ブレードランナー ファイナル・カットのレビュー・感想・評価
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もはや新作と見まごうクリアさ。
『ブレードランナー』に関しては、リドリー・スコットが劇場公開バージョンで不満だった箇所を片っ端から直した「最終版」で止まっていたので、「ファイナル・カット」はデジタルリマスターくらいに思っていた。が、オールドファンにすれば冒頭の2019年のロサンゼルスを俯瞰で捉えた特撮ショットからして、仰天モノではないだろうか。
まず驚いたのはタイレル社のピラミッドビルの窓がこんなにも多かったっけ?ということ。昔観たバージョンのフィルムの質感とはまったく別種の、あまりにも細密でクリアな映像。ミニチュアのピラミッドに針の穴のように空けられた窓から漏れる光のひとつひとつが、猛烈に粒立っているのである。
特に65㎜で撮られた特撮シーンは一事が万事この調子で、まるで『ブレードランナー』を最新の撮影機材で寸分たがわず再現したようにすら見える。物語や展開的には「最終版」とほぼ同じだが、スコットこだわりのディテールを味わうためには一番のバージョンであることは間違いなかろう。
お話も世界観も素晴らしい
初公開から43年も経ちましたが、一切CGを使用していないにも関わらず、全く古さを感じさせないのは驚きでしたね。
新文芸坐さんにて公開25周年を記念してリドリー・スコット監督自身によって編集された『ブレードランナー ファイナル・カット』(2007)を鑑賞。
『ブレードランナー ファイナル・カット』(2007)
劇場初公開は1982年ですが、本日鑑賞したのは公開25周年を記念してリドリー・スコット監督自ら編集した「ファイナル・カット」版。日本でも新宿バルト9さんで2週間限定公開が決定、慌てて観に行きましたね。
その後もブルーレイも購入したのですが、やっぱり大きなスクリーンでの鑑賞は良いですね。
初公開から43年も経ちましたが、一切CGを使用していないにも関わらず、全く古さを感じさせないのは驚きでしたね。
ヴァンゲリスのシンセサイザーを活用したサウンド、ジャン・ジロー(メビウス)の衣装デザイン、特撮監督ダグラス・トランブルのVFX、シド・ミードの工業デザインに基づいた美術デザインと多彩な才能が集結し、リドリー・スコット監督がまとめ上げています。
特に降りしきる酸性雨と怪しく光るネオン、『スター・ウォーズ』『エイリアン』でも採用された「ウェザリング(汚し塗装)」や「エイジング(経年変化)」によるリアルさ、日本(歌舞伎町)や香港をイメージした街並みは近未来のディストピア、サイバーパンク空間を見事に表現、細部に至るまで凝っており美麗ですね。
撮影も逆光はじめ光と影のコントラストを実に効果的に活用。潤沢な予算、CGを活用しなくてもきちんと陰影をつけるだけで印象的なシーンが撮れるお手本、好例ですね。
キャストもハリソン・フォード、ルドガー・ハウアーも好演しておりますが、レプリカント・レイチェルを演じたショーン・ヤングの息を呑むほど美しさは特筆すべき点ですね。
長年デッカード(演:ハリソン・フォード)が6人目のレプリカント(人造人間)ではないかなど公開後も熱く議論が交わされる本作ですが、映画史に残るSF映画の代表作であることに異論はないですね。
二つで充分ですよ!
あなたの「生命」はだれのもの?
