです。人間のリアルな反応が描かれていると思いました。
●食堂で始めた事情聴取
患者ブリーンの事情聴取では、鉛筆を紙にゴシゴシこすり、ブリーンが嫌がりました。
テディはここの患者なので、ブリーンが嫌がることを知っていたのです。
ミセスカーンズが水を飲む場面では、飲む”ふり”をしたシーンが映ります。
これはテディのトラウマにより水に関するものが映らないのです。
●不測の事態に一瞬、患者扱いをされる
C棟にいる患者ビリングスをテディが殴るシーンがあります。
ビリングスをチャックと副長官が運ぶ時、副長官に「お前は来なくていい!」と突き放されるんです。
緊急事態だけに、瞬間的に囚人扱いをされていたように思いました。
●テディとチャックの灯台でのやり取り
テディが灯台へ向かう途中、崖でチャックと揉めるシーンがあります。
チャックの胸ぐらを掴み「付いてくるな」と凄む時、臆することなく立っているテディに対して、
チャックはふらつきながら岩場の下の方を気にしているんです。
医師ですから、こんな危険な場所に立ったことないのでしょう。
1つ1つの所作に意味がある。本当に描写が細かいです。
内容理解をした上で見ると、なおさらそれが分かります。
だから2回見る価値があるんです!
ストーリーも演出も奥深い凝った映画だと思います。
やはりストーリーを追いかけるだけではもったいない映画です。
.
自宅で鑑賞。P.K.ディック的な話。原題"Shutter Island"はアナグラムで「Lies and Truths」と「Truths / Denials」と云う二種のセンテンスになる。冒頭船のシーンから他にも終始、合成の粗さが目立つ。メリハリの無い混乱した描写は途中でラストが読めてしまい、意外性が無かった。衝撃度を増す描き方が他にあったのではないかと思われ、殆ど本が活かされてなく残念。よく練られた本だろうがあくまで言葉遊びが多く、そもそも映像には不向きだったのでは……ギリギリの合格点。60/100点。
・三本連続鑑賞した内の二本目。当初は監督としてD.フィンチャーが予定されていた――もし実現していれば雨のシーンが増えたのではないでしょうか(^^;
・鑑賞日:2011年8月28日(日)
なかなかでした
2024.6月再見
見たことすら完全に忘れていた状態で。で、今回の感想はすっごいドグラマグラって感じ。何が本当で何が幻覚か。謎解き?という触れ込みだが、これは謎解きなのかね?雰囲気とか❤️な人は凄い好きなのかもね。
やはりなかなかでした。
本当の驚きは…
私は初見ではネタバレを見ずに楽しみたい派なのですが、この作品はうっかり主人公が患者であるというネタバレを少し見てしまいました。
当初はやってしまったなあ…と思ったのですが、鑑賞後には今作に関してはあまり支障はなかったと感じました。
というのも、途中で主人公こそが患者なのでは?と思わせるような演出をしているからです。
特に、夢の中や現実にも現れる奥さんの存在。収容所解放時の話も相まってこれは主人公の方に何かあるのでは…と思わせますね。
主人公が患者だと知っていてもアナグラムやチャックの正体でびっくりできたのもよかったです。
関係ないですが、エドワードの短縮形でテディって初めて見ました。調べてみたらエドとかエディ、テッド、ネッドもあるみたいですね。
あとは衝撃的といえばラストですね。
この作品は、騙された!いう楽しみ方もあるとは思いますが、見返したときに見方が変わったり、このセリフ伏線だったのか!という楽しみ方ができることが一番の旨味だと思います。
実際、見返した時によくできてるな〜と思いました。
主人公が子供の死因である水を苦手としている、クロルプロマジンの禁断症状による嘔吐や頭痛、シーアン医師たちが奥さんや溺死の話をして主人公の様子を伺っていたり。他の患者たちの様子やら。
今作の解釈としては、「主人公患者説」と「医師たちの陰謀説」があるようですが、私は患者説の方がしっくりくるし、好きです。
シーアン医師が主人公を心配している様子が随所に見て取れますし、終盤のコーリー院長たちの様子を見ても陰謀説には無理があるかと思います。
なにより、裏があるんじゃないかと疑った末に気づく、医師たちの慈悲深さが胸に沁みる…ので患者説が好きですね。
と言いつつ、主人公の妄想と現実が入り混じっているのは確かですし、いろんな解釈がある方が作品に深みが増して楽しいですね。
他の方の考察サイトを覗いてみると、火が出てくるシーン(焚き火やマッチ)は主人公の妄想であることを示している、とあってなるほど〜と思いました。奥さんの妄想の方の死因と重ねているわけですね。
ラストの解釈も重要です。主人公が患者というのは知っていたのもあって、ここが一番の驚きでした。
「どっちがマシなんだろうな。
モンスターのまま生きるか、善人として死ぬか。」
