ノーカントリーのレビュー・感想・評価
全32件中、1~20件目を表示
淡々と殺すアントンが怖い
映画は悪役が好き。ネットで調べた映画のヴィランランキングで、本作のアントンが上位にランクインしてたので彼目当てで鑑賞。
大金を盗んだ男を追う殺し屋と保安官。ストーリーは単純だが、何を伝えたい作品なのかテーマが見えなかった。最後も「え、これで終わり?」という所でいきなり終わるので意味不明。鑑賞後に残ったのは「アントンが怖かった」ただこれだけである。
淡々と殺すアントンが怖い
ダサい髪型、ギョロりとした目、誰ともかみ合わない会話、絶対に関わりたくないオーラ前回のやばい奴。そんな彼が淡々と殺す姿は怖かった。よくある正義のヒーローが止めるのも無い、ただひたすらに殺していくのでだんだんと爽快に感じた。
印象的だったシーン2つ
1つめは、アントンがガソスタの店員と話す場面。
「何時に寝る?」「何時に店を閉める?」一方的に質問を店員にぶつけるアントンが怖い。あんなヤバイ客居たら逃げだしたくなるわ。コインの賭けで負けてたらと思うと…。このシーンでアントンがコミュニケーションできない人間だと分かる。
2つめは、事故って腕から骨が飛び出る場面。
「腕から骨が見えてるよ」「少し休めば治る」事故後にアントンが少年からシャツを買う。シャツなんかよりも、腕の骨を心配しろよと笑った。普通あんな状況だったら激痛で冷静で居られないはず。
複雑で難解な映画だった。映画を能動的に観る、考察好きなら楽しめると思う。
アカデミー??
あまり感動するところがないサイコパス映画なのに、アカデミー賞取ったのはびっくり。
おかっぱのサイコパス怖い、、
感情が全くない訳ではなく、割と表情が豊かなのも怖い
中盤のお店のシーンが特にドキドキした。おじさん、コインの2択当たってよかったね、、
ジョシュ・ブローリンとの対決は一瞬だった。ちょっと泣けた。
ドラッグ扱うドラマや映画によく出てくるエル・パソがこの映画にも出てきた。
あまり集中して見てなかったから所々見逃してた、、
ちゃんと見ればよかった。普通に面白かった。
ウッディハレルソンは何だったんだ
ターミネーター −1.0だぜ♥
・導入部で脚本が瓦解した。
・犯人と思しき者の部屋の遺留物にいきなり、手を付ける事は絶対に無い。
・無線の発信機と受信機がある事を一時間経って初めて気づく?
・カーソン・ウェールズが死ぬ前になんとかした方がリスクは低かった。
・こんなに悪い奴ばかり片っ端しから殺していたら、でアメリカ民族(?)も絶滅危惧種になるね。
・悪い奴が集約するが、それで、社会が浄化されていると言いたいのか?
・保安官が郡とか州をまたいで、捜査するか?
・途中から話が変わる。人を殺す事だけが楽しいなら、もっと、派手に殺陣をやってもらいたいものだ。人に銃口を向けて
「バ~ン」だけの演技ではCoffeeの売り上げ落ちると思うけどね。
だから、髭をはやしたCoffeeは飲まない。
・主演の男優は日本人?日本のコマーシャル出ているから、日本人と思っていた。プライドや経費で日本のコマーシャルにはハリウッド俳優は出ないからね。だから、出るような俳優は二流と見た方が無難と思う。
・殺人鬼は冷徹な割に前方不注意で市民に助けられるなんてカッコ悪い。どうせなら、助けてくれた市民まであやめれば、括弧良いのに(括弧良い?)
・正義と悪の哲学?
・えっー?
ファーゴってテレビドラマ見た事あるが、その演出家?ファーゴはつまらなかった。大昔の事なので、ストーリーなんか忘れたが。
オスカーの作品賞を獲り、絶対見たい映画にも、よく載っているので見...