完璧なるヴィジュアルーー世界が地球がアメリカを超えたロスアンジェルスが蠱惑的に明らかに確かに存在する。
この作品はそれだけで存在価値を超越した「何か」を観る者に与える。
その「何か」とは、まさに言語で表現することのできない体験だろう。
この複雑怪奇な時空間では、物語は必要がない。だから、極めてシンプルなのだろう。
且つ、登場人物を演じる俳優群もまるで小道具であるかのように配置され動かされる。まさに「創造主」によって。
レプリカントは執拗に「創造主」を探し求める。
そして、信奉している。それは、タイレル博士を、ではない。
生命の創造主、限りある儚いからこそ輝く生命の創造主。
ロイ(ルトガー・ハウアー)は知っている。生命の起源を。
ロイの生命の起源は「無」である、彼が懸命に生きて「有」したものは生命、そして、また彼が死して「無」となるものは生命なのだろうか。
しかし、ロイはデッカード(ハリソン・フォード)の生命を救うことにより、彼が死す間際に生命を「有」へと転換する。
ロイは知っている。生命の行く末を。
ロイは知っている。デッカードもまたレプリカントである、と。
同胞であるのだ。自身より進化した仲間なのだ。
すべてを悟るデッカードはレイチェル(ショーン・ヤング)を連れて、跳び出す。
レイチェルもまたレプリカントである。
デッカードはレイチェルとともに姿を消す
ーー果たして、どこへ向かうのだろうか。
この世界に「生命」ほど大事なものはない。
それを身をもって顕したロイ。
それを受け取ったデッカード。
レプリカントに宿る「生命」
それこそが、私という人間に宿る「生命」を・・・
これは皮肉ではない。必然なのだ。
この作品は「生命」のひとつの在り方を提示する。
それを、どのように捉えるのかーーー
各人の真価が問われる。
私の本音を述べよう。
「生まれてきて良かった
ーーーいずれ死するとも」
ビジュアル面で突き抜けた、ひとつの美術館
エイリアンに並ぶ、映像面においてリドリー・スコットの狂気を孕んだ拘りが炸裂しまくりの言わずと知れた傑作。ストーリーが哲学的だという評価もあるものの、個人的には映像:ストーリー=9.8:0.2くらい画造りに重きを置かれた、そしてそれがこの2024年になっても他の追随を許さない程にビジュアル面で成功した奇跡的な作品だと思ってます。ワンシーンワンシーンが絵画的で、まるで館内にヴァンゲリスの音楽が流れるリドリー・スコット作品展開催中の美術館に行った気分。その突き抜けたビジュアルが故に、ストーリーはそれらの映像に添えられた解説文のよう。映像に特化した作品は数あれど、本作は別格でそのビジュアルだけで観客を黙らせる、惹き込む、もの凄い魅力を持った作品だと思います。
アルティメットコレクターズエディション買うべし
ファイナルカットはリドリースコット監督の理想に最も忠実なバージョン(個人的にも最高峰のバージョン)であるが、そこに至るまでの紆余曲折についての特典映像がアルティメットコレクターズエディションに収録されている。ファンなら、いかにこのファイナルカットが奇跡のうえに成り立ってるのかを知って涙を流すこと間違いなし。
映画自体のレビューとしては、全てのシーンが何回見てもそのたびにハッと息を漏らす美しさだし、何回見ても新しい発見があるし、何回見てもクライマックスのTears in rainで感動する、そんな完璧な映画です。
全てのSF映画の前に聳り立つ巨大な壁です。
ヴァンゲリスによるサントラも超おすすめです。
レプリカント万歳映画NO1
めっちゃアクション映画なのかなってタイトルだけ見て思ってたけどそんなことなかった
街の至る所に日本のエキスが入ってて面白かった
おじいちゃんが話の通じないやつとして描かれていた
「2つで十分ですよ〜」←あなたは儲かるからいいでしょ
マトリックスみたいに、これ実は僕たちの世界もレプリカント、、、って思わせてくれるSFだった
SFの魅力って突飛な設定が現実と地続きになってると妄想させてくれる所だよね
もし二つの世界を採用するなら、この世界は仮想現実で全員レプリカントというもうなんかどうでもよくなるね
レプリカントが人間よりも表情が豊かで人間であることを疑わなかったりしていて、偽物の方がむしろ本物に近くなるって貝木泥舟みたいだな
あと主人公のハリソンフォードが弱かった
正々堂々映画映えさせながら戦っているレプリカントを拳銃で後ろから撃ってた
ラストが違うとこうも違うのか
過去数度見ています。
いくつかのバージョンがあるのは知っていたけれど、今回の「ファイナル・カット」は初めての視聴でした。
レビュータイトルにあるように「あれ?最後森をドライブするシーンあったよな??」という疑問で視聴が終わり、検索してなるほど。
全く正反対のイメージで終わらせる手法は凄い!
