ブレードランナー ファイナル・カットのレビュー・感想・評価
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もはや新作と見まごうクリアさ。
『ブレードランナー』に関しては、リドリー・スコットが劇場公開バージョンで不満だった箇所を片っ端から直した「最終版」で止まっていたので、「ファイナル・カット」はデジタルリマスターくらいに思っていた。が、オールドファンにすれば冒頭の2019年のロサンゼルスを俯瞰で捉えた特撮ショットからして、仰天モノではないだろうか。
まず驚いたのはタイレル社のピラミッドビルの窓がこんなにも多かったっけ?ということ。昔観たバージョンのフィルムの質感とはまったく別種の、あまりにも細密でクリアな映像。ミニチュアのピラミッドに針の穴のように空けられた窓から漏れる光のひとつひとつが、猛烈に粒立っているのである。
特に65㎜で撮られた特撮シーンは一事が万事この調子で、まるで『ブレードランナー』を最新の撮影機材で寸分たがわず再現したようにすら見える。物語や展開的には「最終版」とほぼ同じだが、スコットこだわりのディテールを味わうためには一番のバージョンであることは間違いなかろう。
設定は好きなのですが…
設定はすごい好きです。
1982年の時に現代社会においても通用するような設定であるのはとてもすごいなと思いました。
でもその後のストーリーの展開はそこまででした。
最後の戦いのロイ・バティーはとういう心情だったの?
さっきまで今までずっといた女のロボット、仲間のロボットを殺され、悲しげな表情を浮かべていた。
なのに次になったらデッカードにまだ遊びたいから死ぬなと言って陽気な感じになったり…
分からなかったです。
アクションと書いてあったので、そこも期待していたけど、
あのバク転で来るシーン以外カッコよさをあんまり感じられない。
ラストバトルのデッカードもなんかずっと弱腰で、どう観ていいか分からなかった。
これはアクションというか痛々しい暴力に感じた。
お話も世界観も素晴らしい
初公開から43年も経ちましたが、一切CGを使用していないにも関わらず、全く古さを感じさせないのは驚きでしたね。
新文芸坐さんにて公開25周年を記念してリドリー・スコット監督自身によって編集された『ブレードランナー ファイナル・カット』(2007)を鑑賞。
『ブレードランナー ファイナル・カット』(2007)
劇場初公開は1982年ですが、本日鑑賞したのは公開25周年を記念してリドリー・スコット監督自ら編集した「ファイナル・カット」版。日本でも新宿バルト9さんで2週間限定公開が決定、慌てて観に行きましたね。
その後もブルーレイも購入したのですが、やっぱり大きなスクリーンでの鑑賞は良いですね。
初公開から43年も経ちましたが、一切CGを使用していないにも関わらず、全く古さを感じさせないのは驚きでしたね。
ヴァンゲリスのシンセサイザーを活用したサウンド、ジャン・ジロー(メビウス)の衣装デザイン、特撮監督ダグラス・トランブルのVFX、シド・ミードの工業デザインに基づいた美術デザインと多彩な才能が集結し、リドリー・スコット監督がまとめ上げています。
特に降りしきる酸性雨と怪しく光るネオン、『スター・ウォーズ』『エイリアン』でも採用された「ウェザリング(汚し塗装)」や「エイジング(経年変化)」によるリアルさ、日本(歌舞伎町)や香港をイメージした街並みは近未来のディストピア、サイバーパンク空間を見事に表現、細部に至るまで凝っており美麗ですね。
撮影も逆光はじめ光と影のコントラストを実に効果的に活用。潤沢な予算、CGを活用しなくてもきちんと陰影をつけるだけで印象的なシーンが撮れるお手本、好例ですね。
キャストもハリソン・フォード、ルドガー・ハウアーも好演しておりますが、レプリカント・レイチェルを演じたショーン・ヤングの息を呑むほど美しさは特筆すべき点ですね。
長年デッカード(演:ハリソン・フォード)が6人目のレプリカント(人造人間)ではないかなど公開後も熱く議論が交わされる本作ですが、映画史に残るSF映画の代表作であることに異論はないですね。
二つで充分ですよ!
あなたの「生命」はだれのもの?