オスカーの作品賞を獲り、絶対見たい映画にも、よく載っているので見ました。モヤモヤが残る映画ですね。一度見では、なかなかわかりません。レビューなども参考にして少し振り返ったりしての投稿です。
映画のタイトルは「No country for old man」(老人のための国はない)今回が、二度目の視聴となります。
保安官トムの語りが重要な意味を持つのだろうとは思わせますが、解読が難しいです。基本的には、西部劇の舞台、アメリカ南部とメキシコが主な舞台。西部劇と言えば保安官と無法者の戦い。その時代は、善と悪がはっきりしていた。この映画の時代は、ベトナム戦争の後、1980年代で、逃亡するモス、殺人鬼シガーもベトナム帰還兵と思われます。老保安官は、祖父、父、自分と保安官を代々受け継いできて、もはや最近の犯罪にはついていけないと告白する。金
劇中、トム保安官と別な保安官が、元凶は金と麻薬だよというような話をしている。古い価値観を持った人たちは、麻薬や金のためならどんなことでもやり遂げるのは理解できないということか。この事件の発端となった事件は、金と麻薬の取引で、取引が成立しないで起こっている。しかし、シガーだけは、得体のしれない自分の価値観で動いている。金や麻薬の世の中になって、その申し子は、更に不気味を生むということか。
シガーの存在感は出色。固い決意の前には、誰も止めることができない。自分がどうするべきか、人の生き死にをコイントスで決める、生死に執着しない殺人鬼。オールドマンからすると理解できないということになるのでしょう。
映画で説明不足な部分の考察。
(1)金は誰が奪ったのか?→シガー。保安官トムが犯行現場に戻った際、暗闇で身を潜めていた。換気口のネジが外されて中が見えるようになっていた。妻カーラとシガーの会話で、「お金は問題ない」と言っていたこと。そして、その後の事故で、100ドル札をモスと同じように使っていた。また、モス襲撃の際、逃げる二人のメキシコ人は、現金のバックを持って逃げていませんでした。前のホテルで隠し場所を知っているシガーだけが、お金を取ることができた。
(2)誰がモスを殺したのか? →メキシコ人。妻が訪ねてくるだろうと思っていたところに3人のメキシコ人が待ち伏せ。撃ち合いになり、一メキシコ人一人が死傷。後ろの二人が銃撃してモスが死ぬ。メキシコ人2人は、車に乗って逃走(モスはドアの傍に倒れていた。メキシコ人は、それと対峙する形で描かれていた)発信機の情報がなくなったシガーが、このモーテルを特定するのは困難。事件を聞きつけて、金の有りかを知っているシガーが取り戻しにくる。
(3)保安官同士の会話? 保安官の父は、先住民との銃撃戦で殺された。先住民を殺した報いが、跳ね返ってきて死んだのだ。そのシーンの後、シガーは、交差点で横から来た車に衝突されて大怪我を負う。それiは、アメリカという国が、建国以来持っている宿痾とも言っているかのよう。
(4)終わり方の謎 今ままで受け継いできたものを、もう受け継ぐことができないくらい、社会が変わってしまったというのがこの映画のテーマか。お金をなしくしてしまった。親父が先に行ってしまい待っている→死後の世界で一緒になれる。
(5)表題 No country for oldman →老人の居場所はない。古き良きアメリカの価値観など、居場所がない国になってしまった。
話の通じなさそうな相手に追われる恐怖感
※動物が傷付く描写が苦手な人は、序盤の数十分はかなり注意⚠️
映画雑誌等で、"映画に登場するサイコパス"というテーマだと必ずと言っていいほど紹介されている今作の殺し屋・アントンをやっと見ることができました。
そのサイコパス殺し屋からどうにか逃げ延びていく主人公と、なかなか手が届かず段々とイラつき始める殺し屋の攻防。
そんな主人公が終盤であっさりと殺されてしまうのも、意外性があって面白い。
個人的に印象的だったのは、主人公が「水をくれ」と懇願していた麻薬運び人のために夜中に水を持っていくシーン。
現場では「水はない」と告げて金だけ持ち去るが、夜には寝ようとしていたところから起き上がり、家で水を汲んでわざわざ現場に戻る。
表情を崩さないクールな人物だと思っていたので、主人公の根の優しさを感じるシーンでした。
生きてくの辛〜
コーエン兄弟が描く不条理はピカイチだ。
ラストに希望の光があろうとなかろうと「生きてくの辛〜」と思わせる。不条理すぎて「生きてくの辛〜でもしょうがねえ〜」とさえ思わせる。
我々にモスの最期を看取らせてくれない。
シガーは青信号で安全運転してたのに車に突っ込まれて大怪我しちゃう。
不条理ですね。
何事も運であり、紙一重
酸素ボンベってそんな使い方できるんですねと、冒頭驚きました。
銃とかド派手な兵器を使った殺し屋ではなく、ありとあらゆる現実的な方法で追いかけてきて、殺していくのがリアルで怖い。
シガーがあまりにも冷静冷酷で、感情移入はしていないものの逃げてるほうをついつい応援したくなる。
トミー・リー・ジョーンズ、あまりにも日本でお馴染みの俳優すぎて、勝手に親しみを持っているせいか、シガーに殺されないでほしいと祈るばかりでした。
それくらい、シガーの迫力がすごかった。
コイントスが表なら殺さない…コイントスひとつで運命を決めるというシガーの狂人さは恐ろしく、紙一重にある生死。一方的に相手の生死を支配して、ついさっきまで冷酷に人を殺したシガーが、最後、車で事故にあい大怪我を負ったシーンで、人の運命のあっけなさ、人の命をあれだけ奪ったシガーも脆く哀れなものだと感じました。
シガーの生と死も紙一重と思わせる、最後の終わり方好きです。
シガーが追ってくる場面が多く、ホラー系やドキドキする場面が多い映画が苦手な自分としては、終始ハラハラして観たので…何回も観たい映画ではないかなと思い、すごく個人的な評価で3.5にしました。
殺し屋がとにかくしつこくて不気味。 大金を奪った男もなかなかしたた...
