「愛と分断の物語」愛を読むひと Jolandaさんの映画レビュー(感想・評価)
愛と分断の物語
ずっと観たかった作品の一つ。
他の方のレビューともカブってたんですが、これは、ラブストーリーよりもヒューマンの棚に置かれるべき作品だなと思いました。
ただ、、そうだな、思った以上に生々しい描き方をしていて、綺麗にまとめてない感じに対して好感を持ちました。
しいて難点を挙げるなら、キャストがみんな英語圏の人なので英語しゃべっててフンイキがいまいち出ないところと、終盤のユダヤ人女性とのやり取りがクドい(何度も顔を交互に映す演出とか)、っていうところぐらいかな。
あとは、レイフ・ファインズの青年時代役の子もよかったし、もちろんレイフ&ケイト・ウィンスレットも。ガタイがいいから、がっちりしたドイツ女性の役、合うね。
青年に押される形でのサイクリング旅行。教会の聖歌隊(児童合唱団的なの)に感動してるケイトに感動。彼女(ハンナ)の人生で、きっとこれまでほぼ縁のない世界だったんだろうね。
個人的には、マイケルには裁判の傍聴席から彼女の為に叫んでほしかったんですけど(笑)そんな訳いかないんですかね、、
熟女と青年。文盲とインテリ。戦争と平和。対(つい)になるものが多い作品だなと思いました。 そして現代ドイツと一言で言っても、時代の壁によって大きく分断されているのだな、とも。 ハンナは文盲ではあるけれどもある意味ですごく真面目で、信じきっちゃったんでしょうね。自分達のしていることが、本当に「アーリア人の未来のため」なのだと、、
法科ゼミで息巻いてた青年と同じく、私も、法廷で元看守のおばちゃん達を吊し上げて済む事なのか、当時のドイツ国民全体が盛り上がって皆が見過ごしていた事ではないのかと、遠い異国の人間ながら思いますけどね。
理由は、原作が好きでないこと(主人公の男が許せない)と、ドイツの話なのに英語だからです。でも、ケイト・ウィンスレット好きになったので、いつか見ます。