前回見たのが思い出せないくらいなので、いい年齢を重ねて大人になって見てみるとファイナルカットでは「太陽の光」が一切無くなっちゃう。その演出、世界観がストーリーの重厚感と相まっているなぁ~と。その映像に相まって、やはりヴァンゲリスのサウンドトラックが秀逸。何度聞いてもゾクゾクする楽曲のオンパレードだ。色褪せない。
今回見て感じたのはレプリカント達の演技が素晴しかった。
映画だけでなくあらゆるSF作品の代表作の一つでしょう。
サイバーパンクにアジア的表現を用いることで日本の台頭を表現し、止まない雨を降らせて動物が本物かどうかにこだわる社会を見せることで、地球環境の破壊を説明無しで表現するなど、非常に優れた世界観でした。
寿命が決められたAI。感情どころか愛情まで持ち、人間とほとんど変わらない。その恐怖と怒りに本来は敵であるはずのレプリカントに感情移入してしまいます。そして最後の戦いでなぜロイがなぜその選択をしたのかを考えると、彼の生きた証を誰かに知って欲しいという叫びが深く胸を打ちます。
SF映画…いやあらゆるSF作品の代表作の1つといっていいでしょう。様々なAIもののSFを観賞する上で考察する視点を沢山与えてくれる優れた作品です。オリジナルの公開から40年以上経った今でもまったく色あせていません。
ルトガーハウアーがすごい
評価3.7
SFではかなり有名なディストピア作品。
何と言っても、この陰鬱とした世界観は本当に良い。
それと随所に見られる日本語は何とも嬉しいものでした。
ブレードランナーと呼ばれるアンドロイド専用の殺し屋が、レプリカントを追い詰めるというシンプルなストーリー。
でもそこにレプリカントの葛藤など、中々に深みがあります。
このレプリカントの中で、物凄い存在感を放っているのがルトガーハウアー。
終盤のターンに入ると、もうルトガーハウアーが全部持ってってましたね。
あの狂気に満ちた表情からしてすごい。
雨の中頭から血を流し半裸で手に釘刺して、反対の手には白鳩持って追っかける。強烈ですね。
物語の最後、デッカードが人間なのかどうか曖昧にしたままなのがまた憎い。
好みは分かれると思うのですが、今観ても面白いSF作品でした。
名前だけは知っているが今まできちんと見たことがなかった作品
ようやく鑑賞。
最初のブレードランナー公開の1982年からずーっと気になっていたのに機会を逸しておりオリジナルは観ていませんが、どうせ引っ張ったのならリドリー・スコット監督が一番好きだと語るこのファイナル・カットをと思って鑑賞。
舞台である2019年は過ぎ去りましたが、40年も前にこの映画が作られていたことに驚きます。
当然ながら皆若く、ハリソン・フォードのカッコ良さやレイチェル役のショーン・ヤングの美しさはもちろんですが、10代のころに『ヒッチャー』で観て以来その個性に圧倒されたルトガー・ハウアーが、渋さがありつつもその若さも手伝って名刀のような鈍い光を放ちつつ醸し出す鋭い存在感にあらためて魅了されました。
古典とも言える作品ですが、それでいてその新しさにワクワク感が止まりませんでした。
AIが急成長している昨今、現実にレプリカントが現れたりしないことを祈りつつ、映画の中だけは本作のように想像力を掻き立ててくれて後世に影響を与えるような作品がドンドン出てくることを心から願います。
2019年はとっくに過ぎたけど・・・
この作品には思い出が多すぎる‼️初見はVHSだったけど、当時からオリジナル版と完全版があり、小学生だった私はどちらを見ればいいのか大いに悩んだものです。その後ディレクターズカット最終版が出て、ワークプリントまで出て、そしてファイナルカットである‼️その全てを観て毎回唸らされてきました‼️VHSからLDへ、ワイドスクリーンの構図にビックリして、DVDとBlu-ray、4K UHDで観た時の映像の美しさに衝撃を受けました‼️やはりこの作品を語る上で欠かせないのは、その見事なSFXですよね‼️多分主役はハリソン・フォードよりも2019年のロサンゼルスの街並み‼️香港と東京をイメージしたというダウンタウンの街並み、絶えず降り続く酸性雨、モダンに建築されたピラミッドや建物、アジアやラテンの移民たちが揉み合う雑踏、ワカモトのスクリーンボード、巨大でけばけばしいネオンサイン、空を走る高度なコンピュータを装備したパトロールカー、デッカードが使用するブラスターまで、あまりにも印象が鮮烈すぎて忘れられません‼️ヴァンゲリスのシンセサイザー音楽も素晴らしい‼️そしてハードボイルドなハリソン・フォードのデッカードと、人間とは思えない美しさ(レプリカントだから当然か)のショーンヤングのレイチェル‼️2人のラブシーンも美しくて、続編「ブレードランナー2049」での展開を考えると切なすぎですね‼️でもやはり、ルトガーハウアーの名演に勝るものはありません‼️レプリカントの悲しい心情を体現する彼の強烈な存在感‼️タイレル社の社長に延命を要求する会話のシーンの凄み、そしてラスト、雨にうなだれながらデッカードにレプリカントの悲しき宿命を訴え寿命が尽きるシーンは、ビジュアル先行と思われがちなこの作品に深いテーマ性をもたらしています‼️ちなみに私はやはりオリジナル版が好きですね‼️私の「ブレードランナー」体験の基になっているのはオリジナル版ですから‼️それとデッカードが本当はレプリカントかどうかという議論はそろそろ終りにしましょう‼️
