劇場公開日 2008年3月15日

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「死神」ノーカントリー Kjさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5死神

2020年1月6日
iPhoneアプリから投稿

怖ぇーよ、マジで。色々御託並べて引っ張って、その緊張感はただものではない。こいつの前では皆が欲まみれの俗物に堕とされ処刑される。悪役?なのかすらわからない史上に残るキャラクター、シガーをハビエル・バルデムが怪演する。
ベトナム戦争後のアメリカで、戦場での行動様式が国内に持ち込まれたような話で、ジョシュ・ブローリンとハビエル・バルデムのチェーシングはスリル満点。市街地での銃撃戦、死角を作ってわざと車を斜めにとめるくだりなどディテールが楽しい。
しかし、その追尾劇の結末がつく間際で視点が老保安官に飛んで、あっさりとなる。数字にこだわるハレルソンは雰囲気十分であったが、こちらもあっさり。原題の、評論ばかりしていて、現場に足を運ぼうとしない老保安官の話に転ずる。実に奇妙な流れである。しかし、後に引く。死神も最後は不条理に巻き込まれる。世界の一部となることの意味を考えさせられてしまう。

Kj