殺し屋がとにかくしつこくて不気味。
大金を奪った男もなかなかしたたかで、何とか逃げ切ると思ったが・・・。
また、殺し屋は最後は死ぬと思ったが、こいつは不死身か。
途中で登場した、ボディガードを売り込んできた男、大物感を漂わせていた割には、あっさりやられてしまう。
しかも最後は命乞いみたいなことまでして(笑)
作品としてはスリリングで大いに楽しませてもらった。
凶器は屠殺用のエアガン
あまりにも病的な殺人鬼映画、殺人鬼だから異常なのは当然だが演じた俳優(ハビエル・バルデム)がアカデミー賞を獲ることからも際立った不気味さであることは万人が認めるところだろう。
だが、この映画の恐ろしいところは、まるで社会派ドラマのような、ありそうなこととして受け入れられているアメリカの病巣の深さの方でしょう、だから賞を総嘗めなのかも・・。
この手の犯罪ものを作らせたらコーエン兄弟は実に巧み、殺し屋の凶器はなんと牛の屠殺用のエアガンだとか、それで人を殺すと惨いと思う、犯罪ものだから死体には抵抗ないが犬が死んでいると不憫に思う、この人間のご都合主義をあざ笑うかのような演出はほんとに怖い。
先の読めない殺戮の連鎖に耐えるのがやっと、それも2時間余りの長尺だからたまりません。
(ネタバレ)
観終わってみれば、多少気になるところも湧いてきました。
逃げる主人公に散々、感情移入させておきながら実は殺し屋の方がメインだったと言う肩すかし。それにしても思慮深そうな老保安官(トミー・リー・ジョーンズ)は何だったのか?、殺し屋を食い止めると期待したが間に合わず、せめて逮捕かと思えば野放し状態。これでは病的な犯罪増加を嘆く時代の生き証人、ドラマの狂言回し役で終わってしまいました、そう言えば原題はNo Country for Old Men、老人には住めない国でしたね。
逃亡劇に持ち込む為とは言いながら、一旦逃げた現場にわざわざ戻るのも解せません、死にかけていたドライバーに末期の水を飲ませてやりたいと言う設定なのでしょうがベトナムでのトラウマか何かあったのでしょうかね。
奪った金に発信器が仕込まれていたので居場所がばれるのは理にかなっていますが処分してからもやけに簡単に追われ過ぎのような気もします・・。
お国の事情の違いなのかもしれませんが賞を総なめするほどの作品とは正直思えませんでした。
やられた
開始から即、殺人鬼シガーのヤバさが見事に描写されていて、インパクト大。対する主人公(だと思っていた)も元軍人のやり手でお互い一歩も引かない逃走劇に終始緊張感が走る。劇中ほぼBGMがなく、淡々と行動が描かれてるので追い詰められそうになるシーンは、特に静かで緊迫感と恐怖感で吐きそうになるほど。
淡々としている割にその他の登場人物もキャラが立っていて飽きない。クスっとなるシーンもある。
そして劇後半からはまさかの展開になり、やられた!となった。
シガーの追跡捜査(発信機バレ以降)の具体的な方法や最後の事故シーンの意味、通りすがりの少年から上着を買うシーンを対比させた意図など不明点もある。
また、物語も特に解決した様子もなく、スパッと終わってしまう。だがしかし、消化不良は感じず、なぜか余韻に浸れる。非常に魅力的な雰囲気のある映画だった。
解説や他の人のレビューを見て理解を深めたい。
ハードル上げたせい
アカデミー作品賞他多数受賞とあり、結構期待してしまった。
ハードル上げたせいか、最後まで観て、うーむ、と。
や、決してつまらなかったわけではない。
むしろ引き込まれ、あっという間の2時間。
でも…酸素ボンベを持ってるのに移動が速い(笑)シガーの残虐性に唖然としてしまった。
その年によって違うのかもしれないけど、爽やかな気持ちになれなくても、せめてシガーを追い詰めてスカッとする作品がよかったな、と。
なかなか日本人には理解し難い作品なのかも。
子供の頃は理解できなかったなぁ
保安官が「最近の犯罪は理解できない」的なことを言っていたが、昔も同じような犯罪はあった。
変わったのは自分。思わず笑ってしまうようなこともなくなり、ついていけなくなったから引退したんだと思う。
それにしてもシガーはわけわからんほどの異常者だけども