完璧なるヴィジュアルーー世界が地球がアメリカを超えたロスアンジェルスが蠱惑的に明らかに確かに存在する。
この作品はそれだけで存在価値を超越した「何か」を観る者に与える。
その「何か」とは、まさに言語で表現することのできない体験だろう。
この複雑怪奇な時空間では、物語は必要がない。だから、極めてシンプルなのだろう。
且つ、登場人物を演じる俳優群もまるで小道具であるかのように配置され動かされる。まさに「創造主」によって。
レプリカントは執拗に「創造主」を探し求める。
そして、信奉している。それは、タイレル博士を、ではない。
生命の創造主、限りある儚いからこそ輝く生命の創造主。
ロイ(ルトガー・ハウアー)は知っている。生命の起源を。
ロイの生命の起源は「無」である、彼が懸命に生きて「有」したものは生命、そして、また彼が死して「無」となるものは生命なのだろうか。
しかし、ロイはデッカード(ハリソン・フォード)の生命を救うことにより、彼が死す間際に生命を「有」へと転換する。
ロイは知っている。生命の行く末を。
ロイは知っている。デッカードもまたレプリカントである、と。
同胞であるのだ。自身より進化した仲間なのだ。
すべてを悟るデッカードはレイチェル(ショーン・ヤング)を連れて、跳び出す。
レイチェルもまたレプリカントである。
デッカードはレイチェルとともに姿を消す
ーー果たして、どこへ向かうのだろうか。
この世界に「生命」ほど大事なものはない。
それを身をもって顕したロイ。
それを受け取ったデッカード。
レプリカントに宿る「生命」
それこそが、私という人間に宿る「生命」を・・・
これは皮肉ではない。必然なのだ。
この作品は「生命」のひとつの在り方を提示する。
それを、どのように捉えるのかーーー
各人の真価が問われる。
私の本音を述べよう。
「生まれてきて良かった
ーーーいずれ死するとも」
ビジュアル面で突き抜けた、ひとつの美術館
エイリアンに並ぶ、映像面においてリドリー・スコットの狂気を孕んだ拘りが炸裂しまくりの言わずと知れた傑作。ストーリーが哲学的だという評価もあるものの、個人的には映像:ストーリー=9.8:0.2くらい画造りに重きを置かれた、そしてそれがこの2024年になっても他の追随を許さない程にビジュアル面で成功した奇跡的な作品だと思ってます。ワンシーンワンシーンが絵画的で、まるで館内にヴァンゲリスの音楽が流れるリドリー・スコット作品展開催中の美術館に行った気分。その突き抜けたビジュアルが故に、ストーリーはそれらの映像に添えられた解説文のよう。映像に特化した作品は数あれど、本作は別格でそのビジュアルだけで観客を黙らせる、惹き込む、もの凄い魅力を持った作品だと思います。
アルティメットコレクターズエディション買うべし
ファイナルカットはリドリースコット監督の理想に最も忠実なバージョン(個人的にも最高峰のバージョン)であるが、そこに至るまでの紆余曲折についての特典映像がアルティメットコレクターズエディションに収録されている。ファンなら、いかにこのファイナルカットが奇跡のうえに成り立ってるのかを知って涙を流すこと間違いなし。
映画自体のレビューとしては、全てのシーンが何回見てもそのたびにハッと息を漏らす美しさだし、何回見ても新しい発見があるし、何回見てもクライマックスのTears in rainで感動する、そんな完璧な映画です。
全てのSF映画の前に聳り立つ巨大な壁です。
ヴァンゲリスによるサントラも超おすすめです。
レプリカント万歳映画NO1
めっちゃアクション映画なのかなってタイトルだけ見て思ってたけどそんなことなかった
街の至る所に日本のエキスが入ってて面白かった
おじいちゃんが話の通じないやつとして描かれていた
「2つで十分ですよ〜」←あなたは儲かるからいいでしょ
マトリックスみたいに、これ実は僕たちの世界もレプリカント、、、って思わせてくれるSFだった
SFの魅力って突飛な設定が現実と地続きになってると妄想させてくれる所だよね
もし二つの世界を採用するなら、この世界は仮想現実で全員レプリカントというもうなんかどうでもよくなるね
レプリカントが人間よりも表情が豊かで人間であることを疑わなかったりしていて、偽物の方がむしろ本物に近くなるって貝木泥舟みたいだな
あと主人公のハリソンフォードが弱かった
正々堂々映画映えさせながら戦っているレプリカントを拳銃で後ろから撃ってた
ラストが違うとこうも違うのか
過去数度見ています。
いくつかのバージョンがあるのは知っていたけれど、今回の「ファイナル・カット」は初めての視聴でした。
レビュータイトルにあるように「あれ?最後森をドライブするシーンあったよな??」という疑問で視聴が終わり、検索してなるほど。
全く正反対のイメージで終わらせる手法は凄い!
