劇場公開日 2008年3月15日

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「とにかくあの殺し屋がこわい。笑」ノーカントリー crisさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5とにかくあの殺し屋がこわい。笑

2024年8月21日
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鑑賞方法:VOD

数年後、この映画の内容は忘れても、あの殺し屋の印象だけは残ってそう。笑
マッシュヘアにキリッとした顔立ちの組み合わせが、さらに不気味さを際立たせてる。ゆっくり喋ったり、しつこく問いただしてきたり、こいつにとって何が地雷なのかわからない。「なんか怒らせたみたい...やばい...」って思っちゃう。店員との会話とか見てるとヒヤヒヤしちゃう。「わー殺されちゃいそう、殺されるよ、あんま怒らせんな、やめとき」みたいな気持ちで見てた。笑
そして何あの武器。笑 見たことないんだけど。笑 この映画で初めて見た。あの武器で鍵を吹っ飛ばす瞬間、毎回ビクッてなってた。
あれがあいつにとって殺しの始まりの合図だから。こわかった。

大金を持って帰ったばっかりになあ...。とんでもないことに巻き込まれたよなあ。こんな常に落ち着かず、寝れずにヒヤヒヤしなきゃいけないのならむしろ大金ある方がマイナスじゃね?という。
お金ある方が苦労する、疲れてるじゃん...っていう。
お金がある間は、あくせく働かなくてものんびりゆっくりできる、みたいなのが私の中でお金があることの醍醐味だと思ってるから、
こんな四六時中ヒヤヒヤしたり逃げたりしなきゃいけないんだったら働いてお金稼ぐ方がマシ、と思っちゃった私は。そんな平凡な考えじゃ物語になりませんけど。笑
でもこのモス?自体、最初からなんかこういうスリル味わうことが好きそうな人物ではあったなあ。あの狩猟して、殺人現場見つけちゃったときも「巻き込まれたくない」っていう人間の行動ではなかった。むしろわくわくしてるように見えた。そういう人間なんだろう。だから私が思うほど殺し屋に追われてても「最悪だ」って思ってないのかもしれない。俺もやったんぞ感が彼にもあった。だからしょうがない。そりゃこうなるわ。

あと、私だったら真っ先にあの大金を別のカバンに入れ替えるけどな、と思った。あのカバン目立つ、というかもろ金目のものが入ってる感ある。
なーんでもない、その妻がもってるかばんとかに入れ替えちゃった方がいいのに、とか思いながら見てた笑。

よくわからないことが結構残ってるんだけど、あの殺し屋はどこに?誰に?属して仕事してんだろう?フリーランス殺し屋?笑
とりあえず今回のあの大金に関しては、取り戻すことが彼の目的だったことはわかるけど。あいつが、何を目的にこんな仕事をしているのか、生きているのか、よくわからなくてそれも不気味だった。
あいつに関してわからないことだらけ。
その謎をスッキリしたくてずっと見てしまうってのもあったかもしれない。

トミー・リージョーンズ演じる地元ポリス。
彼のセリフを聞いてると、よくわからなくなる笑、って言ったらあれなんだけど、理解しようと巻き戻して見たりしたけど、んー、どういうことを表してるんだろうこのシーンは。って結局よくわからなかったりした。
彼自身、年々世の中で起きる事件を見てくなか、不可解なことが増えてきて
「なんかもう引退なのかもしれないな、バリバリ中心でやってく!って感じじゃないんだろうな」と感じてる、そういう、歳を重ねてくることで感じる世代のズレ、ギャップ。それに対する焦燥感、みたいなものを表していたのかな、彼のシーンは。

なんだったんだろう、ということはいくつか残ってるし
この映画で監督が一番大事にしてる軸、ストーリーの軸は何だったんだろうと、それが気になってわからないまま、でした。
いろいろ考察・レビューも見たけど、わからない人が多いようでした。

cris