ほとんどすべての人に過酷な国
アメリカは、ひろい。ほんとに、何もかも大きくて、このあたりの風景は荒涼としてこの距離感スケールにめまいがする。おかしなボンベ付きの武器を手に全く自分の思考回路外のことは意に介さないシガー、なぜこのような男が雇われ仕事をしていたのかも不思議。
一人一人のキャラがよく設定されていて面白いし、何はなくとも古き良きアメリカみたいなものがある世代までは共有されててベトナム戦争ぐらいまでは繋がりがあったといえるのか。ベトナム戦争の経験を共有できる人らは、その後の人生の明暗などを人心として感じることができそこに関わりが生まれる(国境を突破できたり)しベトナム戦争以降の戦争体験は負の遺産として兵士たちの人生にのしかかる。
最後の、シガーが怪我をして少年からシャツを買い口止め料を渡し何事もなかったように立ち去るシーン、少年はシャツはタダで良いと真っ当にするも100ドル?対価としては大きな
紙幣をうけとり買収成立。年老いた老人に厳しくようしゃない国、丁寧な言葉を話さなくなった今の国で10歳そこそこの子どもも人心も善意もなく育っていき、シガーは野放しだ。年寄り、現役ではないもの、ただ単に歳を取ったものや、傷を負い犯罪や戦争や悪意の犠牲になり役に立たないものにとってばかりではなく、No country for everyoneだなと思い、そして今2020年代、もはや、no world for everyone じゃない?
スクリーンで見たかったけど配信で拝見しました。音楽での抒情なし、効果音がとても神経に触る、ドキドキ感や絶望感を与えてくれた。
着地点がほしかった
シガーのサイコパスな独自ルール感に引き込まれました。
ただモスは死んでほしくなかったし、主人公という存在感より、シガーに振り回されて死んでしまった気がした。
もうちょっとシガーと対比的に描いてくれれば、キャラが立ったのに、とちょっと残念(それは語り側の保安官にも同じことが言える)
全体として、ただのシガーのサイコパス感だけが突出してただけで、物語性としては物足りなかったと思う
シガーも結局警察から逃げきって終わるし
この映画を見てつまらないと感じた人は
この映画は基本BGMは無く SE(効果音)も適音で
スタートから淡々と物語が進み 終わります。
ただそれだけです。
映画を見てつまらなかったと感じた人。
この映画には親切な説明が一つもありません。
しかし、映画が訴えかけたいメッセージはふんだんに盛り込まれています。
いくつのヒントを見つけられるかで
この映画の奥行きが決まるタイプの映画でしょう。
そういうのは苦手だという方は
メインの登場人物3人の【性格】と【セリフ】そして【結末】を
追ってみてください。きっと何か見つかるはずです。
時に登場人物の周辺人物が核心をついていたりする場合もありますが、そういうのを一つでも見つけられればきっとより楽しめるでしょう。
◆また、ひとつだけネタバレですが
保安官が終盤で犯人がいるであろうモーテルに踏み込みます。
犯人はドアの後ろに隠れてやり過ごします。
保安官は犯人と入れ違いになり引退を決意します。
これ、ボーっと見ていると保安官が引退したのは
「モーテルで犯人を見つけられなかったから」だと見てしまいますが、ちゃんと見ると若干違います。
保安官はモーテルに踏み込んだ時と出る時のドアの開き具合の違いに気づいています。すぐそこに犯人がいたのだと。
そこで初めて決定的な自分の老い(変わってしまった自分)を自覚し、追っている犯人が手に余るほどの脅威だと悟ってしまうんです。
それは「昔の時代は良かった」「ここは昔と変わってしまった」という口癖だった保安官が【変わっていってしまったのは自分だったのだ】と痛烈に気づかせる場面でもあります。
上記のような小さな描写を見逃してしまえば
この映画を見ても何も考えさせられる事もなく終わってしまいます。
余談ですが、この映画は生粋のアメリカ人(特に国境沿い)で無ければ本当の意味で共感や【気づき】が出来ないタイプの映画だと思います。それでもこの映画はやはり傑作です。
こんなラストはじめて…
はじめから、あらすじなどを見ないと何がどうなってるのか理解できなかった…