前回見たのが思い出せないくらいなので、いい年齢を重ねて大人になって見てみるとファイナルカットでは「太陽の光」が一切無くなっちゃう。その演出、世界観がストーリーの重厚感と相まっているなぁ~と。その映像に相まって、やはりヴァンゲリスのサウンドトラックが秀逸。何度聞いてもゾクゾクする楽曲のオンパレードだ。色褪せない。
今回見て感じたのはレプリカント達の演技が素晴しかった。
名作!と聞いて…
岡田斗司夫の口からブレードランナーが出たから気になって勢いで見たけど、自分には合わなかった。
見るなら、Wikipediaで予習した方が良い。
いきなり、前説が出てくるが作品内の用語ばかり出てきて、誰が何者なのか理解出来ないまま物語が進んでいく。
結局主人公は追っていたのか、追われていたのか…。
しかも、抑揚が無いから盛り上がるポイントが無い。いかに、監督が悩んだまま撮影したのか読み取れる。
SFの世界観は良いけど、人造人間の表現はイマイチ。
改めて、スター・ウォーズや、ターミネーターが如何に面白いかが理解できた。
タイトルなし(ネタバレ)
オリジナル版との最も大きな違いは、この最終バージョンであるファイナルカット版は「デッカード(ハリソン・フォード)=レプリカント」という事を示唆している所と思う。
例えば、ガフ(折り紙を作る人)が最後にユニコーンの折り紙を残すシーンがある。デッカードしか知らないはずのユニコーンの夢をガフが知っている事を描写することで、デッカードの記憶が「移植」であることを示唆している。
また最後の戦闘で反逆レプリカントのリーダーであるバッティが、危機に陥ったデッカードを救出し自分の命を終えるシーンがある。寿命が尽きるのを悟り、突然、慈愛に目覚めたとの解釈が主流であろうが、短時間で人間性が変化するものだろうか。
彼は人間ではなくレプリカントなのでとの認識もあるにはあるが。
ここは「デッカードがレプリカントと分かったので命を奪わなかった」との解釈はどうだろうか。
何はともあれ、「デッカードとレイチェルは記憶を移植された次世代のレプリカントで寿命設定も変更されている」と考えると色々と辻褄が合うのではないだろうか。
映像クオリティが修正され、ストーリー/SF設定も含めて現在でも視聴に堪え得るSF映画であると思った。
映画だけでなくあらゆるSF作品の代表作の一つでしょう。
サイバーパンクにアジア的表現を用いることで日本の台頭を表現し、止まない雨を降らせて動物が本物かどうかにこだわる社会を見せることで、地球環境の破壊を説明無しで表現するなど、非常に優れた世界観でした。
寿命が決められたAI。感情どころか愛情まで持ち、人間とほとんど変わらない。その恐怖と怒りに本来は敵であるはずのレプリカントに感情移入してしまいます。そして最後の戦いでなぜロイがなぜその選択をしたのかを考えると、彼の生きた証を誰かに知って欲しいという叫びが深く胸を打ちます。
SF映画…いやあらゆるSF作品の代表作の1つといっていいでしょう。様々なAIもののSFを観賞する上で考察する視点を沢山与えてくれる優れた作品です。オリジナルの公開から40年以上経った今でもまったく色あせていません。
ルトガーハウアーがすごい
評価3.7
SFではかなり有名なディストピア作品。
何と言っても、この陰鬱とした世界観は本当に良い。
それと随所に見られる日本語は何とも嬉しいものでした。
ブレードランナーと呼ばれるアンドロイド専用の殺し屋が、レプリカントを追い詰めるというシンプルなストーリー。
でもそこにレプリカントの葛藤など、中々に深みがあります。
このレプリカントの中で、物凄い存在感を放っているのがルトガーハウアー。
終盤のターンに入ると、もうルトガーハウアーが全部持ってってましたね。
あの狂気に満ちた表情からしてすごい。
雨の中頭から血を流し半裸で手に釘刺して、反対の手には白鳩持って追っかける。強烈ですね。
物語の最後、デッカードが人間なのかどうか曖昧にしたままなのがまた憎い。
好みは分かれると思うのですが、今観ても面白いSF作品でした。
名前だけは知っているが今まできちんと見たことがなかった作品
寿命が4年と言われてしまったら、AIだって怒りを覚えて製造者に反抗するか
初公開から25年を迎えた2007年に、リドリー・スコット監督自らが再編集とデジタル修正を施してよみがえらせたファイナルカット版 (元は、1982年製作/116分/アメリカ・香港合作)。2007年製作(117分、G)アメリカ映画。原題:Blade Runner: The Final Cut、配給:ワーナー・ブラザース映画、日本初公開:2007年11月17日。
