「徹底的に過剰演出を排除したことが逆にかってない緊迫感をもたらしている」ノーカントリー あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
徹底的に過剰演出を排除したことが逆にかってない緊迫感をもたらしている
一言で言えば、麻薬取引に絡む犯罪映画なのだか、凡百の作品と本作を分けるのは過剰な演出がないところだ
徹底的に過剰演出を排除したことが逆にかってない緊迫感をもたらしているのだ
そこが決定的に違う
誰も叫びも怒号もあげない
派手な撃ち合いも極力排されている
淡々と殺しが行われるその緊迫感は半端ない
そして殺し屋シガーの造形が素晴らしい
原題の意味「年寄りの居場所は無い」は、終盤のトミー・リー・ジョーンズ演ずる保安官の台詞で説明される
過剰な演出はなかった、しかし私達はそれまでの物語を通して、昔とは全く違う異常な物語を観てきたのだ
それにより私達は老保安官の引退の決意の重さを共有できるのだ
長いエピローグの様でそうではない
そこが本当の本編のクライマックスなのだ
モスの物語は老保安官がカフェで広げて読む新聞の近頃の昔では考えられないような事件の記事と並列していることなのだ
コメントする