劇場公開日 2008年3月15日

  • 予告編を見る

「怪優ハビエルバルデム」ノーカントリー オレさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5怪優ハビエルバルデム

2016年10月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

難しい

80年代のアメリカテキサス州を舞台に麻薬取引の金を横取りしたモスとその金を追うアントンシガーの2人の男が起こす静かで激しい逃亡劇を描いたバイオレンス作品。

恐ろしく静かで狂気に満ちた今作品。
シガーの圧倒的な残虐性と暴力、ひたすらに無表情だが時折心底楽しそうな歪んだ笑顔を見せる姿に目が離せない。冒頭の警官を絞め殺したシーンは顔だけみたらどっちが締め上げられてんのかわからない迫真(?)の演技。
そして何よりこの2人の争いがとても血みどろで相当痛そうに見える。銃撃戦を辛くも逃げ出したモスは病院に。しかしシガーは麻酔無しで自らの足を手術。そしてそのまま風呂へ。。
なんというか、こう、キュッとなるよね(何が)

その2人を追う保安官のベル。
長年に渡り保安官を勤め上げてきたが近年の犯罪者の理解不能な行動に戸惑いを感じ、その象徴となるシガーの登場に保安官としての限界すら感じ始めてしまう。
保安官が自身の存在に自信を持てなくなってしまうほどの純粋悪。シガー自身の存在だけでなく、このベルの存在があってこそでシガーの悪がさらに印象的なものになっている。

コーエン兄弟の映画は理解が難しい。なかでもこの作品は上位にあたるだろう。アカデミー好みの作品っぽい印象は受けた。
個人的には2軒目のモーテルでドア越しでのお互いの様子を伺っているときの沈黙だけでアカデミーもんだと感じた。あの緊迫感はすごい。あまりの沈黙に思わず音を上げすぎていると?あのシーンはそんじょそこらのホラーより心臓に悪い笑。

オレ