有名映画では有るがシリーズ全体含めて初めての鑑賞で、原作も読んでいない。AIが実用化されてきている今見てみると、レプリカントと呼ばれてるロボットが意思を持ち、人間に反抗することにリアリティを感じる部分も有り、ドキッとさせられた。またこの映画が40年以上前の1982年に作られていることに、驚きも感じた。
レプリカントであるルトガー・ハウアーが4年の寿命を伸ばせないかと、製作者の天才科学者の元に訪れ何とかならないかと詰問する。そして、それが無理と言われて科学者を殺してしまうことに、一定のリアリティを感じてしまった。意識とか感情に関する科学は、現在でも殆どまだわかっていない現状の様なので、どこかの段階でAIがそれを有していて不思議はない訳で。
「強力わかもと」ネオンで微笑む芸者ガール、日本語の看板/ネオンサイン/壁面の落書きの氾濫(美術のシド・ミードの仕事らしい)、デッカードが屋台で日本語を話す店主にメニューを注文する等、米国が将来日本だらけになってしまうことを悲観的に想像してたことが、かいま見えて驚かされた。
若いハリソン・フォードが主人公を演じているが、共感もしにくくアンチヒーロー的。SF映画といいながら、結局本質は一匹狼のダークヒーロー的アクション映画かと思って見ていた。「エイリアン」と比べると斬新さでは、個人的には少し物足りないとも。
ただショーン・ヤング演ずる美しいレプリカント・レーチェルは、クラシック的な美貌と感情表現に乏しい表情が役柄にピタリとハマっていて、強く印象に残った。
監督リドリー・スコット、製作マイケル・ディーリー、製作総指揮ハンプトン・ファンチャー ブライアン・ケリー、原作フィリップ・K・ディック、脚本ハンプトン・ファン、チャー デビッド・ウェッブ・ピープルズ、撮影ジョーダン・クローネンウェス、美術シド・ミード、音楽バンゲリス、特撮ダグラス・トランブル
出演
ハリソン・フォードリック・デッカード、ルトガー・ハウアーロイ・バティー、ショーン・ヤングレーチェル、ダリル・ハンナプリス、エドワード・ジェームズ・オルモスガフ、ジョアンナ・キャシディゾーラ、ブライオン・ジェームズリオン・コワルスキー、M・エメット・ウォルシュブライアント、ウィリアム・サンダーソンJ・F・セバスチャン、ジョー・ターケルエルドン・タイレル、ジェームズ・ホンハンニバル・チュウ。
ようやく鑑賞。
最初のブレードランナー公開の1982年からずーっと気になっていたのに機会を逸しておりオリジナルは観ていませんが、どうせ引っ張ったのならリドリー・スコット監督が一番好きだと語るこのファイナル・カットをと思って鑑賞。
舞台である2019年は過ぎ去りましたが、40年も前にこの映画が作られていたことに驚きます。
当然ながら皆若く、ハリソン・フォードのカッコ良さやレイチェル役のショーン・ヤングの美しさはもちろんですが、10代のころに『ヒッチャー』で観て以来その個性に圧倒されたルトガー・ハウアーが、渋さがありつつもその若さも手伝って名刀のような鈍い光を放ちつつ醸し出す鋭い存在感にあらためて魅了されました。
古典とも言える作品ですが、それでいてその新しさにワクワク感が止まりませんでした。
AIが急成長している昨今、現実にレプリカントが現れたりしないことを祈りつつ、映画の中だけは本作のように想像力を掻き立ててくれて後世に影響を与えるような作品がドンドン出てくることを心から願います。
『エイリアン』とこの映画は我が青春のバイブルの様な映画。
近年(二、三年前)映画館で見た終わり方と違った。その映画館で見た映画は、『終わり方』はオリジナルと同じだった。この映画の終わり方の方が良い。
スチームパンクな世界で、酸性雨の降る『ロサンゼルス』たそうだが、LAがここまで退廃するだろうか?一部ては香港と言う方達もいるが、電線が張り巡らせば、東京だと思う。だから、この世界観にシックリくるのかなぁと思った。オリジナルでも語らせて貰ったが、ストーリーに付いては、余り緊張感が無かった。しかし、この世界観は後に好きになるアニメとかがリスペクトしているので、こう言った世界観の元祖と言えるのではと現時点で思っている。
原作も読んで見た。
『エイリアン』とこの映画は我が青春のバイブルの様な映画。内容は兎も角。
オリジナルに加点しないのは、終わり方がエレベーターで終わって貰いたかった。
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