シアトリカル 唐十郎と劇団唐組の記録

劇場公開日:

解説

2024年5月に他界した劇作家・唐十郎と彼が率いた「劇団唐組」の活動を記録した、2008年製作のドキュメンタリー。2006年秋の新作戯曲執筆から2007年春の公演初日までを追った。

演劇界に衝撃を与えた1967年の新宿・花園神社での紅テント公演から40年を経た2007年。67歳になっても唐の芝居に対する情熱は衰えることを知らなかった。本作では、自らを「偏執狂」と呼ぶ唐の、芝居作りにかける偏執ぶりをありありと描き出す。また、そんな唐の才能にひかれて集まった、劇団唐組の14人の俳優たちの姿も映し出す。平均年齢30歳の劇団の若者たちは、俳優として修業を積みながら、同時に座長である唐という圧倒的な存在を受け入れる修業を続けていた。

大島渚の次男で、後に「なぜ君は総理大臣になれないのか」「国葬の日」などを手がける大島新監督のデビュー作。2024年12月、唐十郎追悼企画として、17年ぶりにリバイバル公開。

2007年製作/102分/日本
配給:ネツゲン
劇場公開日:2024年12月14日

その他の公開日:2007年12月1日(日本初公開)、2008年11月29日

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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映画レビュー

役者は24時間演じ続ける

2025年1月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 昨年5月に亡くなった演劇界の革命児・唐十郎さんが新作を上演するまでを追った作品の追悼上映です。

 唐さんの日常を追うという形を取っているのですが、監督の問いに答える時も芝居の稽古の時も飲み会で乱れる時も、常にカメラを意識して「唐十郎」を演じ続け、突然激高したかと思ったら人懐っこい満面の笑みで周囲を煙に巻いて行きます。とんだ人たらしだ。唐十郎の素顔は一体どこにあるのかと戸惑ってしまうのですが、24時間演じ続ける事が「役者の素顔」だとするならば、本作は唐十郎の素顔を見事に捉えた作品と言えます。人生そのものが文字通り Theatrical (演劇的)です。無茶苦茶面白い!

 そして、上映後の大島新監督のトークが裏話も満載で非常に刺激的でした。「唐十郎は唐十郎を演じているのではないか」という疑問こそが本作を撮り始めたきっかけとの事。そして、本作に潜り込ませた監督の仕掛けまで「なるほどなぁ」の連続でした。演劇には興味のなかった僕ですが、「紅テントに一度行ってみたかった」と思わされた一作でした。

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