「純愛物語ではない。」愛を読むひと yururi74さんの映画レビュー(感想・評価)
純愛物語ではない。
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"投獄された初恋の彼女の為に、彼女が好きだった本を朗読したテープを送り続ける"という部分がこの映画の肝なのだが、その肝を作る為に他の部分の設定が強引になってしまっている気がした。
彼女の持つ「秘密」も途中で分かるので意外性はないし、その「秘密」のせいで転職をし投獄されるはめになるというくだりも無理があった。
一応「純愛物語」ということになっているが、始まりは中年女が若い男を襲ったようなものだし、年下相手に本気でムキになったり突然姿を消してしまったり、ケイト演じるハンナは年下男が憧れる「大人の女性」とは程遠いキャラクーなので、純愛というよりは「年上女に翻弄された年下男の純情物語」という感じだった。
ハンナのキャラクターがとにかく掴みどころがなく、少年と出会う前の過去も明かされないので、なぜ年下男に惹かれたのかetc…感情移入することができなかった。
ただ、地味な中年女性が若い男の体を凝視して静かに興奮していく描写などは妙にリアルで生々しく、ケイトはそういった生々しいエロスを表現するのがとても上手いと思った。年を追うごとに変化していく2人のビジュアルも上手く作られていたと思う。
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