【”人間とレプリカント(AI)との違いは何か!”圧倒的な近未来世界のビジュアルと、故、ルトガー・ハウアーの存在感及びレイチェルを演じたショーン・ヤングの美しさにヤラレタ作品。】
ー 今作を初めて鑑賞したのは学生時代である。
フィリップ・K・ディック好きの級友と共にビデオで見た。圧倒的な近未来世界のビジュアルには引き込まれたが、余り印象には残らなかった。
だが、この作品が後世の映画に及ぼした影響は多大なるモノがある。
分かり易い所で言えば、史郎正宗の”攻殻機動隊”を原作にしたスカヨハが草薙素子を演じた「GHOST IN THE CHELL」や今作の後編と言っても良い「ブレードランナー2049」である。-
◆感想<Caution! 内容に触れています、>
ー これほどの作品なので、久方ぶりに鑑賞した感想をシンプルに記す。ー
・今作では、反乱を起こしたレプリカントを追うブレードランナーである、デッカード(ハリソン・フォード)は、常に陰鬱な表情をしている。これは、私の解釈だが彼は寿命4年の脱走した最新型レプリカント達を殺す事に嫌気がさしている。
・だが、彼は、着実に酸性雨が降りしきる一切、日が当たらない2019年のロサンゼルスで脱走したレプリカントを”解任”しいていく。
・だが、レプリカントを開発した、タイレル教授の秘書であるレイチェル(ショーン・ヤング)の美しさに惹かれつつ、瞳孔の動きを察したデッカードは彼女がレプリカントであると気づくが、レイチェルがその事実を知らず、タイレル教授が愛した姪の記憶が刷り込まれている事に気付く。
ー だが、彼はその事実をレイチェルには言わない・・。-
■一方、脱走した最新型レプリカント達のリーダー、バッティ(ルトガー・ハウアー)との一騎打ちで、バッティが、デッカードの指を殺されたレプリカント達への想いを口にしながら折って行くシーンからの、絶体絶命のデッカードを助けた後に、彼に語り掛ける人類の為に自分達が行ってきた事を誇らしげに語り息絶える姿は、名シーンであろう。
AIであるが、人の心を持っている事を、明確に表したシーンである。
<ラスト、デッカードがレイチェルが眠っているベッドに走り寄り、彼女が息をしているかを確かめるシーン。そして、”逃げよう”と言ってレイチェルの手を取るシーン。
この後の展開は「ブレードランナー2049」に引き継がれる。
今作は、”人間とレプリカント(AI)との違いは何か!”という現代でも十二分に通用するテーマを題材にした、リドリー・スコット監督が産み出した独特な近未来(といっても、舞台は2019年のロサンゼルスなのであるが。)の世界観に魅了される作品である。>
初!生演奏!色褪せない!最高ぅ!
伝説となったカルトムービーの圧倒的な映像美!
午前十時の映画祭12にて。
何十年ぶりに観ただろうか…
「ディレクターズカット(完全版)」というバージョンがあったが、さらにその後にリドリー・ズコットが再編集したという「ファイナルカット」版。
どこが変わっているかはよく分からないが、ラストは完全版と同じだったと思う。
この映画が初公開されたのは1982年。物語の舞台は2019年で、既に過去となった。コンピュータのモニターがブラウン管なのと、ところ構わずオフィスでタバコを吸うあたりは制作された時代を感じる。
PAN AMが倒産してるなど予想だにしなかっただろう。
原作小説が出版されたのは1968年で、車は宙を飛ぶのに電話ボックス(公衆電話)を使っていた。フィリップ・K・ディックも携帯電話からスマホへの発展は想像できなかったのだ。
さて、ルトガー・ハウアーが『シャイニング』のジャック・ニコルソンばりに不気味だったことばかりが記憶に残っていたが、アンドロイド(レプリカント)たちが抱える寿命への恐怖心が強く表現されていると改めて感じた。
むしろ、デッカードがレプリカント3人までを仕留めるシーン(1人はレイチェルによってだが)が、結構残酷だったりする。
デッカードがレイチェルを連れて「愛の逃避行」に踏み出すエンディングには、可哀想な女にのめり込んでいく男の性というものが現れている。相手が人ではないと分かっていても、だ。彼女が美しければなおのこと。
Nexus6
午前10映画祭にて
原作ファン
原作よりメランコリックな話でした
大枚はたいて主人公が買った山羊、電気羊もサクってあるという清々しさ
コッテコテの近未来都市がアジアみたい
生物が貴重な世の中 逃亡した新型レプリカントを追うのは同じなのですが、デッカードが始末するのは実際…まぁレプリカントの悲哀を描いているのは映画の方かなという印象なのでこれはこれで良いかな
ルトガー・ハウアーの怪演が光る
タブレットにネクサスって機種あったのでこれってもしやこれからname after? マーヴェルにも誰かお好きな方がいらっしゃるのか、ワンダヴィジョン、ロキにもnexusちらっと出てきます
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の2049ってパトカーのヴィジュアルとかラストからの流れとかちゃんとこの内容踏襲してるんだと今頃評価
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