「シャッターアイランドをDVDにて観る。」シャッター アイランド youxiangさんの映画レビュー(感想・評価)
シャッターアイランドをDVDにて観る。
DVDで観た。
数度、観た上で、再度、また観てみると面白い、見方が変わってくる、との前評判があったからだった。
何も知らない状態で観てみた。
…気持ちの悪さが残った。恐ろしさを感じた。
ロボトミー手術…「カッコーの巣の上で」で、初めて知った手術であったが、やはり、その時の衝撃が離れない。
権力を握る人間が、
もしかしたならば、ただ単に、自分たちの邪魔になる存在だから、そういう手術を行えるかもしれない…。
ロボトミー手術は、今や、禁止とは言われているが…独占欲にまみれた権力者の手によれば、公的書類の書き換え、改ざんなどにより、どうでも出来るものなのではないのか?
私は、そういう観方で、観た。
だから…こわさを感じた。
そういった手術を受けた人間を、「人間」と言えるのか?
もはや、「人間」では無いのだ。
ただ単に、従順な生き物になる、また、単なる実験材料に過ぎないのだ。
そして、もはや、「生きている」とも言えない。
死刑…との違いは、 実験材料になる…ということであろう。
私の、そういった、先入観で、この映画を観たのだ。
ナチスとの絡みもあり…私は、私の観方で観続けた。
そうして観ていくと…「カッコーの巣の上で」よりも、はるかに怖いものであった。
それは、洞窟で出会ったレイチェルの言葉、そのままである。
島へ向かう途中、タバコが無くなっていたため、同僚のタバコを吸う…
島での食事、投薬…そういったものが、
主人公を、悪夢へ誘い、主人公を幻覚へと追いやる…また、周囲によって、その幻覚が事実と思わされてしまわせられてしまう…。
現代の薬は、こわいものがある。
人間の、脳に働く。
が、果たして、それが、その人を、本当に、正常にするものなのか?
どこかをマヒさせて、どこかを活性化させるものではないのか?
また、反対なものなのか?
投薬の仕方によっては、人の脳をマヒさせることなど、今や、困難なことではなかろう。
それが、医師や、周囲によって仕組まれていた場合…
友人や、家族、すべての者によって、仕組まれていたとすると…
私は、そういう観方で、この映画を観た。
事実は何か?真実は何か?
灯台のシーンでさえ、私は、主人公の、薬による操作による幻覚だと思った。
そして、最後の、階段でのシーンは、やはり正気に戻った主人公が、もはや逃げる場所が無く、「」どっちがマシかな?モンスターとして生き続けるか?善人とし死ぬのか?」と言ったのだ、と思った。
この死、とは、手術をしてくれ、という意味での、死である。
深い、怖い映画だ、と思った。
しかし、このDVDには、Complete Guidebook to Shutter Island という小冊子がついていた。
読んでみたら、結局、主人公が狂気に侵されていて、島の人間たちは、彼を救おうとしていた…というような内容である。
なぜかというと…という説明が書かれてあった。(再度、こういう点を観ろ…とのことであった。)
不謹慎かもしれないが、もし、その通りだとすれば…この映画は、駄作と思う。
マーティン・スコセッシは、本当に、このガイドブック通りの映画を作ったのだろうか?
私は、私の、最初に観た感覚を持って、また、観ようと思っている。