という主人公のセリフ。
これは彼が正気に戻っていることを示しています。それなのに、またテディに戻ったフリをして、自らロボトミー手術を受けるのです。
モンスターのまま生きる(子供たちを失ったことや妻を殺害した罪、島に来てからの他の患者に対する暴力の罪に苛まれながら生きる)か、
善人として死ぬ(ロボトミー手術を受けることで全てを忘れて自他の両方から見て善人になれるが、死んだも同然になる)
というように私は考えています。
ロボトミー手術に詳しくはないのですが、術後は人間らしい生活に戻れないことも多かったようですね…。
今後また暴力的なテディに戻ってしまう可能性や罪の意識を持ち続けて苦しむくらいなら、と手術を受けることを選んだわけです。
手術を受けることを、ゾンビにする気か!というように言っていたかと思いますが、ここではモンスターではなく善人としているのが皮肉ですね…。
また、主人公は元来とても正義感が強い性格と思われます。作中のセリフから考えて、正義感で収容所解放に加わったのでしょうし、酒への依存も収容所での殺人による罪悪感によるもの、つまり正義感の裏返しであったと推察できます。
ジョージ・ノイスにも必ず助けてやると言っていましたし、相棒と思っていたチャックを助けようと必死になって灯台まで行きます。
自らがレディスだと悟った後には、妻を放っておいたことを悔いています。
そう考えると、自ら手術の道を選ぶことには贖罪の意味もあったのかもしれません。悲しい…。
ラストの灯台の描写も意味ありげで恐ろしい。おそらくロボトミー手術は本当に灯台で行なわれるのでしょう。患者説では主人公が疑っていた非人道的なものではなく、正規のものですが…。
演者の演技も素晴らしかった。レオナルド・ディカプリオとマーク・ラファロ、共に演技力に定評があるのも納得。
ミシェル・ウィリアムズの怪しい雰囲気もグッド。
不安感や違和感を煽るような音楽、カメラワーク等の演出も主人公の状況とマッチしてよかったです。没入感が増します。
ミセスカーンズの事情聴取の際、コップの水を飲んだように見せる視覚トリック?がありましたが、あれは水を恐れる主人公視点での妄想によるもの(この場面で書かれたRUNの文字も後に消えていたことから)ということの他に、鑑賞者に対しても錯覚≒妄想を示唆しているのかなと思います。
長々と書いてしまいましたが、それほどに深みと魅力のある作品です。是非二回以上見てみることをおすすめします。
騙された
とにかく作り込まれている作品。
病気説と陰謀説の2つがあるが完全に
陰謀説だと思わされて騙された。
ただ鑑賞中は長く退屈になる箇所が何個かあった。
ネタバレを見て、うわーとなるタイプの作品。
もう一度別の視点で鑑賞したい。
幸せの夢なら醒めたくないか?
最後の一言、Which would be worse? To live as a monster, or to die as a good man?(モンスターとして生きるか、善人として死ぬか)が名言。
主人公自体が‼️
彼自身が精神患者だったなんて思わなかった😅最後まで脱出できなかったんだ だって、患者としてはいったからそれは無理‼️
メイキングをみたら色々な事が隠されていたことに気づき監督は考えながら映画をとっていたんだと感じた!
最後は結局どの状態なんだろう
1950年代アメリカの時代背景を知ってたらもっと面白かったかも。
主人公が1人で悪に立ち向かう緊張感と
何が起きるか分からない緊張感で
終始緊張状態で見ていた
途中で何となくオチを勘繰っていたものの確信は持てず、、
最後のシーンで確信を得て緊張が解き放たれた
最後のセリフはまた幻覚に戻ってしまったと思ったが
もしかして、正気に戻ったが自分に疲れてわざと幻覚を見ているかのような言葉を放ったのかもしれない
THE LAW OF 4 WHO IS 67? スコセッシ+ディカプリオのコンビの微妙な作品
観る前にパッケージの紹介文だけ読んで「実は主人公が精神がおかしかったっていうオチだったら嫌だなぁ」っと思って観始めたら本当にそのまんまだったので逆にビックリしました・・・どんでん返しとか無しなんですね(--;)
マーティン・スコセッシ監督好きだったのに最近の作品はどうもイマイチな感じです。あ、映画愛に溢れてた「ヒューゴ」は好きでしたけどね。不穏な空気を作る演出とかは上手いよなぁっと思うのですが、作品全体としてはパッとしない印象です。
マーティン・スコセッシとディカプリオはよくコンビを組みますが、その中でも微妙な方に分類されるであろう作品でした。
かなりよくできてる!!
とても面白かったです!!
最後におおおーいまじか!!!となる展開に最高に楽しませていただきました。
主人公のでぃかぷーが精神異常者だなんて1ミリも疑わなかったので知った時の衝撃といったら…!!!
