「 オスカーの作品賞を獲り、絶対見たい映画にも、よく載っているので見...」ノーカントリー parsifalさんの映画レビュー(感想・評価)
オスカーの作品賞を獲り、絶対見たい映画にも、よく載っているので見...
オスカーの作品賞を獲り、絶対見たい映画にも、よく載っているので見ました。モヤモヤが残る映画ですね。一度見では、なかなかわかりません。レビューなども参考にして少し振り返ったりしての投稿です。
映画のタイトルは「No country for old man」(老人のための国はない)今回が、二度目の視聴となります。
保安官トムの語りが重要な意味を持つのだろうとは思わせますが、解読が難しいです。基本的には、西部劇の舞台、アメリカ南部とメキシコが主な舞台。西部劇と言えば保安官と無法者の戦い。その時代は、善と悪がはっきりしていた。この映画の時代は、ベトナム戦争の後、1980年代で、逃亡するモス、殺人鬼シガーもベトナム帰還兵と思われます。老保安官は、祖父、父、自分と保安官を代々受け継いできて、もはや最近の犯罪にはついていけないと告白する。金
劇中、トム保安官と別な保安官が、元凶は金と麻薬だよというような話をしている。古い価値観を持った人たちは、麻薬や金のためならどんなことでもやり遂げるのは理解できないということか。この事件の発端となった事件は、金と麻薬の取引で、取引が成立しないで起こっている。しかし、シガーだけは、得体のしれない自分の価値観で動いている。金や麻薬の世の中になって、その申し子は、更に不気味を生むということか。
シガーの存在感は出色。固い決意の前には、誰も止めることができない。自分がどうするべきか、人の生き死にをコイントスで決める、生死に執着しない殺人鬼。オールドマンからすると理解できないということになるのでしょう。
映画で説明不足な部分の考察。
(1)金は誰が奪ったのか?→シガー。保安官トムが犯行現場に戻った際、暗闇で身を潜めていた。換気口のネジが外されて中が見えるようになっていた。妻カーラとシガーの会話で、「お金は問題ない」と言っていたこと。そして、その後の事故で、100ドル札をモスと同じように使っていた。また、モス襲撃の際、逃げる二人のメキシコ人は、現金のバックを持って逃げていませんでした。前のホテルで隠し場所を知っているシガーだけが、お金を取ることができた。
(2)誰がモスを殺したのか? →メキシコ人。妻が訪ねてくるだろうと思っていたところに3人のメキシコ人が待ち伏せ。撃ち合いになり、一メキシコ人一人が死傷。後ろの二人が銃撃してモスが死ぬ。メキシコ人2人は、車に乗って逃走(モスはドアの傍に倒れていた。メキシコ人は、それと対峙する形で描かれていた)発信機の情報がなくなったシガーが、このモーテルを特定するのは困難。事件を聞きつけて、金の有りかを知っているシガーが取り戻しにくる。
(3)保安官同士の会話? 保安官の父は、先住民との銃撃戦で殺された。先住民を殺した報いが、跳ね返ってきて死んだのだ。そのシーンの後、シガーは、交差点で横から来た車に衝突されて大怪我を負う。それiは、アメリカという国が、建国以来持っている宿痾とも言っているかのよう。
(4)終わり方の謎 今ままで受け継いできたものを、もう受け継ぐことができないくらい、社会が変わってしまったというのがこの映画のテーマか。お金をなしくしてしまった。親父が先に行ってしまい待っている→死後の世界で一緒になれる。
(5)表題 No country for oldman →老人の居場所はない。古き良きアメリカの価値観など、居場所がない国になってしまった。