「本当の驚きは…」シャッター アイランド きーとろさんの映画レビュー(ネタバレ)

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シャッター アイランド

劇場公開日 2010年4月9日
全152件中、8件目を表示
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本当の驚きは… ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

私は初見ではネタバレを見ずに楽しみたい派なのですが、この作品はうっかり主人公が患者であるというネタバレを少し見てしまいました。
当初はやってしまったなあ…と思ったのですが、鑑賞後には今作に関してはあまり支障はなかったと感じました。
というのも、途中で主人公こそが患者なのでは?と思わせるような演出をしているからです。
特に、夢の中や現実にも現れる奥さんの存在。収容所解放時の話も相まってこれは主人公の方に何かあるのでは…と思わせますね。

主人公が患者だと知っていてもアナグラムやチャックの正体でびっくりできたのもよかったです。
関係ないですが、エドワードの短縮形でテディって初めて見ました。調べてみたらエドとかエディ、テッド、ネッドもあるみたいですね。
あとは衝撃的といえばラストですね。

この作品は、騙された!いう楽しみ方もあるとは思いますが、見返したときに見方が変わったり、このセリフ伏線だったのか!という楽しみ方ができることが一番の旨味だと思います。

実際、見返した時によくできてるな〜と思いました。
主人公が子供の死因である水を苦手としている、クロルプロマジンの禁断症状による嘔吐や頭痛、シーアン医師たちが奥さんや溺死の話をして主人公の様子を伺っていたり。他の患者たちの様子やら。

今作の解釈としては、「主人公患者説」と「医師たちの陰謀説」があるようですが、私は患者説の方がしっくりくるし、好きです。
シーアン医師が主人公を心配している様子が随所に見て取れますし、終盤のコーリー院長たちの様子を見ても陰謀説には無理があるかと思います。
なにより、裏があるんじゃないかと疑った末に気づく、医師たちの慈悲深さが胸に沁みる…ので患者説が好きですね。

と言いつつ、主人公の妄想と現実が入り混じっているのは確かですし、いろんな解釈がある方が作品に深みが増して楽しいですね。
他の方の考察サイトを覗いてみると、火が出てくるシーン(焚き火やマッチ)は主人公の妄想であることを示している、とあってなるほど〜と思いました。奥さんの妄想の方の死因と重ねているわけですね。

ラストの解釈も重要です。主人公が患者というのは知っていたのもあって、ここが一番の驚きでした。
「どっちがマシなんだろうな。
モンスターのまま生きるか、善人として死ぬか。」
という主人公のセリフ。
これは彼が正気に戻っていることを示しています。それなのに、またテディに戻ったフリをして、自らロボトミー手術を受けるのです。

モンスターのまま生きる(子供たちを失ったことや妻を殺害した罪、島に来てからの他の患者に対する暴力の罪に苛まれながら生きる)か、
善人として死ぬ(ロボトミー手術を受けることで全てを忘れて自他の両方から見て善人になれるが、死んだも同然になる)
というように私は考えています。
ロボトミー手術に詳しくはないのですが、術後は人間らしい生活に戻れないことも多かったようですね…。
今後また暴力的なテディに戻ってしまう可能性や罪の意識を持ち続けて苦しむくらいなら、と手術を受けることを選んだわけです。
手術を受けることを、ゾンビにする気か!というように言っていたかと思いますが、ここではモンスターではなく善人としているのが皮肉ですね…。

また、主人公は元来とても正義感が強い性格と思われます。作中のセリフから考えて、正義感で収容所解放に加わったのでしょうし、酒への依存も収容所での殺人による罪悪感によるもの、つまり正義感の裏返しであったと推察できます。
ジョージ・ノイスにも必ず助けてやると言っていましたし、相棒と思っていたチャックを助けようと必死になって灯台まで行きます。
自らがレディスだと悟った後には、妻を放っておいたことを悔いています。
そう考えると、自ら手術の道を選ぶことには贖罪の意味もあったのかもしれません。悲しい…。

ラストの灯台の描写も意味ありげで恐ろしい。おそらくロボトミー手術は本当に灯台で行なわれるのでしょう。患者説では主人公が疑っていた非人道的なものではなく、正規のものですが…。

演者の演技も素晴らしかった。レオナルド・ディカプリオとマーク・ラファロ、共に演技力に定評があるのも納得。
ミシェル・ウィリアムズの怪しい雰囲気もグッド。
不安感や違和感を煽るような音楽、カメラワーク等の演出も主人公の状況とマッチしてよかったです。没入感が増します。
ミセスカーンズの事情聴取の際、コップの水を飲んだように見せる視覚トリック?がありましたが、あれは水を恐れる主人公視点での妄想によるもの(この場面で書かれたRUNの文字も後に消えていたことから)ということの他に、鑑賞者に対しても錯覚≒妄想を示唆しているのかなと思います。

長々と書いてしまいましたが、それほどに深みと魅力のある作品です。是非二回以上見てみることをおすすめします。

きーとろ
さん / 2018年11月6日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  悲しい 難しい
  • 鑑賞方法:TV地上波、CS/BS/ケーブル
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