ジャーマン+雨

劇場公開日:2007年12月15日

解説・あらすじ

ゴリラ顔でわがままで天涯孤独な少女のパワフルな生きざまを描いた異色作。監督は若干29歳の新鋭・横浜聡子。たった1人でボロ家に住み、植木職人の見習いとして働いている16歳のよし子は、“ゴリラーマン”と呼ばれても棟梁に殴られても気にすることなく生きている。縦笛でオリジナル曲を作り歌手を目指している彼女は、近所の子供たちを相手に縦笛教室を始め……。山下淳弘監督作「道」などの個性派女優・野嵜好美が主人公よし子を怪演。

2006年製作/71分/日本
配給:リトルモア
劇場公開日:2007年12月15日

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映画レビュー

3.5 「よし子の周りを気にしない率直生き方が横浜聡子監督の映画作りに重なる」

2026年8月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

驚く

斬新

 横浜聡子監督は、独特な映画を作るなあと感じたのが率直な思いだ。主人公のよし子は、容姿からゴリラーマンと周りから揶揄されてもまったく意に介さない。高校にも行かず、貧乏でも、仕事で無能扱いされても我関せずの体でいる。

 よし子は、自分の置かれている境遇を悲観することなく、今の自分をまるごと肯定している。友人のまきも、よくよし子の家に出入りして仲がいい。同じ職場のドイツ人からも好かれている。笛を教えている子供たちからは、「先生」と言われ一目置かれている。そしてよし子は、子供たちのトラウマを聞き、歌詞にして曲を作り、将来はアーティストとしてデビューし、結婚し、子供を産む、という明確なプランを立てている。

 自分を捨てた父親の病院に行く。よし子の表情からは、どのような感情を抱いているのか読み取れない。ただ死に行く者の姿を見て、よし子は驚くべき行動に出る。そしてよし子は変わる。唯一の財産である祖母の遺産を使い果たしたのだ。まさにすべてを捨てて身一つになる。「金がなくても死ねないな」という汲み取りのおじさんの言葉を受けて、よし子は驚愕の行動をする。

 自分をまるごと肯定し、世の中の常識にも抗うよし子の生き様は潔い。無謀で突拍子のないことをしでかす、変な子ではない。世の中の既成概念に対して、全精力を傾けて戦う姿を、横浜監督はよし子の魅力として描いている。本作は、横浜聡子監督から、既存の映画に対する挑戦状のように感じてならない。それだけ自分を貫く強さと、周りを気にしない精神力を持つよし子の姿に、横浜聡子監督自身の映画作りへの姿勢まで重なって見えた。

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かな

4.0 地獄の黙示録、カーツ大佐。

2026年4月3日
iPhoneアプリから投稿

傑作。
公開当時以来の配信再見。
閉塞閉鎖的なムラ社会で
徹底して不敵に空気を読まない女。
子を従えるカーツ大佐な女。
人のトラウマを雑に剥いて喰う女。
撮り手横浜聡子の暴力衝動を孕み、
漲る映画的磁場。
それでいて誰もこうは生きられぬと
静かに慈しむ71分。
また観る。
必見。

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きねまっきい

4.0 愛すべきバカ女

2020年4月15日
スマートフォンから投稿

主人公よしこが女友達に「よしこちゃんが努力して歌が上手くなれば、自然と人が集まってバンドができるよ」と言う。するとよしこは自宅で笛の教室を始めて小学生たちとバンドを結成してしまう。なんじゃそりゃ?!と笑ってしまった。

地方を舞台にした映画を見る時に、その土地にしかいなそうな馬鹿を観るのはとても楽しみな事で、このよしこのオリジナリティは素晴らしいと思う。

画面に焦燥が溢れんばかりの映画だと思う。それはよしこが常に何かに急かされたような佇まいなのと、わざわざ少し早送りする編集を入れているからなのだが、最初てっきりプレーヤーのバグかと思ってしまった笑
ふつう、早回しなんて編集使わないと思うのだが、この映画ではそのギミックがある空気を醸し出している。
青森の田舎の乾いた空気と地続きにあるよしこの焦燥そのものがこの映画を作り出しているかのようである。

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ニックル

2.0

2019年4月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

何が一番恐ろしかったかって、村や家族の様な小さなコミュニティの中から抜け出せない前提でよしこが生きているってことです。変わっている事が許容されない空気。そんな日本のどこにでもある村社会が絶望感満載で、ある意味八つ墓村の様に見えました。

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ミカ