てか相棒が主治医だったのかよ!!ってところが1番驚かされたかも笑笑
みんなレディスの妄想に付き合って現実を改めてつきつけて治そうと試みたんですね…
最後のセリフが考えさせられました。
結局主治医に早く抜け出そうぜといって妄想がまた戻ってしまったと判断した主治医は残念そうにほかの医師にそれを表情で伝える。そしてレディスは廃人同然の心をもたない人への手術を行われることに。
そして去り際に主治医に言うこのセリフ。
「モンスターのまま生きるか、善人として死ぬか」
また妄想の世界に囚われたと思ってましたがこのセリフから妄想か現実かは理解していたのではないかと推測される。
こども達を殺した母親を殺したモンスターとして生きるか!
それとも保安官として妄想に取りつかれ英雄として精神を殺され廃人になるか…
どちらが良いのか分からないがレディスは疲れきってたんだと思う。早く楽になりたかった…だからこーいったセリフが去り際にでたんだと思う。いい作品です。
セリフでの説明
ディカプリオの幻想と妄想に付き合わされる!?
オチはセリフで御丁寧に説明してくれるが物語の謎が解決される訳ではなくってか謎なんかそもそも皆無で実はこうでしたってな後付け出来る内容でまぁ最初の方からディカプリオの表情とかも異常さは垣間見られる雰囲気で。
最後は正気に戻ったようで意味深な終わり方!?
ズゥーっと付き合わされてたM・ラファロは大変だったろうに。
スコセッシもディカプリオに付き合わされて撮ったのか?リンチとかフィンチャーの雰囲気で映画にしても良かったかなぁ!?
観客を騙す映画でオチもスッキリするがセリフでの説明はもう少し違った演出法もあった筈。
難しいけど、最後は納得。
「シャッターアイランド」字幕版 DVDで鑑賞。
映画の感想は、難しかったですね。。(^^;
でも、最後は、ある意味どんでん返しでしたね~w
あらすじは、以下の通り。
テディとチャックの捜査官が孤島(=シャッターアイランド)にある精神病院を訪れ、この島で、「レイチェル」という女性が謎のメッセージを残して行方不明になる。
シャッターアイランドで様々な謎が散りばめられているので、少し複雑でした。
ネタバレになりますが、まさかテディとレディスが同一人物だとは、予想外でした!驚きました。
レイチェルも、相棒の名前も全て妄想だったとは、参りましたww
物語は複雑でしたけど、俳優陣もなかなか良かったので、良かったです。(^^)
まさにミステリー映画でした!\(^o^)/
タイトルなし(ネタバレ)
映像が不気味で怪しげな医者や患者の雰囲気も怪しくてゾクゾクしたし、施設の作りや音楽などもすごくよかった!
最後はイカれたふりをして自らロボトミー手術を選ぶディカプリオ。
謎解きといっておきながらあっさり答えはわかってしまう主人公が精神異常者だったという夢オチ的なストーリーだが、
実は、院長サイドの陰謀なのではないかという考えも捨てきれません。
あんまり捻りがない、、、
終盤まで謎の原因は予測してなかったけど、ばらし方が下手で、それまでのストーリーに複線や捻りもなく、見終わっても“あー、なるほどね”で、納得できてしまう。
シックスセンスみたいな展開だけど、シックスセンスみたいに見直す必要がないから面白くない。
二つの楽しみ方
施設の陰謀説、テディの病気説どちらのサイドで考えても面白い。
灯台での話からオレは陰謀説の方なんじゃないかと思ったけどどちらにでも取れる終わり方だった
広告の売り文句通り細部を見逃してはいけないオレは見逃したもっかいみたい笑
ラストのレオ様の潔さと背中の切なさは良かった
タイトルなし(ネタバレ)
アメリカの連邦捜査官テディ・ダニエルズ(レオナルド・ディカプリオ)は、失踪した女性患者について捜査する。
あまりにも辛い記憶があると、人は虚構の世界を作って、そこが現実だと信じる。妻がうつ病で、3人の子供を溺死させてしまった。その妻を拳銃で撃って殺してしまった。テディはその過去を忘れるため、子供はいない、妻は放火によって火事で殺された、という物語を作り上げた。
ラスト、テディが言った「モンスターのまま生きるか、善人として死ぬか」は、モンスター=妻を殺して精神を患っている自分、善人=ロボトミーで廃人になる自分、でテディは善人として死ぬことを選んだ。
マーティン・スコセッシ監督の「タクシードライバー」は、トラビスの"事実と作り話の矛盾"だった。「シャッターアイランド」は、テディの"現実と虚構の矛盾"だった。その矛盾を、最初は当人の目線で描きながら、第三者の目線を入れることで暴いていく。
全107件中、61~80件目を表示