劇場公開日 2009年12月23日

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「素晴らしい体験。」アバター(2009) Mariaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0素晴らしい体験。

2010年1月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

知的

公開されるまで、全くなにも知らず、ただ観てみよう、くらいの気持ちで行きました。
3Dに、それほどの関心はなかったので、2Dで観ましたが、余りの完成度に、ただただ驚き、こんどは3Dで。
結果、どちらにもそれぞれの良さがあり、何度も感動を覚えました。

パンドラの自然が、とにかく素晴らしい!
公式本も購入しましたが、監督の、植物学への造詣の深さに感嘆しました。
これだけの深さあってこその、CGのリアリティだと思いました。
そして冷ややかで武骨、不気味なマシーンとの対比…、色々と、考えさせられました。

しかし、造形でなにより魅了されたのは、ナヴィです。
理想のスタイルの美しさも、さることながら、存在しない進化形の人類の、筋肉組成まで垣間見える、動きの美しさ。
私たちと変わらない、ゆたかな表情。
青い肌も、柔らかなシルバーブルーで、神秘的な容姿を、際立たせていました。
とても美しかった。
それゆえ、哀しみが突き刺さるようなシーンも、たくさんありました。

ストーリーは、決して粗くはありません。たいへん、エモーショナルで、簡潔、テンポも良く、
無駄がなかったと思います。観る人を選ばない、良いバランスでした。
あれだけの濃密な画面だと、話まで玄人向けに凝ってしまっては、却って、台無しだったと思います。

オペラのストーリーと同様です。豪華絢爛な舞台だからこそ、差し引きすることで、
お互いが引き立つのだなあ、と再認識しました。
ベストな塩梅だったと、感じました。

『ウェストサイドストーリー』も、『ロミオとジュリエット』の近代版でしたが、
今や、そんなことを知る人も少なくなり、どちらも名作として、愛されています。
この作品も、長く語り継がれ、愛され続けると思います。

未見の方は、是非、難しいことは考えず、
スペクタクルをはらんだ、切ないラブロマンスにリンクして
素晴らしいパンドラの世界へ、訪れてみてください!

Maria