ノーカントリーのレビュー・感想・評価
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紡いでいるようで最後投げっぱなし
DVD借りてみたらなぜかもう見てたという失態を演じてしまいましたが,折角借りたから見ちゃおうという緩ーい感じの2回目です。
コーエン兄弟の映画は理路整然としていて好きです。
BGMをいっさい使わない感じとか、意味のない絵とかないので、個人的にシンプルかつ無駄のなさを好む自分にとって合っていると思います。
今作はハビエル・ハビデムの何ともいえない気味の悪さが際立ってます。持っている武器にしろ,髪型にしろ、しゃべり方にしろ、唐突な現れ方にしろ、こんなやつに追われたら眠れないです。はい。トミー・リー・ジョーンズがもう少し本筋に絡んでくると思いきや意外と絡んでこない。味のある保安官役はもう彼の得意とするところなのですが、もっと確となる本筋に絡んできて欲しかった。
ジョシュ・ブローリンは無骨な田舎の溶接工という役をやらせたら右に出る人はいないんではないでしょうか?奥さんがダイアン・レインというところも好感が持てます。ちなみにハビエル・ハビデムの奥さんはペネロペちゃんです。
いろいろ紡いでくる独特のコーエン兄弟のストーリー展開と思いきや意外なラスト。ちょっとがっかり。彼ら独特の考える余地を残す展開は,時に観客を突き放しちゃう感じ。今回は突き放された感じがしました。もう少し優しくして欲しかった(笑)
次回作「トゥルーグリッド」はジョシュ・ブローリンと再びコンビを組む模様。ベルリンでは喝采らしかったので、期待できそう!
どこまでも追いかけてくる恐怖
10/4/4
どこまでも追いかけてくるオカッパ男。
BGMが無いことがこんなにも恐怖を煽るとは。
何でそんなに追いかけてくるの、そのお金は何??
理由なんていらない、彼は彼のルールで、ただひたすら追いかける。
ホラー映画でも無いのに何でこんなに怖いの!?
理解しがたい悪
現実的なシチュエーションで展開される話ですが、もう悪い奴らがとことん
ワルなので、普通に生活している立場からはホラー映画にさえ見えてくる。
途中、ある悲惨な犯罪記事にクスっと笑ってしまう同僚に「俺も笑って
しまうことがある」と言った保安官の意見はもっともだ。理解を超えた
恐怖には笑うことくらいしかできない。
あと味の悪い映画ではあるが、見る価値はあると思う。
No Country for あの髪型。
なんとも不気味なオカッパ頭が記憶に残る作品…^^;
これであのヘアスタイルが流行ったら怖いですねぇ。
ただ彼の髪質は、わりと良さそうだったけど(爆)
いかにも公園(?)兄弟らしいひねくれ味ある重厚感、
それほど理解出来てなくても、これはアカデミー賞を
獲りそうな作品だよねぇ~なんて言われちゃう質感。
かなり好き好きが分かれる内容かなと思います。
私自身も、内容自体はそれほど好きでは…^^;
ただ!
久々に映画館でスクリーンに吸い込まれるような感覚、
ジ~っと全神経を画面に集中させ、殺人者がヒタヒタと
迫りくる状況に固唾をのむ…という緊張感を味わいました。
せっかく映画を観に来ているのだから、このくらい
グイグイ惹きつける描き方をしてくれると嬉しいですね。
舞台が80年代とあって、古めかしい(私にはリアルだけど)
雰囲気と殺伐とした風景の中で、唯一音が鳴るのがあの、
札束に仕掛けられた発信機。^^;…あのピっ、ピっ、って
音がだんだん短くなっていくのがコワ面白かったですね。
そんでもってオカッパが、靴を脱いで近づいてくる…(汗)
どうでもいいんですが…顔がデカイんだ、ハビエルさん^^;
というか、目も鼻も口もデカイ。まゆ毛も太い。
だからあのサラサラオカッパヘアで、少し丸みは出てます。
コインの裏表で、容赦なく相手を殺す非情さはあるものの、
あまりに自分のルールに固執しすぎて、要領が悪い(爆)
最後の殺しなんて…あれこそKYじゃないのかしら???
だけど、さすが殺し屋!!なのは、
自分が大怪我をしてもヘーキな顔してましたね。
(あれで助かるのもヘア同様に不思議だけど)
ああいう無機質なところがすごくリアルで良かったなぁ。。
殺し屋がいきなり人情に目覚めて誰かを救う…!とか、
痛みに耐えかね、涙ながらに助けを請う…!なんていう
展開は、どうもリアリティがなくていけませんxx
無機質な中にチラチラとギャグが盛り込まれていたり、
(それに笑えるかどうかはヒトそれぞれでも)
時代の流れに親子や夫婦関係を考えさせる作りだったり、
考えてみると、とても深いことを訴えている作品ながら、
それをワザと真っ当に描かないのが(爆)公園兄弟っぽい。
トミー・リー演ずる保安官。だんだんと時代に取り残され、
冒頭から苦虫を噛み潰したような渋い声で語りだす辺り
某CMを見ているようで…なんだか切ないのぅ…(=_=)
(引退後はジャンパー着て日本で演歌を聴くと癒されるぞ^^;)
話術と音響の恐怖
なるほど、噂通りに、いや噂以上にアントン・シガーという殺し屋は怖い。武器が怖い。話術が怖い。殺しのスキルが怖い。行動力が怖い。信条が怖い。髪型も怖い。ここまで観終わった後に心に残る余韻を残す悪役は久しぶりだ。間違いなく映画史に残る。
ついでにワンコの追跡も怖い。猟犬って泳いででも追ってくるんだ。知らんかった。
中盤までは恐ろしく密度の濃いサスペンス&アクションの世界。コーエン兄弟が今まで培ってきた映像術がフルに力を発揮している。ロジャー・ディーキンズの撮影と兄弟自身の編集術も相まって美しく完璧な世界だ。追うバルデムは当然のことながら、追われるブローリンもタフで良い。
で、やはり後半の締めが問題。この閉め方故に他のサスペンスと一線を画する作品になっていることは間違いないが、果たしてそれで良いのか?悪いのか?「役にも立たないトミー・リー・ジョーンズなんか見たくないし、言葉があり得ないくらい芝居臭い。カタルシスを!」と叫ぶ自分がどこかにいるが、果たしてベル保安官がシガーを倒すラストだと今自分が浸っている余韻はあるのか??DVDでじっくり見て結論を出す必要があるな~と思っておるのです。
恐いけど面白い!!!!
ハラハラドキドキします。
見終わったあとに「あれ?あれはどうなったんだ?」と疑問に思う箇所も
あり、ちょっとわかりずらいかも。でも、全体的な勢いはすごいです。
女性より、圧倒的に男性がみたら面白いと思います。
ビバ、コーエン兄弟!!
秀作
思ったよりコーマック・マッカーシーの「血と暴力の国」の原作に近い。それでもシガーを映像化するとやはり目立ってしまう。それに伴いベルの印象が薄まって、基本的には原作と同じ終わり方がやや唐突に感じられてしまうかもしれない。モスの悪あがきぶりはいい。映画として面白いのはシガーとモスはもちろんのこと、シガーとベル、ベルとモスを同じ画面に入れる場面があるところ。痛い場面を淡々と描くのもいい。
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