ミストのレビュー・感想・評価
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疑心暗鬼の世界。
原作がスティーブンキングとかは置いといて、災害映画かと思い観て来たところ、大変な目に会ってしまった。
映画が始まるや否や、お気楽ホラー映画かと思いきや、とんでもない。
恐ろしいほどに深読みというか、メッセージがあるとすればテーマの重い映画。
霧に包まれるスーパーマーケット(ホームセンター?)のシーンは映画ならではの迫力。
実際、こんな状況に置かれたら、いやでも不安になる。
スーパーに立てこもる状況は「ゾンビ」と同じ。
しかし、コチラは、霧の中の何かが解らない。
そして、身を守る武器も「ゾンビ」と違い、容易には手に入らない。
そして、霧の向こうからの襲撃。
意外と早くから、霧の中の「何か」がどんなものなのかは解ってしまうのだが、この映画の真に怖いところは、この「何か」じゃないところ。
人間の「疑心暗鬼」こそが、恐怖。
お互いよく顔を知っているロコであるのに関わらず、どんどんギスギスしていく様と、皆の表情は、かなり怖い。怖すぎる。
疑心暗鬼のきっかけとなる人物に、いつの間にか支持が集まってしまう展開も妙に納得してしまう怖さがここにある。
ここが、単なるモンスターパニック映画じゃないところだろうか。
すでに、開始から僕の中では災害映画という概念は壊され、モンスターパニック映画なら「みんなで力をあわせようぜ!」という「お約束」も壊され、どうなっちゃうのさ、この先?とグングン引き込まれてしまった。
深読みのテーマだが、僕は「人間への裁き」と捉えている。
何を持ってして人間を裁くのか、それを突きつけられてる気分になった。
そういう意味では一流弁護士さんの映画開始直後の離脱が本当に痛い。
彼が最後まで、理論を保てるかどうか観たかったのだが・・・。
驚愕のラストは色々な意味で必見。
裁きへの報いとみるか、単なる悲劇とみるか。
鑑賞後、大いに議論が交わせる映画であることは間違いない。
お気楽ホラーと侮る無かれ。
斬新!且つリアル!
なんてクソったれでタチの悪い映画だ!
最初の方は、「家で木曜日の夜9持にビールとタコワサを手にゲッラゲラ笑いながら観る映画」って感じだったんですが。
でもしだいに、後の展開が、すっごいことになっていきました・・・。
スティーブン・キング原作×フランク・ダラボン監督のコンビ。
このコンビの映画には「希望と絶望」が全面に打ち出されてますよね。
今回の『ミスト』もこのキーワードありきなんだけど、今までとは描き方がまるっきり違って。
今までは、 「どんな絶望の淵にあろうと、希望を抱いていればいずれ道は切り開かれる。」 ってな描き方。 『ショーシャンクの空に』なんてそのド真ん中な映画ですよね。
でも今回のは、 「絶望の淵にあるからって希望を捨てたら、さらなる絶望に打ちひしがれるぞ。」 ってな描き方。 「お前らが希望を捨てたからいけないんだぞ。」ってな描き方。
さんざん主人公たちを絶望の淵に落としときながら、そんなことをするんですよ。
あぁ、ほんとうに、なんてクソったれな映画なんだ!!!
観てる側が期待する展開には絶対持っていかないし、もう最高にタチが悪い!!!
でも凄いんですよ、心の底から凄いと思ってしまうんですよ。
良くも悪くも、映画はいかにパワーを持っているかだなぁ~っと改めて思わされた映画でした。
あまりの衝撃に…
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