え、これ誰!?誰が死んだ!?っていうのが理解力がないので難しかったです
まずシガーさんの武器が自転車の空気入れのようで。
あとから解説とかをみて、ようやくなんだったのかわかりました
金を持って逃げた男が主人公だと思いながら見ていたので、
途中で老いた保安官の心情を丁寧に描き出したとき、なんで?と思っていましたが
最後までみて唖然
どうなるんだろう…と固唾をのんで見守っていたのに途中でテレビ消された感じでした
この映画は、人が理不尽に巻き込まれていくのがショックではなく、ラストが衝撃
いろんな解説や解釈をよんでようやく、なるほど~と思える映画でした
シガーの存在感はすごかったです
普段映画の登場人物の名前なんて覚えもしないのに、この人の役名はすぐ覚えれた
アメリカやメキシコ文化圏の人にはすごく深い映画だったのではないでしょうか
全然文化圏が違う私も、理不尽にまきこまれる、運命に翻弄される人々を描いた点では共感ができた
最後ジョーンズさんの詩みたいなセリフはよかったです
不条理に打ちのめされた
理由は特にないが、昨晩、数年ぶりで観直した。
ハビエル・バルテムが演じるアントン・シガーの不気味さは、作品全体のトーンでもある。逃げても逃げてもなぜか追ってくる。避けられようのない災厄の象徴だ。そして、人間は、なぜかその類のものを呼び寄せる方向へと行動してしまう。その象徴がジョッシュ・ブローリン演じるモスだ。
自分が、モスの健闘ぶりになぜこんなにも肩入れしてしまうのか、そしてあっけなく、しかもシガー以外の追っ手に射殺された時、激しい喪失感を感じるとともに、せめてシガーとの対決で死なせてほしかったと願ってしまうのか、久しぶりに観直してようやく自分の感情の理由がわかった気がした。
逃れることのできない宿命を前にして、最後まで闘ったモスと、闘いの螺旋から降りたトミー・リー・ジョーンズ演じる保安官との対称性に愕然としたのだ。だから、自分にもいつか訪れる理解不能な多くの事柄(テロだの、無差別殺人だの、原発だの、AIの進化だの…)に、最後まで抗ったモスを、知らず知らず自分に重ねていたのではなかったか。
モスにも、シガーにも、突然全く異なる角度から訪れる災難に、生きることの不条理を感じてしんどくなった。『ビッグ・リボウスキー』のようなおバカ作品にも、同じようなメッセージは隠れていたが、こう正面切ってシリアスにそれが描かれると、1日をブルーな気分で過ごす羽目にしてくれたコーエン兄弟に、少し八つ当たりしたくなる。
1分たりとも目を離せなかった
出演者の8割がハビエル・バルデムの殺される映画。
ストーリーの何もかもが私の期待を見事に裏切りました。しかも悪い方向へ。モスはストーリー終盤あたりでメキシコのチンピラにあっけなく殺される。保安官は最後の最後まで事件に深く関わらない。シガーは結局野放しだし、映画はぷつっと終わってしまうし。
モスが大金を手にするまでの草原?でのシーンがカッコ良かったですね。セリフ無し、淡々と進む感じが先日に見たゼア・ウィル・ビー・ブラッドの冒頭のシーンに似てます。オシャレです。
馬鹿な男がひょんなところから大金を手にし、それで命を狙われるなんて分かりやすい話だと思いますが、本当にこの映画に関しては、理解するに相当量考えこまなければなりませんでした。原題のno country for old man ジジイの生きる国はねえみたいな意味なんでしょう。それが象徴的に描かれているのはどこなのでしょうか。トミー・リー・ジョーンズが事件に関わらなかったのはそういうことなのかなあとも思いましたが。ジジイには生きづらい世の中。世知辛く残酷な世界、そんな皮肉が込められている気がします。やっぱり、それをno country だけにしてしまっては映画の本来の方向性を変えてしまうのではないでしょうか。と思ったり。
3人の役者は素晴らしかったです。男気溢れる元軍人、狂気に満ちた殺人鬼、なんだか柔らかい感じだけど頼れそうな保安官。人生ベスト10には間違いなく入ります。
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