「1分たりとも目を離せなかった」ノーカントリー ふさんの映画レビュー(感想・評価)
1分たりとも目を離せなかった
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出演者の8割がハビエル・バルデムの殺される映画。
ストーリーの何もかもが私の期待を見事に裏切りました。しかも悪い方向へ。モスはストーリー終盤あたりでメキシコのチンピラにあっけなく殺される。保安官は最後の最後まで事件に深く関わらない。シガーは結局野放しだし、映画はぷつっと終わってしまうし。
モスが大金を手にするまでの草原?でのシーンがカッコ良かったですね。セリフ無し、淡々と進む感じが先日に見たゼア・ウィル・ビー・ブラッドの冒頭のシーンに似てます。オシャレです。
馬鹿な男がひょんなところから大金を手にし、それで命を狙われるなんて分かりやすい話だと思いますが、本当にこの映画に関しては、理解するに相当量考えこまなければなりませんでした。原題のno country for old man ジジイの生きる国はねえみたいな意味なんでしょう。それが象徴的に描かれているのはどこなのでしょうか。トミー・リー・ジョーンズが事件に関わらなかったのはそういうことなのかなあとも思いましたが。ジジイには生きづらい世の中。世知辛く残酷な世界、そんな皮肉が込められている気がします。やっぱり、それをno country だけにしてしまっては映画の本来の方向性を変えてしまうのではないでしょうか。と思ったり。
3人の役者は素晴らしかったです。男気溢れる元軍人、狂気に満ちた殺人鬼、なんだか柔らかい感じだけど頼れそうな保安官。人生ベスト10には間違いなく入ります。
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